大日ヶ岳の写真
大日ヶ岳 (1709m 高鷲村) 2002.9.15 曇り時々晴 2名

大日岳登山口駐車場(7:24)→鉄塔(7:37)→一服平(8:48)→山頂手前ピーク(10:00)→大日ヶ岳山頂(10:22-11:35)→一服平(12:36)→大日岳登山口駐車場(13:43)

 敬老の日の3連休は、1泊2日で蝶ヶ岳を予定していたが、天気予報は曇りや雨。このため、前夜泊日帰りで御嶽山に予定を変更。しかし、曇りの予想では、2000m以上の山では展望が望めそうにない。このため、急遽、出発直前に再度予定を変更し、大日ヶ岳に決める。前夜泊する必要はないが、せっかく車内泊の準備をしたので、14日の夜に出発し、蛭ヶ野高原バス停にある湿原植物園とひるがの物産館の東にある大きな駐車場で泊まる。連休だけあって、他にも車内泊の車が見られた。

 朝、雨の音で目が覚める。明るくなる頃には、雨もやみ、湿原植物園の向こうにダイナランドスキー場のある大日ヶ岳が見える。しかし、山頂は雲の中。高原の朝は気持ちがいい。トイレに寄った大日ヶ岳登山のパーティーが休息所に集まっている。

 大日ヶ岳への登山コースは、最短のダイナランドスキー場、ひるがの高原大日岳登山口、檜峠の3つがあるが、今回はひるがの高原大日岳登山口から登ることにした。

 登山口へは、蛭ヶ野高原バス停から東へ2つ目の大日口バス停東のガソリンスタンドがある三叉路を北へ入る。三叉路の南側には登山口の表示があるが、小さくて分かりにくい。三叉路を左折すれば、登山口までは曲がり角ごとに表示があり、間違えるようなことはない。

 別荘団地の中を2度ほど曲がり、道は車幅ほどの狭い舗装道路となる。路肩のススキが車にすれる。すぐにコンクリート路面となり、坂を登ると貯水場に着く。その手前左手に大きな未舗装の駐車場がある。10台ほど止められる。7時を過ぎた頃ではあるが、すでに3台が止まっている。トイレはないので、蛭ヶ野高原バス停のトイレを利用するといい。

 水源地を左に、坂を登ると登山口の大きな表示がある。このコースは多くの登山者が登ることから、道は広く、よく整備されている。歩き始めてすぐに左側が切り開かれた場所に出る。ここから、大日ヶ岳が望めるが、やはり山頂は雲の中。山頂からの展望は期待できないようだ。比較的なだらかな道を10分ほどで鉄塔の下に出る。周囲が切り開かれ、南側に鷲ヶ岳が羽根を広げている。鷲ヶ岳という名がついたのももっともという山容。

 鉄塔下の分岐点を左に進み、ブナやミズナラの広葉樹林の道を歩く。雨が降り出しそうな空模様を気にしているうちに、急登になってきたことに気づく。木の根が露出した急坂をゆっくり登る。この急坂が胸突八丁。今朝の雨で、粘土質の地面や木の根が滑りやすい。ここで一気に高度をかせぐ。その後、短い急登が2、3箇所続くが、それ以外は多少のアップダウンを繰り返しながらなだらかな尾根の登りが続く。

 やがて、道は大日ヶ岳山頂に続く主尾根に出て、左に方向を変える。歩き始めて1時間半ほどで登山道にある三等三角点を過ぎ、すぐに樹林の中の広い場所に出る。一服平である。大日ヶ岳山頂まで2.8kmの表示。展望はほとんどない。

 広い登山道は続き、背丈以上もあるササや潅木の中を歩く。大きなブナの木が多く、ガマズミの赤い実が美しい。足元にはアキチョウジの紫の花やアキノキリンソウの黄色い花が秋を告げている。アメリカセンダングサが道を覆うほど繁茂したところがあり、登山者に付いた種で道沿いに広がっているようだ。

 空は次第に明るくなり、樹間から白山が雲の上に頭を出しているのが見られた。今朝の雨でぬかるんだ所もある。マイズルソウの透明感のある赤い実がルビーのようで美しい。赤い実をつけたゴゼンタチバナやリンドウが現れ、初秋の山を実感する。しだいにリンドウが増えてくる。

 突然、明るいピークに出て声が出る。360度の大展望は、今まで展望がなかっただけに、感動である。南に蛭ヶ野の大地とその向こうにホワイトピアスキー場、ちぎれ雲を浮かべた鷲ヶ岳が美しい。北には雲から頭を出した白山や別山がすぐ近くに見える。西にはダイナランドから駆け上がる尾根と、リフト終点駅、そして前大日と大日ヶ岳が大きい。登山道のササの中を山頂目指して歩く登山者が小さく見える。

 一旦、リンドウの咲く坂を下り、最後の登りであるササの道を上る。道が雨水で削り取られて、枯れたササが積もっている。その脇を歩く。鞍部から20分ほどで山頂。山頂には一等三角点と大日如来の像、方位板、石碑などがある。ササの丈が高いが、石の上などに乗って周りを眺めれば360度の展望である。あいにく白山は雲の中に入ったが、山頂を雲に隠した御嶽山や高賀山群を望むことができた。

 他の2コースへの道が南と西にあり、桧峠への荒々しい尾根が印象的である。東には、今、歩いてきた尾根全体が見渡せる。数人の先着者が方位板で山の確認をしたり、食事をしており、それに混じって、まずはビール。食事をしているうちに、先着者は早々と下山。2人だけで熱いコーヒーを楽しんだ。

 ダイナランドから単独の男性が登ってみえた。聞けば、ゲレンデ終点駅まで4WDで登り、1時間の歩きで山頂に着いたそうだ。その後、それぞれのコースから多くのパーティーが到着し、山頂は瞬く間ににぎやかになった。1時間ほど山頂に滞在した後、同じ道を下山した。

 ピークまで下りると、数名のパーティーと出会った。またもや偶然、隣の集落の同級生と遭遇。同じ町内の金華山愛好家の集まりで、月に1度遠出をしているそうだ。偶然に驚くとともに、それだけ山に登っている人が多いことを実感。

 胸突八丁を下ったところで、山頂で出会った男性と再び出会った。ダイナランドからの登りがあまりにもあっけなかったことから、大日口からもう一度登り直してきたという。1時を回っていることから、山頂まではちょっと難しかったかも。

 大日ヶ岳へは、大日登山口から約7kmを3時間で歩くことになるが、急登は一部で、大部分はなだらかなブナとササの尾根歩きである。花も多く山頂からの展望は最高。まちがいなく岐阜県を代表する名山である。

 帰路、蛭ヶ野高原バス停にある農産物加工場「たかすファーマーズ」へ寄ってみた。ここで加工された乳製品や豆腐など、蛭ヶ野高原の特産物が販売されており、保冷バックいっぱいの買い物をした。
 蛭ヶ野高原の唯一の信号から南に曲がり「やまびこロード」を走り、「牧歌の里」の隣にある「牧歌の里温泉」に寄ってみた。通常、入浴料は800円であるが、「たかすファーマーズ」には割引券が置いてあったので600円で利用することができた。連休で大きな駐車場は満車状態。この状況では、温泉は超満員かと思ったが、バラのお風呂のローズ湯や露天風呂などいくつもの風呂があり、ゆっくりと汗を流すことができた。
 「やまびこロード」を軽快に大和町まで下り、国道156線に出る直前に昨年オープンした道の駅「古今伝授の里やまと」に寄ってみた。ここでも600円で温泉を楽しむことができる。珍しいのは、足湯の大きな施設があり、無料で利用することができる。アフターウォーキングにはピッタリの施設でした。
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