232mピーク
金華山・232mピーク (岐阜市 232m) 2003.8.30 晴れ 2人

達目洞高架西駐車場(9:28)→洞山分岐点(9:53)→232mピーク(9:56-10:7)→岩戸への峠(10:20)→駐車場(10:35)

 この休みもいろいろな用事があって、長距離の山行は断念。土曜日の午前中のわずかな空時間を見つけて、金華山に登ろうと思ったが、金華山南にあるお気に入りの232mピークの周遊コースをレポートしていなかったので、レポートを兼ねて駆け足で歩くこととした。

 このコースは金華山愛好家の方にはよく知られていると思う。1年半前に金華山を中心とする山塊の東端にあたる権現山(野一色山)から洞山、232mピークを経て、金華山、西山に至るルートを掲載したが、今回は、232mピーク単独の短時間コースを歩いた。

 起点は達目洞。南の洞山、西の金華山、北の西山に囲まれたこの洞は、水路にヒメコウホネが咲くことでも有名である。今年、鵜飼大橋が完成し、環状線の高架が達目洞を南北に横切っている。ヒメコウホネ自生地はこの高架下にある。156号線バイパス沿いの北側の道を、西に走る。正面に金華山と232mピークが並んでいる。高架をくぐった右手に数台駐車可能な広場がある。ヒメコウホネの観察に訪れる人が駐車する場所で、ヒメコウホネの花が無い時期にも、この水路周辺の自然観察に訪れる人が多い。

 232mピークへの登山道は3ヶ所ある。1つは岩戸公園から。金華山東坂コースに向かう途中から南側の急坂を直登するルート。2つ目は、南斜面から登るルート。洞山からの縦走もこの南斜面を登る。そして、3つ目は、今回の登りとなる達目洞からのルートである。

 駐車場から東に戻り、高架の手前にある草ぼうぼうの坂を登る。以前は工事のため草がなかったが今では通る人も無く、夏草が繁茂している。おまけに山側より竹が倒れて道をふさいでいた。竹をくぐると右手に国有林と民有林の境界を示す立て札がある。ここが登山口となる。

 道はまっすぐに山頂に向かって伸びている。登り始めは暗い潅木の中。たくさんのヤブ蚊が寄ってくる。歩いていても手に止まる。すぐに明るい場所に出るので少しの我慢である。

 痩せた松の並ぶ明るい斜面を登る。ミンミンゼミやアブラゼミの鳴き声に混じってツクツクボウシが秋を告げている。道の中央には等間隔に境界見出標・名古屋営林支局のプレートが打ち込んである。チャートの岩盤がむき出しになった所が多く、かなりの急登。頭上から真夏の太陽を受け、大粒の汗が落ちる。振り返れば156号線バイパスの向こうに尾崎三方山などが望める。気持ちのいい斜面である。暑いのを除けば・・・。

 やがて尾根はなだらかになり、前方に232mピークが頭を出す。右に金華山のピラミッド。西山へ続く稜線が右手後方へと流れる。足元にはママコナのピンクの花が美しい。ここから232mピークへの最後の登り。

 再び道はなだらかになり、薄暗い樹林帯の中を一直線に歩く。左手は民有林らしく、マッタケが出るのだろうか、白いタフロープが張られていた。右方向に洞山の表示がある分岐点を通過。なだらかに登って南側が少し開けた場所に出る。ここが本当の232mピークであるが、展望が今1つなので、北に向かって50mも歩けば展望のいい岩場に出る。

 大好きな場所である。松の枝越しに岩壁の上に建つ岐阜城がすばらしい。西には紅白のアンテナが立つ水道山から金華山へと続く緑の尾根がきれいだ。ドライブコースも見える。マッチ箱を敷きつめたような岐阜市街が輝き、はるか遠くに養老山や池田山が霞んでいる。尖った伊吹山や池田山の端から顔を出した国見岳も確認できた。

 西側は絶壁になっており、ピークその上にある。ここに座って、飲んだ冷たい缶ジュースがおいしかった。1年半前に取り付けたプレートは縛り付けていたコードが切れたらしく、ビニールテープで東側の木に結び付けてあった。風雨に打たれたプレートではあるが、付けた当時の状態で健在であるのがうれしい。

 ピークから北に下れば、岩戸公園の上部、金華山東坂に向かうコースの入り口辺りに合流する。今回は時間がなかったので、北には行かなかったが、ここから北に少し下って西に回り込んだところから、左に踏み込むと、岩壁の上部の大岩の上に飛び出す。ジャングル大帝になった最高の気分になれるが、風がある時には立てないほどの高度感。この上でお弁当を広げれば、何を食べてもうまいに違いない。

 ピークで一服したら、今来た道を戻り、洞山への分岐点から南に下る。やや右に下り、大きな岩の左を巻くと展望のよい岩場に出る。前方には洞山へ続く鉄塔のある山、右前方には岐阜市街が望める。左には洞山が美しい山容を見せる。途中の分岐を左に下り、掘割の峠道に出る。

 洞山への道は、降り口から少し西に行った南側にある。ここにも、以前には無かったプレートが付けられており洞山の名前が書かれていた。洞山を経て白山神社へ歩く人もいるようで、何かうれしい。この先、裏の裏銀座。人に会うことも滅多にない、全く静かな山歩きができること間違いなし。この先のレポートは、1年半前の「洞山〜西山」を参照されたい。

 広い峠道を東に下る。すぐに左へ道が分岐している。左に進むと156号線バイパスの岩戸トンネルの真上を等高線沿いに進み、最後にヤブになる。このヤブの先は確認していないが、今回、登ってきた尾根に出られるようだ。

 今回は、広い林道を下る。人工林の中を大きなジグザグを描いて下っていく。雨の日には、この林道が沢になるようで、掘り取られて溝になっているところもある。暗い人工林の中で再び蚊の攻撃を受けた。走るように下って、平坦になった頃、右手の林の中にカラフルなノボリがたくさんあるのが見えた。ノボリには「南無阿弥陀仏」と書かれている。建物も建っている。時間が無かったので立ち寄らなかったが、どうやら仏様が祀られているようだ。参拝者もありお線香の香りが漂っていた。

 バイパスを走る車の音が聞こえ、分岐。左はアスファルトの車道。直進するとバイパス南の地下道を抜けたところに出るが、今回は左折してアスファルト道に入り、トンネル入り口の上を歩いてバイパスを横断し、バイパス沿いの歩道から地下道で高架をくぐって駐車地点まで戻った。

 約1時間の山歩き。今の時期はヤブ蚊が多いが、秋から春にかけては静かな山歩きが楽しめる。(マッタケ時期は避けたほうがいいかも) 帰路、達目洞を車で一周して草花を観察した。シモバシラやキツネノカミソリ、ミズヒキ、センニンソウなどの花に去り行く夏を感じた。
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