大黒山 (524m 美山町) 2001.4.21 曇り 3名
美山町を縦貫する国道418号線を美山町役場のある谷合に向けて走ると、前方にぎざぎざした山が見えてくる。これが今日の目的とする大黒山である。その後方には舟伏山が大きく立ちはだかる。美山町役場から2・3分のところにある国道脇の篠座神社右の坂を上がり、スギ林の中に車を止める。駐車場スペースは3・4台。
9時ちょうどに登り始め。駐車場北には2つの林道があるが、右が正しい登山口。直ぐに谷川を渡る。大木が林道をふさいでいる。よく見ると、左に細い山道があり、小さな板に墨で「大黒山登山口」と書いてある。ショウジョウバカマの花は緑色のがくだけになり、新芽が立ち上がっている。いっせいに芽をふいた木々の黄緑色が美しい。じぐざぐに急斜面を登ると、まもなく痩せたなだらかな尾根歩きになる。ヒノキの中にアカマツがたくさんあり、山道は松葉とおびただしい松ぼっくりが敷き詰められている。
山頂までの標高差は300mちょっと。山頂へは尾根に沿って西側へ大きく回り込み、なだらかな人工林の山道を歩く。途中、林家の作業小屋が2つほどある。いくつかのわき道があるが、反射板の標識に従えば道を誤ることはない。途中、尾根を外れて、急斜面につけられた巾30cmほどの細道を通過する。スリル満点。そして、人工林から明るい天然林へ。ふかふかの落ち葉を踏んで、すぐに、頂上へと続く尾根に出る。北側は大きくなったヒノキにより、視界がさえぎられているが、樹間からはわずかに巨大な舟伏山が確認できる。
2度ほど頂上と間違えるようなピークを通り過ぎ、前方が明るくなる。巨大な反射板が目に入る。今度は本物の山頂である。ちょうど10時着。1時間の行程。山頂の北側はヒノキの植林により、視界は全くきかない。舟伏山が望めないのは実に残念である。山頂の南から東にかけて、反射板のおかげで切り開かれている。東には高賀山や相戸岳、反射板の向こうには誕生山や天王山、その右に高富町の古城山、南の遠くには百々ヶ峰とさらに小さく金華山。その西、目の前には釜ヶ谷山が迫る。全て登った山々である。
昼食はスパゲティー、ラーメンにビール。デザートは甘酒とコーヒー。1リットル弱の水で3人分のスパゲッティーをゆでることに成功。ちょっと早い昼食の最中に、2人の男性が犬を連れて登ってきた。地元に住んでいながら、この山は初めてだとか。山好きな人でないと登らない、全く自然の里山である。相戸岳や矢坪ヶ岳と同じような山。
1時間45分の長い昼食の後、下山。斜面の細道を避け、尾根伝いの道を選んだが、数分歩くうちに、道が消えやぶこぎ状態に。誕生山での経験則「山で迷ったら元に戻れ」という鉄則に従い、分岐点まで戻る。正しい道を降りて分かったが、選んだ尾根は少しづつ方向を変え、知らず知らず他の尾根へと繋がっている。山で思い込みが通用しないことを実感。なだらかなロングコースと道を間違えたことが原因で、下りも1時間を要した。
針葉樹の人工林が多いことから、花も少なく、ちょっと物足りない気もするが、全く自然の里山歩きができたという点では満足。大黒山のすぐ西にある天狗城という山も同じような山に違いない。またのお楽しみである。
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