トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平23情使、第517号) 

烏帽子岳 (865m 大垣市) 2012.11.3 曇り 3人

細野駐車場(8:32)→第一見晴ポイント(8:52)→第二見晴ポイント(9:12)→第三見晴ポイント(9:22-9:27)→第四見晴ポイント(9:39)→展望岩コース分岐点(9:45)→展望岩コース合流点(10:02)→烏帽子岳山頂(10:06-12:29)→展望岩(12:37)→駐車場(13:38)

★ 11月3日に、大垣市上石津町の烏帽子岳に登って来ました。
★以前から一緒に登ろうと約束していたHさんと一緒に登りました。
★細野の新道登山口をスタート。
★すぐに尾根に取り付き人工林を抜けて、第一展望ポイントを通過。
★さらに急勾配になった斜面を登り、常緑広葉樹林帯から落葉樹の林へ。
★分岐点から大岩コースを選んで、黄色く色づき始めた落葉樹のトンネルを歩きました。
★そして、山頂へ。以前登った時よりも展望のよい山頂にびっくり。
★輝く伊勢湾を見ながら、温かいランチを3人で楽しみました。
★冬型の気圧配置で、北風の強い天気でしたが、美しい秋の里山歩きに満足。
★センブリやアケボノソウの群落に出会うなど思わぬ発見も。


 上石津の烏帽子岳は10年前に狗留孫岳経由で登っている。山頂直下のヤブを抜けて最高点に立ち、さらにササに囲まれた三角点を踏んだ記憶がある。細野からの新道ができたことから2年前にこのコースをアウトドアファンのHさんと一緒に登ることを約束した。Hさんはこの山の近くにお住まいで、冬の八ヶ岳に登るなど本格的な山歩きを楽しんでみえる。Hさんとは何度か山行日程を設定したが、天気や仕事都合などにより延期が続いた。この秋の連休に何度目かの山行日を設定した。冬型の気圧配置ではあるが、降水確率は低い。

 国道21号線を西進して、垂井町から南進し、大垣市上石津町の細野集落の登山口に向かう。前方右に烏帽子岳を見ながら、国道365号線を南下し、かみいしづ緑の村公園を通過したところで細野の集落に向かって右折。この分岐点には烏帽子岳登山口の案内がある。この後、分岐点にはこの案内看板が現れるので分かりにくい登山口までは比較的簡単にたどり着ける。

 時集落の狭い道を抜けて川沿いの道に右折。この日は堤防道路が工事中だったため、迂回路の農道を抜けて細野の集落を通過すると登山口の駐車場に到着。未舗装の広い駐車場には登山者と思われる車が1台停まっていた。靴を履き替えているとキャンピング仕様のワンボックスカーが到着。Hさんの車だったのにはビックリ。さすが、アウトドアの達人である。
 
 駐車場には登山道案内図が掲げてあり、烏帽子岳は美濃富士や熊坂山の別名がありその謂れが書いてある。また、登山道は古くから尾根伝いに作られていた用水路の跡地を活用して時まちづくり実行委員会や大垣山岳会の手によって整備されたとのこと。地図も描かれている。

 ザックを背負って出発。Hさんは以前に登っている山であり、案内してもらう。登山口は駐車場の山側にある農道を南に少し歩いたところにある。大きな標示板があるので見落とすことはない。丸木階段を登って折り返すように人工林を抜けると舗装農道に出た。案内に従ってクランクして水田の道を歩き、ため池を回り込んで再び人工林に入る。ここから本格的な山道となる。

 針葉樹と常緑広葉樹が交ざる林の中、丸木階段や掘れた道を歩く。傾斜は緩やかで常緑樹の中にはアカマツも見られる。暗い樹林帯から明るいスギ林の尾根に出て小ピークに立つ。ピークからはこれから登る烏帽子岳が大きく立ちはだかっている。

 このピークで折れ曲がるように右に向きを変えて、立ちはだかる山へ向きを変える。僅かにススキの道を下って尾根を登り返すと左が切り開かれた場所となる。第一見晴ポイントの表示があり、左に多度山、右に見えるのは狗留孫岳であろう。天気予報に反して頭上は厚い雲に覆われているが、多度山の南には伊勢湾が白く輝いていた。

 見晴ポイントを後に、尾根を登るとすぐに右山のトラバース道となる。ソヨゴなど木の名前が書かれたプレートを見ながらなだらかな尾根に出て、登山道を左に外れ第二見晴ポイントへ。僅かの切り開きから展望が得られた。登山道に戻って常緑樹の潅木帯を10分ほど登ると第三見晴ポイント。ここで小休止。冬型の気圧配置で北風が強く、立ち止まるとTシャツ一枚では寒い。ここからは北側が開け時集落の田園が見下ろせた。足元にひっそりとシキミの黄色い花が咲いていた。
 
 短時間の休息の後、山頂を目指す。なだらかな道が続く。落葉樹が多くなり、紅葉したカエデが見られるようになった。シカの皮ハギが多く、この山にはかなりシカが生息しているようだ。第三見晴ポイントから10分程歩いたところで第四見晴ポイント。ここは東の展望が得られ、多度山の手前に水嶺湖が白く輝いている。眼下の谷は紅葉が始まり、赤色や黄色の木々で埋まりきれいだ。また、足元には花の終わったアケボノソウの群落があった。花の時期に訪れたい場所である。

 ここから本格的な登りが始まる。スズメバチ注意の張り紙を見ながら急斜面に取り付く。シロモジなどの林は黄色に美しく紅葉している。すぐに2つの標識が現れ、右は展望岩コース、左は大岩コースの分岐点となる。どちらへ行くか迷ったが、Hさんは以前、左の大岩コースを登っており、直登コースであることから、大岩コースを選んだ。

 ジグザグと5分ほど登っていくと、大きな岩の壁に突き当たった。これがコースの名前になっている大岩であろう。岩の前から左にトラバースしていく。イワウチワの群落が見られる。クリのイガが散乱している道を歩いて展望のいい尾根に飛び出した。目の前に見える尾根は狗留孫岳だろう。シカに食べられないアセビの緑と対照的に頭上のシロモジの黄色の紅葉が見事である。実に気持ちのいい二次林の斜面をぐんぐん登っていく。
 
 分岐点から15分ほどで展望岩コースと合流。合流点には石柱がある。帰路は展望岩コースを下ることにして山頂を目指す。黄色の紅葉はますます美しくなった。すばらしく雰囲気のいい斜面であり、今日のハイライト。黄色のトンネルを登って右から回り込むといきなり山頂に出た。もう少し時間がかかると思ったが、1時間半ほどで山頂に着いた。
 
 山頂には三角点があり、南側が切り開かれている。10年前には、この三角点はササに覆われて登山者が交代で三角点の写真を撮ったのだが、この変わり様にはびっくり。まずはすぐ近くにある最高点まで行ってみる。潅木の隙間を抜けて2分ほど歩いて最高点のピークに立った。木々に囲まれて展望はない。赤い杭が1つ打ち込まれていた。
 
 すぐに山頂まで引き返して、記念写真を撮った。曇り空で風が強く寒い。伊勢湾辺りは雲が薄く、日が差している。南には藤原岳と御池岳が大きい。展望を楽しんだら、いつもより時間が早いが昼食にする。
 
 風の来ない南側で、輝く伊勢湾や藤原岳を見ながらの昼食。メニューは海鮮鍋。持ってきたガスストーブが寒さで威力が無かったので、寒冷地仕様のHさんのストーブを借りて湯を沸かした。厚い鍋をつつきながらHさんと山談義。これからの雪のシーズンの山が楽しみというHさん。頭上を高速で流れる雲を見ていると雪が降り出してもおかしくない。間もなくこの山も雪に覆われるだろう。

 昼食をとっていると我々と同じコースで男性1人と男性3人パーティが到着。昼食の後、3人パーティの方の話を聞いてみると、大阪からみえたそうで、御池岳に登ろうとしたところ鞍掛峠が通行止だったことから、偶然見つけた烏帽子岳登山口の標示を見てこの山に登ったとのこと。いつの間にか、雲が切れて青空が広がり、日差しが暖かい。

 長い昼食後、登ってきた道を下った。分岐点から真っ直ぐに展望岩コースに入る。一気に下っていくといきなり展望地に飛び出した。大岩の上で、下を見るのも恐ろしい。前方には三角形の山並みが重なっており、ソノドの向こうには霊仙岳が美しい。遠くには薄っすらと伊吹山も見える。眼下には上石津の田園が山の間に広がっており、すばらしい展望を強風の中で楽しんだ。

 展望地を後に急斜面をジグザグに下っていく。この辺りの紅葉も美しい。ある程度下ったところで道は右に向きを変えて、右山で急斜面をトラバースしていくと、往路のコースに合流。ここからは登ってきた道を下った。帰路、登りの時には気がつかなかったが、センブリの群落を見つけた。草丈は低いがたくさんの花を付けており、ストライプの入った淡い紫色の花は美しい。このシーズン、山で見る最後の花になるであろう。

 一気に下って、駐車場に戻った。Hさんとの念願の山歩き達成。また、次回、どこかの山を一緒に登ることを約束して駐車場を後にした。烏帽子岳のこのコースは、よく整備されている。急斜面のトラバース道ではスリップによる転落に注意したい。イワウチワの咲く時期にも登りたい山である。まだ登っていないキャンプ場からのコースは次回のお楽しみ。
★烏帽子岳からの展望

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