御前山
御前山 (1646m 萩原町) 2002.12.1 曇り一時雪 3名

林道終点4合目駐車場(8:36)→5合目(8:56)→6合目(9:15)→7合目(9:26)→屏風岩(9:52)→8合目(10:10)→9合目(10:29)→御前山山頂(11:01-12:42)→7合目(13:39)→駐車場(14:13)

 御前山は御嶽山の展望地として、また古くから信仰の山として登り継がれてきた名山である。以前から登りたいと思っていた山であり、掲示板「クーの山小屋」管理人のクーさんと日程が合ったことから、久しぶりの3人オフ登山となった。

 クーさん宅で合流し、関金山線経由で一路萩原町へ。萩原町の市街地に入る手前の国道41号線飛騨川沿いにあるトイレに寄って、JR萩原駅の北側の踏切を渡る。なお、パンフレットによればトイレは萩原駅にもあるようだ。

 踏切を渡った所には御前山の大きな看板があり、登山口を指す案内標識もある。ここから先は、要所要所に案内板がありそれに従う。集落を登り詰めた三叉路に、右を指す木製の古い案内板と左を指す新しい案内板があり、新しい案内板には小さな字で自動車専用と書いてあるのでこれに従って左へ。どちらへ行っても登山口に着くことができるが、右は途中から狭く未舗装の旧道なので、左に進んだほうがいい。新道は北の山裾の約4kmを大回りして旧道と交わる。

 旧道と交わる地点が登山口への林道入り口であり、表示があるので行き過ぎることはない。車高の低い車はここに駐車したほうがよいかもしれない。案内板には林道終点に駐車場有りと書いてあるので、細い未舗装林道をゆっくり登っていく。途中、深めの轍もあり、大丈夫かと思うが、ゆっくり進めば問題はない。

 林道終点は道幅が広くなっており、10台ほどの駐車が可能。先着の1台が止まっている。谷には雪があることから、山頂に雪が積もっていることは間違いない。桜谷の水音を聞きながら身支度をして出発。橋を渡って人工林の中へ。

 左に谷川を見ながら、緩やかな道を歩く。すぐに4合目の石柱がある。湿った落ち葉を踏みながら歩く。谷川を何度か渡り返す。周辺の間伐材で作られた新しい木橋がいくつかかかっている。道に雪はないが、橋の上や周辺にはしだいに雪が増えてくる。雪はゆるんでおり、気温が高いことが分かる。朽ちかけた小さな鳥居があるところで、休息中の先発パーティー5名を追い抜く。

 この先、昨日の登山者の足跡を踏みながら、樹林帯の中を進む。谷川沿いに登るので、道はなだらかと思っていたが、巨大な桜谷はかなりの急斜面にあり、思ったより急登である。また、道が谷の左岸のかなり上部まで上がるところもあり、この登りに息が切れる。谷をかなり下に見下ろしながら歩くのは気持ちがいい。振り向けば、今登ってきた深い谷と、雪をかぶった山がV字カットで望める。クーさんが先週登った川上岳か? 

 7合目を過ぎた辺りから、雪が道を覆った状態が続く。足下に気を付けて、下ばかり見て歩いていると、「屏風岩」とクーさん。見上げれば、谷の向こうに巨大な岩がそびえる。松や檜などが岩に張り付いて、それは雄大な光景である。あまり近すぎて、カメラのファインダーいっぱい。少し登れば、屏風岩の展望地がある。あわてて写真を撮らなくてもよかった。

 この辺りからササが現れ、深い谷を見下ろしながら左岸の雪道を歩く。ここでデジタルカメラを落としたことに気がつき、カメラを拾いに少し戻るといったハプニングも。谷の北側には、ササ尾根と奇岩が見える。8合目を過ぎ、谷川の水は枯れ、いよいよ谷も終りに近づく。岩の多い急登もあり、滑らないように慎重に登る。

 9合目辺りには大きな檜が林立し、気温の上昇に伴い、木の上から落下してくる雪の直撃を何度も受けた。谷上部から道は左に向かい、山頂へ続く尾根に出る。ここからの展望はよく、北にある1650mピークが大きく望める。雲海の向こうには、舟を伏せたような山が望める。形から推定すると舟山であろうか。尾根道は奇岩に突き当たり、折り返すように回り込み、雪の斜面を登れば、大岩とその上の赤い小さな社が目に入る。山頂である。

 我々が、今日、一番乗り。目的の御嶽山が大岩の右から望める。あいにく頭を雲に隠しているが、8割ほど見える。さすが、この山の名前に恥じない大きさで御嶽山が一望できる。見えるうちに写真を撮る。あまり広くない山頂中央には三角点と山名の角柱がある。山頂は雪に埋もれているが岩が多いようだ。

 次々とパーティーが山頂に着き、にぎやかになる。山頂の一角に昼食の場所を確保。雪を踏み固めて、まずはあられとクーさんのチーズを肴にビールで乾杯。コンロ3台で昼食の準備。メニューはカレーうどん、卵入り味噌煮込みうどん、クリームシチュー、茶碗蒸し、あんまん、食後はコーヒーにクッキー。フカヒレスープも用意したが、食べ過ぎで次回のお楽しみとした。いろいろな話をしながら食事をしていると、あられが降り始めた。天気予報は大はずれ。そんなことを言っているうちに、あられに混じって牡丹雪が落ちてきた。ジャケットに雪が積もる。こんな中で食事をするのも、また楽しい。

 風もなく、寒くないので、1時間以上も昼食を楽しんだ。昼食後、記念撮影。雪で景色は見えなくなっている。先に御嶽山の写真を撮っておいてよかった。雪が降っているので、ジャケットを着て、同じ道を下る。軽アイゼンを持ってきたが、雪がない所もあるので、着けずに下った。

 気温が低くないためか、すぐに暑くなり、雪もやんだのでジャケットを脱いでシャツ1枚で下る。下りは雪で滑りやすいので、登り以上に慎重に下った。丸木の梯子や橋は、一段と滑りやすい。足が岩に挟まって抜けなくなったり、転倒したりもしたが(1人だけ)、比較的順調に下り、1時間半で駐車場に着いた。駐車場でクーさんにいただいたミカンがおいしかった。

 山頂直下まで谷筋を歩くのがこの山の最大の特徴である。途中、展望はないが、せせらぎを聞きながら、美しい谷を歩くのは気持ちがいい。また展望がなかっただけに、山頂からの御嶽山はすばらしい。雪のある時期もいいが、新緑や紅葉の時期も魅力的ではないだろうか。

 帰路、車で旧道を下ってみた。途中、2合目と1合目の石柱があった。旧道は狭い未舗装林道であり、新道を下った方が早い。帰路の案内はないため、行きに来た道を忘れ、道なりに進んで、萩原町中心街より南で国道41号線と合流した。

 クーさんの案内で、下呂トンネル南の信号の南東にあるヘルシーパル下呂の温泉で汗を流した(600円)。公共の施設であり、訪れる人も少なく、展望風呂を貸し切り状態で入浴できた。最上階から東側に望む下呂御前山の三角形が印象的であった。

 クーさんとは、また一緒に山歩きに出かけることを約束して別れた
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