トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平24情使、第584号)
*点線は推定トレース 


相戸岳 (672m 山県市) 2012.12.16 晴れ 2人

白山神社(9:30-9:41)→登山口(9:49)→大岩(10:49)→相戸岳山頂(11:13-12:46)→岩のロープ場(13:03)→谷川(13:40)→林道(13:46)→白山神社(14:02)

★12月16日に山県市の相戸岳に10年ぶりに登って来ました。
★白山神社を起点に、今回は左回りのコースを選択。
★登山口から人工林を抜けて落ち葉の道へ。
★予想した雪はほとんど無く、また、気温も高く、Tシャツ1枚で登りました。
★急斜面からなだらかな尾根歩き、そして山頂手前の急登をこなして頂上へ。
★真っ青な空の下、美濃の山々が大展望。
★昼食の後、西コースへ。
★かなりの急斜面を一気に下り、尾根歩き、谷歩きを経て神社に戻りました。
★雪山登山とはなりませんでしたが、初冬の落ち葉の里山を楽しんできました。


 今回はリバイバル登山。この休みに急遽山行を決定。10年前に登った山県市の相戸岳を目指す。今回で3回目となる。1回目は登山口が分からず、白山神社の裏から人工林の急斜面を強引に登って登山道に合流した。2回目は、初対面のヤブさん・ayameさんと時計回りに周回した。今回は反時計回りのコースで歩くことに。1週間前に降った雪が積もっていると考え、ワカンに軽アイゼンを持参し、ストックもダブルとした。

 国道256号線を北上し、3つのトンネルを抜けると、正面に現れる単独峰が相戸岳である。出戸の集落の交差点を直進。立派な道ができているのに驚いた。道なりに時計回りに走ると、杉の大木がある白山神社に到着。この神社前の空き地に駐車。大杉の枯葉が雪の上に集められて火が付けられ、白い煙が辺り一面に立ち込めていた。大杉の前には相戸岳登山ルートの概略図が描かれた看板が立っている。

 白山神社隣の教龍寺の前にあるトイレを借り、靴を履き替えて出発。まずは神社の奥の院に参拝するため、スギの枯れ葉が積もった長い階段を登った。安全祈願の後、登ってきた階段を下って狛犬のところから東に折れて、ササに覆われた薄い踏み跡を登る。この道は登山口へのショートカット道であり、駐車場からは集落道を通って登山口に向かうことになる。人工林を抜けてすぐ下りとなり、竹薮を抜けると車道に出た。記憶では車道脇に登山口があったと思い、山側を注意して歩くが、登山口が見つからない。突き当りには倉庫のような建物があり、道は行き止まりになるのではと思ったが、未舗装道路の先に登山口の標示が見えた。新しく建物が建ったりして、以前の様子とはだいぶ違うようだ。
 
 登山口から人工林の中の山道に入る。黒と赤のプラスチック杭で止められた丸木階段を登っていくと天然林となり、落ち葉の絨毯を踏んで歩く。気温が高く、10分ほど歩いただけで汗が噴出。長袖Tシャツ1枚になって、結構急な斜面を登っていく。岩が現れ、左に人工林がある。その境を登っていく。さらに登っていくとようやくなだらかな道となった。前方には山頂と思われるピークが樹間の向こうに望める。

 緩やかに下って登り返す。斜面になったところで休憩。コナラやアベマキが多く、ナラ枯れがかなり見られる。立ち枯れた1本のアベマキに、この時期には珍しくナメコが生えていた。アベマキのコルク層を割って出てきたナメコは見事だ。

 休息の後、さらに登っていくと道は左山となり、人工林の中で折り返して尾根の道に戻り、大岩の脇を抜けて痩せた尾根を歩く。気持ちのいい尾根歩きだ。再び僅かに下って緩やかに登り返し、今度は天然林の中、左山でのトラバースとなる。左に折り返すと、ロープが現れ、急登が始まる。プラスチック杭で止められた丸木階段をぐんぐん登っていく。

 この急斜面もすぐに終わり、なだらかな道を5分ほど歩くと、いきなり前方が開け、正面には鉄塔の続く山の向こうに、雪で白くなった高賀山や瓢ヶ岳が望めた。尾根を歩き、一登りで青空に国旗がたなびく山頂に到着。10年前よりも山頂が広くなったような気がした。山頂の国旗のポールや1本の立ち木は昔と全く変わっていないと思ったが、帰って10年前の写真を見てみると、冬でも立ち木に葉が付いている。今回、山頂にあった木は葉がないことから枯れ木になっているのか・・・。
 
 山頂の片隅にもう1つ日の丸国旗が落ちていた。ポールに取り付けてあったものが風で飛ばされたようだ。国旗にはマジックインキで「乾公民館24年」と書いてあり、何人かのサインがあった。地元の方の登頂記念の国旗のようだ。ポールの根元に付けておく。また、ポールの下には新しい「山県市名山めぐり」標示板が設置してあった。最近、山県市が推進している事業で、標示板には相戸岳のほかに舟伏山や釜ヶ谷山が書いてある。まだまだいい山があるので、順次加えられるのだろうか。
 
 山頂からの展望はすばらしい。西には舟伏山、その左手前に輝く反射板を乗せている山は大黒山、そしてその奥には釜ヶ谷山が見える。東には権現山、天王山、誕生山、古城山などの低山、その北には高賀山群が望めた。北の切り開きからは目の前に北山が大きい。

 山頂にはわずかの雪があるだけで、ワカンを持ってくる必要はなかった。12月にしては暖かい。北西の風が強いので山頂の南側で昼食にする。メニューはラーメン。最近発見した激辛ラーメンは寒い時期には最高に美味しい。ガソリンストーブの調子が悪く調整していると、ガソリンタンクの上を歩く大きなマダニを見つけた。背中にYの模様があることから、タイワンカクマダニではないだろうか。12月にマダニを見たのは初めて。この暖かさで動き出したようだ。人気の山で天気もいいが、今日は誰も登ってこない。いつものようにゆっくりとコーヒーを楽しんだ。

 帰路は西ルートを下る。山頂を西に向かい樹林帯に入るとすぐに左右に道が分岐していた。先で合流すると思い踏み跡の濃い右に進んだが、枯れ木の枠が置いてありその先は急な痩せ尾根で踏み跡が消えた。この尾根は北西に伸びる尾根のようだ。分岐まで引き返して、ササの急斜面を下った。

 標示に従って左に折れ、ジグザグと急斜面を下っていく。半端ではない急斜面。ここも赤と黒のプラスチック杭の丸木階段が設置されている。落ち葉を蹴散らしながら、滑らないように下っていく。急斜面を10分ほど下ると大岩が現れ、その右を通過して右に折れ岩のロープ場を通過。なだらかになった尾根を下っていく。右に人工林が現れ、僅かの登りもある。
 
 松葉を踏みながらどんどん下って鞍部へ。ここから谷へ向かう道となり、尾根を離れる。雪の積もった道をホオノキの葉を踏みながらジグザグと下っていくと、谷川の音が聞こえ、小さな谷に下りた。谷の右側を雪で滑らないように歩き、谷を2度ほど渡って広場から林道を歩いた。別荘地を抜けて集落道を通って神社に戻った。
 
 10年ぶりに登った相戸岳であったが、何度登ってもいい山だ。登りの時間が1時間半であり初心者向きの山ではあるが、急斜面があり、特に西ルートの頂上直下は傾斜が大きく、西ルートを登りにしたほうがいいかもしれない。四季を通じて登りたい山である。
★相戸山からの展望


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