眉山 (231m 岐阜市) 2003.4.13 晴れ 2人
白山神社(12:55)→鉄塔(13:11)→車道合流点(13:16)→眉山山頂(13:32-14:25)→民家横登山口(15:02)→白山神社(15:04)
岐阜市街から北を眺めると200〜300mクラスの山々が肩を並べる。東には金華山を最も手前に、その奥に百々ヶ峰、その西に眉山、城ヶ峰と続く。眉山は穏やかな山容で、その山頂あるに大きなアンテナ鉄塔が目印になる。
今回は日曜日の僅かな空き時間を利用して、眉山に登ることとした。標高からして30分で登れる。山頂で遅めの昼食を楽しむこととし、山の大きさには似合わないいつものザックに昼食の道具と食材を詰め込んで昼に出発。
この山には山頂まで車道が通っているが、ガイドブックによると南側の麓にある白山神社東側辺りの民家の間から登山道が記されていたのでここを目指す。長良橋を北に渡り、百々ヶ峰を右に見ながら、最近完成した高富町へのバイパスに入る。前方に大きなアンテナ鉄塔の立つ眉山が迫ってくる。山腹の所々にある山桜が美しい。
バイパスは眉山の東側を削り取って北に進んでいるが、この手前の信号機を左折し、眉山沿いに車を走らせる。ガイドブックの登山口の写真に写っている民家を探すが見つからず、200mほどで白山神社の前に来た。登山口が見つからないので、やむを得ず白山神社で道を探すことにする。神社が登山口になっている山は多い。
神社前の少し広い路肩に車を止める。1台が限度であろう。集落内の狭い道ではあるが車がよく通り、じゃまにならないことを確認して、クサリで車止めされた鳥居をくぐった。石の階段を上り、数個の社が祀られた所に突き当たる。左には奥の院らしきものがあり、その方向に登山道を探すが見つからない。右側に薄い踏み後があったので、東方向に踏み込んでみると、明瞭な道が東に続いている。
斜面を登ってT字路に突き当たる。左にも道があるがすぐ先で消えている。等高線に沿って竹の混じった薄暗い道を歩く。大きな看板が現れ、山側に洞穴がある。岩崎1号古墳であり、石の壁で囲われた暗い内部は、崩壊もなくよく保存されている。長良川を前に日当たりも良く、古来より居住には適した場所であったに違いない。古墳は隣の城ヶ峰にもあるようだ。古墳の東には数基の墓が並んでいた。
下方に民家の屋根が藪の間から見える。倒れた竹をくぐり、灯籠の立つ分岐点に出る。右に下れば登山口に出るようだが、帰路に下ることにして左に登る。道はよく踏まれており、周囲の灌木も刈られて明るい道を登る。たくさんのコシアブラが一斉に芽を吹き始めたところで、昨年の祐向山を思い出させる。山頂での昼食の食材に、脇芽を2芽ほどいただいた。
いきなり展望のよい場所に出る。なんと、先ほど走ってきたバイパスの山を削った法面の上部である。下のバイパスを勢いよく車が走っている。足がすくむ思いである。眼前に百々ヶ峰が大きい。その右には金華山が美しい。西山へ続く稜線の特徴あるコブが印象的である。ここから少し登ったところの左側に小さな社があり、賽銭が置かれていた。
道は左に曲がり、鉄塔の横に出る。今度は北方面が大展望。あいにくの春霞ではあるが、伐採地を東に踏み込めば、天王山、権現山、汾陽寺山、相戸岳などが望める。その向こうは北山であろうか。眼下には、鳥羽川が蛇行し、山県市(旧高富町)の市街地が望める。
鉄塔から西へ進む。シャトルのようなリョウブの新芽を両側に見ながら、すぐに分岐点。直進すれば西の鉄塔へ続く道と思われた。山頂へは、ちょっと藪っぽい右の道を登る。すぐに車道に出る。ガイドブックには直進してさらに上の車道のカーブに出るような地図になっているが、直進すると道は20m程先でシダの中に消えていた。
車道への合流点まで戻り、車道を歩くことにする。牽引荷車など工事車両が置かれており、工事関係者と思われる方と挨拶を交わした。(後日、この山を管理してみえるLさんであることが分りました) 南の金華山や西の城ヶ峰を望みながら未舗装(一部コンクリート舗装)の車道を歩く。ヤマザクラの花が終わりに近づき、えび茶色の新葉が美しい。サルトリイバラの黄緑色の蕾が輝き、足下にはたくさんのスミレが咲いている。ニシキゴロモがかわいい紫色の花を咲かせている。ルリタテハやモンキチョウが舞い、春一色で車道歩きも退屈しない。
大きくS字に歩いて、前方にアンテナ鉄塔が見えると山頂は近い。NTTの巨大アンテナ鉄塔手前左に、鎧塚古墳の案内板がある。緑色のフェンスの扉があり、そこから山頂に向かう。広葉樹の灌木で覆われた丸い盛り上がりは前方後円墳だと思われ、山頂はその上にあった。
三等三角点が中央にあり、古墳を掘り起こさないように教育委員会の注意書きが置かれている。アカタテハが三角点を占領している。木々に囲まれて山頂からの展望はないが、南に出れば南西方面が一部開け、城ヶ峰の東端や紅白の鉄塔が望めた。三角点西の木に板にマジックで書かれた山名プレートが掛かっていた。裏面を見て・・・知っている方の作でした。
三角点の横で遅い昼食。先ほどいただいたコシアブラの芽を入れた雑炊は、ほろ苦い春の味がして、今しか食べられない旬の味覚。誰も登って来る者は無い。木漏れ日の中、うららかな春の昼下がりをゆっくりと過ごした。
帰路は、山頂から南に延びる道をたどってみた。すぐ南にある日本放送協会の建物に繋がっている。一旦引き返し、山頂手前の分岐から東に下れば登り口のフェンス扉に出る。日本放送協会の南にもう1つ建物があったのでフェンス扉には戻らず、すこしの藪をこいで県無線中継所の裏に出た。ここからは、登ってきた道を下った。
麓近くまで下り、民家手前の灯籠がある分岐点を直進してみると、なんとバイパス信号交差点の北西の角に出た。民家のすぐ脇で、バイパスが高い位置に作られたため、車から見ていても登山口が分からない訳である。ここから、白山神社までは歩いて1・2分の距離である。
山頂まで車で上れる山であり、徒歩でもコースの上半分は車道歩きとなるが、回りの低山や市街地、山里の草花を眺めがら歩くことができ、また古墳など史跡もあることから、それなりに楽しめる。今のシーズンがベスト。
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