トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平22業使、第490号) 
*今回のルートは赤色のトレース (一部誤動作あり)


屏風山 (794m 瑞浪市) 2011.6.5 曇り 4人

大草登山口(9:03)→<北ルート>→林道横断(9:10)→仲ヶ平ルート合流(9:53)→北屏風山(10:06)→屏風山(10:09-10:34)→展望地(10:45)→馬の背山(10:57)→林道(11:03)→黒の田湿原(11:09-12:53)→大草南ルート分岐(13:13)→<南ルート>→登山口(13:46)

 今回の山旅は、最近山歩きを始めた若いTOMUさんKUROさんご夫妻の参加を得て、瑞浪市の屏風山に登ることにした。二人は富士山登山をきっかけに山に興味をもったとのこと。共に山歩きを趣味にする若い夫妻は珍しい。まだ近場の山歩きが主体だそうだが、この夏にはアルプスの計画もあるようで、これからの活動が楽しみなお二人。我々と4人での山歩きは初めてとなる。

 梅雨の雨間、瑞浪市に向かって車を走らせ、屏風山登山口の近くで合流。久しぶりの笑顔の出会い。若い二人の服装は決まっており、KUROさんは今流行の山ガールスタイルがよく似合う。我々とは大きなギャップが・・・。
 
 屏風山山頂へのルートはいくつもある。屏風山は2回登っているが、まだ大草ルートを登っていないので、今回は大草登山口に駐車して、北ルートで登り、南ルートで下る周回を計画。もちろん黒の田湿原もコースに組み込んだ。

 県道66号線を北に走り、稲津地区を通過する辺りで、右手に「屏風山・百曲登山口」の小さな案内板を見てさらに走る。「麗澤瑞浪高校・中学校」、右へは「瑞浪芸術館」の大きな案内看板を通過すると右側に大草集落が現れる。小さな橋を渡った直後の右への道に、大草登山口の小さな標示がある。ここを右折してまっすぐ走る。
 
 「大丈夫か?」と思うような狭い坂道の集落道となり、そのまま上っていくと、集落を抜けて未舗装の道となる。未舗装ではあるが普通車でも問題は無い。杉林の中、すぐにイノシシ進入防止の電気牧柵に突き当たって行き止まりとなる。ここが大草登山口である。Uターンして路肩に寄せて駐車。駐車スペースは少ない。
 
 ここから右への道は南ルート。今日の登りは左の北ルートへ。電気牧柵を跨いで人工林を登る。なお、この電気牧柵は夜間のみ通電されているようだ。コツクバネウツギの花を見ながらスギの落ち葉を踏んで歩く。すぐに天然林となり、歩き始めて数分で林道に出た。

 林道を斜めに横断して山道に入る。アカマツの多い林の下草は少なく、たくさんのギンリョウソウが見られた。この時期の山歩きには付きものの花。TOMUさんたちは初めて見るギンリョウソウ。しばし撮影会。この先、ギンリョウソウは切れ間なく見られ、これほどのギンリョウソウが見られる山も珍しい。
 
 堀割れや尾根のよく踏まれた道を登り、大きな岩も見られる。鉄塔への分岐路があるが、ここは右へ。30分ほど歩いて大岩のあるところで小休止して、水分補給。アカマツの道を歩き、再び鉄塔への分岐点を通過。ここも右へ。50分ほど歩いたところで左から上がってくる仲ヶ平ルートに突き当たった。屏風山山頂は右。明るい尾根を歩くとすぐに左側が開けた。東側が開け展望地となっているが、霞んで近くの山しか見えなかった。見下ろす谷の緑が美しい。足元は崩壊地となっている。

 ササ付きの尾根を歩き、丸木階段の急斜面に取り付く。左右にロープが張ってあり、木に「根性坂」と書かれた陶器の皿が吊り下げてある。半分に割れているのが残念だが、陶磁器産地にふさわしい標示板である。急斜面を登りきると北屏風山の標示があるササ付き人工林に出た。ここは昨年歩いたところで、東へ直進する道は寿老の滝北ルートである。
 
 山頂まで100mの標示に従って右に向きを変え、山頂に向かう。登り詰めて1年ぶりの屏風山山頂に立った。東西が切り開かれ、さわやかな涼風が抜ける。いつ来ても気持ちのいい落ち着く山頂である。記念撮影の後、クッキーを食べて一息つく。新緑の美しい東側の切り開きに踏み込んでみると、モチツツジやタニウツギ、エゴノキ、サワフタギなどの花が見られた。
 
 昼食まではまだ時間があるので、黒の田湿原まで足を伸ばすことにした。山頂から南に下る。今日初めての単独男性の登山者に出会った。八百山から尾根を左に外して、暗い潅木のトンネルを下ると展望地への道が右へ分岐している。展望地に寄り、西側を望む。目の前には瑞浪市の田園が霞んで見え、周囲にはオレンジ色のヤマツツジが咲いている。
 
 分岐まで引き返して、さらに南へ下る。天然林から人工林との境を歩いて大草南ルートの分岐を通過。帰路はこのルートを下る。ここからさらに南に5分ほど歩いて馬ノ背山で記念撮影。ここから道が分岐しており、どちらへ下っても黒の田湿原に行くことができる。左の道を下る。
 
 ヤマツツジを見ながら下って人工林を抜けると赤土の林道に降り立った。以前は林道などなかったのだが・・・。地図を見ると寿老の滝からの林道がここまで伸びてきたようだ。山道は林道を左へ少し歩いたところから右へ下っていた。案内板も設置されている。ササの道を下っていくと寿老の滝方向からの山道に突き当たる。ここは右へ。すぐに黒の田湿原への道が左にあり、木の橋を渡って湿原に出た。

 いくつかのベンチが置かれた広場の一角に新しい標示板があり、この付近で見られる植物の写真が掲載されており参考になる。湿原の周回は後にして、ベンチで昼食にする。メニューは予定していた品を忘れたことから、途中のコンビニで調達した竹輪とコンニャクの炒め物。メインディシュはドライカレー。湿原を訪れる登山者は少なく、静かな緑の空間で山談義などおしゃべりをしながらランチを楽しみ、いつものようにコーヒーで締めくくった。
 
 昼食の後、時計回りに湿原を歩く。湿原の花は少なく、キミズミの白い花も終わりかけていた。モウセンゴケが見られたが、花はこれから。対岸のぬかるんだ道を歩き、湿原を横断する木道を歩く。花期は過ぎていると思ったが、まだハルリンドウの花がいくつか見られた。ここでも写真撮影。KUROさんはデジタル一眼で撮影。きれいな写真が取れるに違いない。ベンチの広場まで戻って、帰路は西回りで馬ノ背山を目指す。

 黒の田湿原の入口を西に向かい、笹平ルートの道に突き当たったら右へ。ここからは屏風山のメインストリート。川状態の道から人工林を抜けて大草南ルートの分岐点へ。湿原から20分の距離である。南ルートを下り始めたところで、右の樹間から屏風山の頂上方向が望めた。このルートもアカマツが多く、よく踏まれた道には松の枯葉が敷き詰められており歩きやすい。

 蛇行する単調な道を一気に下った。分岐点から20分ほど下ったところで鉄塔の近くを通過。ぬかるみの道から掘れた広い道を下って崩壊地を見ながら谷に下りる。この付近にも電気牧柵が張られている。堰堤から落ちる水を右に見て丸木橋で谷を渡り駐車地点に戻った。

 屏風山のこの大草コースはよく踏まれた道であり、迷うようなところもなく、1時間で山頂に立てる手ごろな山である。この時期、ギンリョウソウの多いことには驚かされる。花は期待していなかったが、ハルリンドウに出会えたのはラッキーだった。これからトンボソウやクモキリソウなどの野生ランが見られるだろう。

 TOMUさん、KUROさんとはまた一緒に登ることを約束して屏風山を後にした。
★屏風山の植物

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