トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平17総使、第654号)
展望を見る
百々ヶ峰(権現山)〜源太峰 (約370m、228m) 2007.7.15 晴れ 3人
三田洞ふれあいの森・白山神社(13:20)→展望台(13:42-13:46)→権現山山頂(14:15-14:22)→白山展望台(14:42-14:45)→14番鉄塔・藍川中標識・小町滝分岐(14:55)→滝・渡河(15:04)→権現山北尾根合流点(15:15-15:20)→鳥居のある峠(15:21)→舗装道路横断(15:30)→小さな社(15:35)→先端が黄色い鉄塔(15:49)→紅白の37番鉄塔(15:53)→6番鉄塔(16:01)→39番鉄塔(7番鉄塔)への分岐(16:04)→5番鉄塔(16:07)→源太峰山頂(16:15-16:20)→39番鉄塔(7番鉄塔)への分岐(16:29)→7番鉄塔への分岐(16:35)→7番鉄塔(16:38)→旧警察学校・舗装道路(16:44)→三田洞ふれあいの森・白山神社(17:11)
7月に日本列島に上陸した台風の中では最大級の台風4号は、15日未明に東海地方の南海上を通過。この地方にも大きな被害をもたらすのではないかと心配されたが、思ったより風が吹かなかった。昼頃には青空が見え始めた。
午後に空き時間ができたので、急遽、近くの山に登ることにして、前から歩いてみたかった百々ヶ峰から源太峰への周遊コースを歩くことに決めた。百々ヶ峰のいろいろなルートを歩かれているBOGGYさんを誘って三田洞に向かう。
ふれあいの森駐車場に車を停めて、神仏温泉の東側にある白山神社を起点に展望台経由で権現山を目指すことにする。このコースは初めてで、BOGGYさんに案内してもらう。薄暗い白山神社の裏の遊歩道を登り、ふれあいの森の北側の山腹を東に向かう。遊歩道には木の柵が設けられており、右手には百々ヶ峰の巨体が居座る。正面には頂上に鉄塔を乗せた権現山の二等編三角形が美しい。まずはこの権現山を目指す。
ふれあいの森から展望台に続く遊歩道に合流。遊歩道脇のネジバナを見ながら緩やかに登っていくと、再び遊歩道に合流。ここを折り返して西方向に向きを変える。蒸し暑いが、台風の影響で時折吹く風が気持ちいい。尾根に出て、折り返すと東屋が現れた。ここが展望台であり、初めて訪れる場所である。
東屋の北の高台に登ると展望がいい。これから歩く源太峰までの稜線が北に望めた。源太峰がどの山であるか分からなかったが、鉄塔がたくさん並んでおり、中でも紅白の鉄塔がよく目立つ。紅白の鉄塔近くのピークが源太峰と思いこんだ。2時間後に、これが間違いであることが分かることになる。
展望台からゆるやかに5分ほど下るとふれあいの森からの遊歩道に合流。展望台を経由しないで百々ヶ峰に登る道であり、この道は何度も歩いている。目の前に続く急な丸木階段を登っていく。照りつける真夏の太陽が暑い。かなりバテ気味で権現山山頂に到着。ブドウ糖と水で喉を潤す。権現山という名前のとおり、山頂近くの林の中に小さな社があった。源太峰はここから北へ延びる尾根伝いにあるが、権現山山頂からの道はない。南にある百々ヶ峰山頂を踏んでおきたいところであるが、今回は時間も無いので権現山から白山展望地へ向かう。
権現山から遊歩道を東へ下る。裸足で下ってくる高齢の男性に出会った。石だらけの遊歩道であり、かなり痛いのではないか。びっくりである。白山展望地で北の展望を楽しむ。天王山や誕生山など近場の名山が望めた。台風後で空気は澄んでいるが、雲があり御嶽山は裾野が見える程度。白山は見えない。いつもなら何人かの登山者が休憩している場所であるが、今日は誰もいない。
展望地の西側の分岐点から「小町滝」方向に下る。鉄塔巡視路の黄色いプレートがある。ここからは初めての道。ヒノキ林の中をぐんぐん下っていくので、岩井地区へ下りてしまうのではないかと思ったが、道は次第に西に向き変え、北斜面をトラバースしていく。先ほどまでの遊歩道とは異なり、鉄塔巡視路の道は狭く、また北斜面であることから周囲の様相は全く違う。
白山展望地から10分ほど下ると、尾根に突き当たり、右へ向きを変える。ここで薄い踏み跡がまっすぐ尾根に上がっていたが、後でショートカットの道であることが分かる。左山でトラバースしていくとコシダの茂る尾根に合流。ここに藍川中学校の生徒が作成した木製の立派な標識があった。分岐点になっており、すぐ下にある鉄塔が14番鉄塔らしい。このまま下ると「小町滝登山口」と書いてあり、岩井地区へ下るものと思われた。
GPSで確認して、権現山北尾根へは、今トラバースしてきた尾根を登り返して、さらに北斜面をトラバースしなければならないことが分かった。「三田洞延算寺」の案内に従って、左に折り返すように向きを変える。尾根を登って、先ほどのショートカットの薄い道を左に見ながら、岩に突き当たって西へプラスチック階段を下る。岩にはヒトツバが張り付いている。
暗い樹林帯の中、行く手に北尾根が見える。小さな谷を渡り、大岩の下を抜ける。急斜面の谷に茂るうっそうとした樹林帯。北斜面はいつもの百々ヶ峰とは思えず、深山に踏み込んだ錯覚に陥る。前方からざわめきが響いてくる。風の音だと思ったが、近づくにつれて水の音と分かる。驚いたことに、目の前に岩肌を豪快に流れ落ちる滝が現れた。白い流れが前進を遮る。滝に沿って、急斜面をジグザグと下って、流れを飛び越えた。大雨の後に見られる幻の滝が金華山の北斜面にもあると聞くが、これも雨後だけに見られる幻の滝かもしれない。
ジャノヒゲのかわいい花がひっそりと咲いている。心細い丸木橋を渡って、イワカガミやショウジョウバカマの葉を見ながらプラスチック階段を歩いて、人工林を抜け、ヤブ蚊を払いながら登り詰めると尾根に出た。権現山の北尾根である。ここで5分ほど小休止。13番、14番の鉄塔表示があり、すぐ下の尾根に13番鉄塔があった。黄色いキノコが傘を広げている。
木漏れ日の尾根を下っていくと鳥居が現れた。尾根を挟んで東西に山道が下っている。三田洞地区と岩井地区を結ぶ古くからの峠道のようだ。鳥居から登り返して、保安林の標識を見ながら、灌木のトンネルの中、いくつかの小ピークを越える。台風の吹き返しで強い西風が吹き付ける。風の音でセミの声がかき消される。この風が心地よい。
痩せ尾根を歩き、ピークから急な斜面を下っていくと、目の前にアスファルトの車道が現れた。現在でも使われている峠道のようだ。福富トンネル上部まではまだまだ。車道を横断して、ピークを越え、東に向きを変えながら灌木のトンネルを歩く。前方に紅白の鉄塔が望めた。小さな社があり、お賽銭箱の代わりに貯金箱が置かれているのが面白い。
社の手前でやや左に向きを変える。蜘蛛の巣があり歩く人は少ないようだ。この辺りから、明るい尾根となり、木々の切れ間から左右の景色を見ることができる。展望のいい尾根を下って、登り返す。足下の灌木は刈り払われており歩きやすい。左には堂々たる百々ヶ峰が横たわる。西には福富トンネルを抜けてくる車が見下ろせ、三田洞自動車学校と市街地が広がる。その先には眉山と城ヶ峰が重なる。この角度から見る景色は初めて。
正面に紅白の鉄塔が迫ってきた。この鉄塔の向こうの山が源太峰と思いこんでいたので、後少しとがんばる。ピークを越えると先端が黄色い鉄塔が現れた。ちょうど福富トンネルの真上にある鉄塔のようだ。左右が大展望。高圧線が眼下に吸い込まれている。この鉄塔番号を確認しなかったが、帰って地図をよく見てみると、この辺りには東西に2本、南北に1本、合わせて3系列の高圧線が交差しており、鉄塔が乱立する。この黄色い鉄塔は東西に走る系列の1つ。
展望を楽しんだら先を急ぐ。すぐに37番、38番鉄塔の分岐がある。稜線上の鉄塔は37番であり、直進すると、紅白の鉄塔の下に出た。これが37番鉄塔である。草が刈り取られた鉄塔下を抜け、灌木に入りピークを登り詰める。この辺りが源太峰山頂ではと三角点を探すが、通過点のようだ。すぐ先に小ピークがあるのでさらに歩く。ここが間違いなく山頂と、再び三角点を探すが無い。GPSと地図を見ると、なんと山頂はまだ500mほど先。ここは216mピークである。このピークには6番鉄塔が立っている。
西にはもう1つの鉄塔が見え、その後ろに三角形の山が見える。あれが源太峰と同定。時間は4時を回った。日が長い時期でよかった。216mピークを西に下っていくと左への分岐点が現れ、直進が5番鉄塔、左へは39番鉄塔と書いてある。39番とあるが、次は38番鉄塔で、7番鉄塔への道となる。帰路はここを下りることとし、まっすぐに稜線を下って登り返すと5番鉄塔の下に出た。鉄塔下は赤土で草が生えていない。歩いてきた稜線が見渡せる。かなりの距離を歩いてきた。
アンテナのある小ピークを経て、巡視路が右へ回り込む辺りで、巡視路を外れてまっすぐに尾根を登っていく薄い道があった。源太峰山頂への道である。ヤブとまではいえないが枝のうるさい道を登っていくと5分ほどで樹林帯の中の空間に出た。目標の三角点発見。見慣れた小さな茶色の山名表示板があった。200mほどの低山であるが、長かった。ついに山頂を制覇したという充実感を覚えた。展望はない。
写真を撮って今来た道を引き返し、鉄塔巡視路に合流。この巡視路をさらに西に進むと高富へ下りられるようで、せきすいさんのHPに詳細なレポートが掲載されている。5番鉄塔を経由して登り返し、39番鉄塔への分岐から、展望のいい斜面を急降下。5分ほど下ると38番鉄塔が現れ、この手前から7番鉄塔の案内に従って左へ下った。
下に白いガードレ−ルが見えたので道路に出たと思ったら、鉄塔の足を囲むガードレールだった。これが、7番鉄塔。このとき気がつかなかったが、鉄塔の向こうには石垣が組まれている。クズの葉に覆われて石垣が見えなかったようだ。7番鉄塔は林道終点にあり、ここから左に8番鉄塔を見ながら林道を下る。8番鉄塔の先は通過してきた百々ヶ峰北斜面の13番、14番鉄塔につながっている。
林道途中から道に水があふれて川状態。道の脇の高いところを選んで歩いたが、ついに一面数センチの水深の川になった。川の中をザブザブと歩いた。ゴアの登山靴で水は浸みてこないが、BOGGYさんはローカットシューズで浸水。台風のとんだ置き土産。まさか下山口で沢歩きができるとは・・・。
水浸しのコンクリートの橋を渡って、旧警察学校の裏に出た。三田洞自動車学校を抜けて、自販機で冷たいジュースを飲んで、生き返った。歩いてきた山が周囲をぐるりと取り囲んでいる。岐阜薬大を通過し、住宅街を抜けて白山神社に戻った。ほぼ4時間かかった。楽なコースと考えていたが、半日ではちょっとハード。
それにしても変化に富んだコースでいろいろな発見ができた。百々ヶ峰の知られざる世界を見ることができた。場所は特定しないが、ちょうど開花最盛期のオオバノトンボソウも何株か楽しめた。低山でも山は山。方向を見失いやすいので、地図とコンパスで常に自分の位置を把握し、また鉄塔巡視路は急斜面のトラバースやザレた道などがあり、しっかりとした靴で歩かれたい。山歩きの原点は里山。思わぬ発見ができるかも。
山のリストへ