トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平21業使、第478号)
御殿山〜平木山 (559m 544m 美濃加茂市)2010.5.30 晴れ 2人
白山神社鳥居登山口(7:52)→平木山分岐(8:00)→すずみだん(8:06)→稜線・平木山分岐@(8:13)→御殿山山頂(8:17-8:25)→平木山分岐@(8:29)→平木山分岐A(8:43)→平木山山頂(9:04-9:47)→平木山分岐A(10:05)→猿の岩(10:14)→御殿山分岐(10:18)→登山口(10:21)
5月末の日曜日、午前中の空き時間を利用して未踏の山である御殿山に登ることにした。御殿山は美濃加茂市北部にある低山で、山頂には神社があり道や案内板も整備されているようだ。また、御殿山から東へ続く稜線の端には平木山がある。ネット情報では平木山までの道もある。
ナビの目的地を御殿山キャンプ場にセットして、早朝に自宅を出発。富加町役場北側の信号交差点から県道97号線を東進。東海環状自動車道の高架を潜って800mほど走ったところの「関也」交差点を左折。1kmちょっと走ると、右手に御殿山キャンプ場の案内があり、ここを右折。小さな峠を越えて三和町廿屋に入り、県道80号線を横断。ここにも御殿山キャンプ場の案内がある。しばらく走って小さなキャンプ場を右下に見ながらさらに舗装された狭い山道を走り、2つの大きなカーブを通過すると、左手に鳥居が現れる。この白山神社の鳥居が登山口となる。
鳥居の近くは道路幅が広く、Uターンして路肩に駐車。3台くらいは停められる。鳥居の右には白山神社の木柱と御殿山山頂まで500mの標示がある。そして平安美女の描かれた看板には「人恋ふる 神代の物語 御殿山」の看板がある。御殿山は、遠い昔、加賀の白山からお姫様が白雲に乗り二匹の大蛇をお供に飛来し、山頂に館を造って住んでいたとの伝説がある山で、古くから麓の集落と深い関わりのある山にちがいない。
参道のような石段を踏んで左方向へ登っていく。石段は赤土に刻まれた階段となり、滑らないように登る。道が右へ折り返すように向きを変えるところに古い石仏があり、案内板にはかつて十一面観音が祀ってあったと書いてある。また、ここが奥山自然歩道と御殿山白山神社参道の分岐点とあるが、分岐になっているようには見えない。
道標に従って潅木の道を登る。ササユリの葉を見ながら歩くとすぐに分岐点を通過。右に登れば平木山方向に向うが、ここは左へ。まずは御殿山を目指す。左方向へ右山で歩く。小さな岩場を越えて落ち葉の道を歩くと、左側が開けたところを通過。目の前には205mピークが望めた。
ピンク色のモチツツジが咲く道を登る。この山にはモチツツジが多い。「すずみだん」と書かれた標示が現れた。山頂に住むお姫様が涼しい風を求めてここまで下りてきたと書いてある。さらに西方向に進み、小さな谷に沿って登り、石柱を見て暗いヒノキの人工林に入る。折り返しながら登ると稜線に出た。稜線には新旧二つの標示板があり、古い標示の文字は読み取れないが、右へ行けば平木山。新しい標示は左へ御殿山まで0.1kmの文字。まずは御殿山に向かう。
ヒノキの林の中、稜線を右に外してひと登りするとトタン張りの小屋に到着。小屋の中にはベンチやテーブルがあり、北側には石段とその上に鳥居がある。石段を登って鳥居を潜ると小さなお社があり、灯篭や注連縄、ロウソク、賽銭箱などがある。手を合わせて、記念写真を撮ったが、周囲を見回してここが山頂ではないことに気づいた。山頂はこのお社の上。左から迂回して山頂に立った。展望は無い。切り株の上にケルンがあり、三角点は無い。
西には樹間から隣の554mピークが見える。その方向に道が続いており、奥山自然歩道の表示がある。下ってみると大岩に突き当たり、岩の上に登ってみると西から北方向のすばらしい展望が広がった。名を知らぬ山たちが折り重なって美しい山並みが連なる。視界の右には納古山の西尾根が見える。西には鉄塔の並ぶ山々の向こうに百々ヶ峰が望めた。この岩は切り立った崖の上にあり、木々で隠れているがよく下を見ると足がすくむ。
展望を楽しんだら、引き返し、ショートカットして小屋に戻り、登ってきた道を下った。分岐点まで戻り、次の目的地である平木山に向かって稜線を直進する。道は薄くなったが明瞭で、稜線を外さなければ迷うようなことはない。イワカガミの群落を見ながら、登りにかかる。ピークに近づくと潅木の枝が道を覆いヤブコギ状態のところも。ヒカゲツツジやミツバツツジが多い。花の時期に登ってみたいところだ。
ヤブのピークを過ぎると下りとなる。一気に急降下して鞍部まで下ると、南へ道が分岐している。ここから下れば駐車地点の登山口に下ることができる。ここに石仏があることが下山して分かったが、気付かなかった。分岐点の目印として木にピンク色のテープが結んである。
さらに稜線を進む。左側が人工林となり、やせ尾根からヤブを抜けて登りとなる。二つ目のピークへの登りは倒木が折り重なり荒れた道だ。この辺りにもイワカガミが多い。まだ花の散った後のガクの残った茎が見られた。天然林のピークから少し下って小ピークを越え、再び大きな下りとなる。前方には木々の間からピラミッドの山が見える。平木山である。
モチツツジの斜面を下りきって、平木山への登りとなる。赤テープを追って一直線の尾根を登っていく。左に人工林が迫り、その境を登り詰めると通過点のようなところに三角点が現れ、平木山の小さなプレートがあった。展望のない平木山山頂である。時間も限られているので、早速、コーヒータイムにする。この山頂に人が立ったのはいつだろうかと思いながら、誰も登ってこない静かな山頂で熱いコーヒーを楽しんだ。
帰路のコースを思案。ネット情報によると更に東に下ることもできる。このため、東側に向かってみる。大岩の横を通ってヒノキの大木から少し下ると左側に展望地の切り開きがあった。目の前に見える山は納古山のようだ。展望地付近で東の下山ルートを探すと、道らしき跡が尾根を下っている。落葉樹の疎林であり、どこでも下れる。少し下りてみるが道は不明瞭。かなり下まで見通せるがテープは見当たらない。
もう一度山頂付近まで戻ってテープを探すと、人工林の境にピンクテープが続いている。しかし倒木が多く急斜面でどう見ても道ではない。時間があればルートファインディングをして下るところだが、今日は午前中のシンデレラ登山であり、タイムリミット。歩いてきた稜線を引き返すことに。なお、山頂東にも石仏があるらしいが、ここでも気付かなかった。
平木山を下ってピークを越える。ピークを下りきった辺りから西側の展望が得られ、次のピークの向こうに御殿山の山頂が望めた。また、この稜線の先にある権現山も見える。この先の分岐点で左への道に入り、ジグザグと下る。数分下ると左側が開け展望の道となる。ここに「猿の岩」の標示板がある。この付近の岩場に猿の群れが集まってお姫様を護ったといわれている場所で、南西の展望地となっている。遠くに金華山や百々ヶ峰が見えた。「猿の岩」から3分ほど下ると登ってきた道に合流。さらに3分ほど下って鳥居のある登山口に出た。
御殿山までの道は明瞭で案内板もしっかりしているが、平木山へは潅木が道を覆う場所が何箇所かあり、長袖と軍手が必要。踏み跡はしっかりしており稜線を外さなければ迷うことはない。見落とした石仏や東ルートの解明など課題を残したことから、もう一度挑戦したい山である。ヒカゲツツジやイワカガミの花の時期にも登りたい。新緑の中、静かな2時間半の山旅を終え、美女伝説の山を後に、卯の花が咲き始めた林道を下った。
★御殿山からの展望
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