鳩吹山「クーの山小屋忘年登山」 (313m 可児市) 2002.12.21 晴れ 12人
カタクリ群生地見学用駐車場(9:11)→氷場(9:22)→展望岩(9:37-43)→山頂・滝場分岐点(9:49)→谷を渡る(休憩)(10:13)→滝場上部の一休さん分岐点・橋北側(11:10)→一休さん(11-27-13:42)→第5展望台分岐(13:53)→西山山頂(14:00)→大平山分岐(14:13)→一休さん分岐(犬山市街地への標識)(14:26)→鳩吹山山頂(15:00-15:10)→小天神展望台(15:18)→(北側へ下山)→登山口(15:32)→駐車場(15:35)
参加者:kuさん、カッペさん、Kさん、駒さん、sizukaさん、katakuriさん、ジオンさん、ブラックポットさん、ヤブさん、ayameさん、RAKU T&N
この1年、掲示板「クーの山小屋」で大いに楽しませていただいた。「山小屋」とは、実にいい名前を付けたものだ。山小屋で出会う登山者と気楽に話しができるイメージがピッタリ。初めての扉を開いた来客も、常連の皆さんが心から歓迎して声をかけてくれる。毎晩、キーボードの向こうでみんなと繋がっている。山に登った感動の余韻がこの小屋で増幅される。不思議な世界がここにはある。
その管理人さんことクーさんが小屋の忘年会を企画。忘年会の山は、小屋の住人の皆さんによる話し合いの結果、山小屋があって寒くてもしっかり宴会ができる山として、鍋倉山が選ばれた。行く前から話しは大いに盛り上がった。下見も完了。冬型の天気になり運が良ければ雪の上を歩けるかもしれないと、期待はふくらむ。
ところが、いきなりとんでもない寒波がやって来た。19日の午後から美濃地方は大雪に見舞われた。揖斐方面は大雪。登山口までのアプローチは不可能な状況。前日、やむを得ず、悪天候時に予定した鳩吹山に変更となった。宴会重視の山歩きだ。1時間歩けば山頂で宴会ができる。と、誰もが思った。しかし、予想に反して、そこには鳩吹山とは思えぬ充実の山歩きが待っていた。
集合時間は9時。山小屋オフ会には今回初参加のブラックポットさんと3人で集合場所のカタクリ群生地見学用駐車場を目指す。坂祝町の木曽川右岸のトイレに寄る。一昨日から昨日にかけて降った雪で、木曽川を隔てて横たわる鳩吹山は白い。中濃大橋を南に渡り、左に花木センターのある交差点を通過し、次の「大脇」の信号機を折り返すように右折し、2〜300m進んで左手に広いスペースが見えたら左折。突き当たれば、大きな駐車場に着く。カタクリの花が咲く時期には北側が有料駐車場となるが、この時期には閉鎖されている。突き当たりの広場は開放されており、雪に覆われている。
先に到着していたいつものメンバーと挨拶。9時前には全員到着。身支度後、初対面の人もいることからkuさんの進行でそれぞれ自己紹介。我々は、カッペさんの弟子と言われるKさんと初対面。かつてワンゲル部に所属していたという山のベテラン。美濃の低山はあまり登ってみえず、鳩吹山は初めて。カッペさんも鳩吹山は初めてというのには意外だった。
駐車場から遊歩道を下り橋を西に渡って土田公園に向かう。すぐに、小天神に向かう道が左に分岐している。帰りはここに出ることになる。カタクリ群生地は雪に覆われている。岐阜市に比較すれば雪は数センチと少ないが、山の北側であり木々には霧氷のように雪が付着して冷え切った青い静粛の世界が美しい。紅葉したモミジはまだ葉を落としておらず、その上に雪が積もって垂れ下がり、まるでレースをかぶせたようだ。
しばらくして氷場に着く。山側に石垣があり、かつてここに水を溜めて氷を作っていた場所である。この石垣の西側から山道に入る。かなり急斜面に付けられた道を登っていく。雪で潅木が道に倒れ、先頭は木々を引き起こすのに苦戦。後方には木曽川が見え始める。道は西のピークを目指して登り、登り切ったところで三叉路。右に進むとすぐに岩壁の頭に出る。白銀の中を流れるグリーンの木曽川がすばらしい。誕生山や天王山の向こうに高賀三山が白く大きい。御嶽山が雄大な姿を見せてくれた。岩に積もった雪が結晶を作って角を出しているのが面白い。
5分ほど展望を楽しんだ後、三叉路まで戻り、数分歩くと次の尾根に出る。ここにも三叉路があり、左は「山頂」、直進は「滝場」と記されている。今回は滝場ルートを進む。道はぐんぐん下っていく。どこに行ってしまうのだろうという気になる。かなり下って谷を渡る。北斜面であり、高い樹木の雪は溶けず、冷え切った美しい世界を作っている。
谷川を渡って登り返して休憩。谷川はすぐ先で木曽川に合流している。1時間歩いても標高は変わっていないとkuさん。まさにその通り。木曽川に向かって伸びる尾根を越えてきただけである。ここから、谷川に沿って道は続く。雪のため、道を見失う場面もあったが、先頭の駒さんやkuさんが雪まみれでルートファインディング。赤いテープを追う。
谷に落ちる急な斜面に付けられた細道は雪で滑りやすいので慎重に通過。岩を越える場面ではちょっと苦労。鳩吹山でこんなルートがあるとは思いもしなかった。谷川の水量から見てもこの山の大きさが分かる。低山でありながら、この山域は広い。
二ノ滝を見たら右へ登って西山北周りルートに合流。ここは今年の1月に通った場所であり、合流点すぐ左には、今遡ってきた谷にかかる橋がある。頭上から雪が落ちてこない場所を選んで休憩。kuさんの持ってきたブルーベリーやイチゴが美味しかった。休息後、後方にアンテナの立つ鳩吹山の山頂を眺めながら、10分ほど歩いて「一休さん」と呼ばれる北側の展望がいい場所に到着。予定では西山辺りで昼食の予定であったが、「腹減った」の声にここで昼食にする。
南側に通路を残して手早く敷物を敷くと、いつもの宴会がスタート。まずは乾杯。予想通りいかわさんの焼き肉が回ってきた。次はすき焼きが来るだろうと思ったらその通り。料理長のkatakuriさんの指揮のもと、キムチ鍋が出来上がっていく。特性のタレ持参で、いろいろな食材が入り、プロ並みの鍋がうまい。急遽、参加できなくなったYUKIさんが事前に作ったぜんざいをkuさんに持ってきていただいた。山で食べるぜんざいは美味しい。さらに餅を入れて完売。
駒さんのザックからは川上岳同様、ビールや酎ハイがいっぱい出てきた。sizukaさんからもアルコールの差し入れ。ブラックポットさんはおいしいワイン。ayameさんの日本酒の熱燗も回ってきた。ayameさんの煮込みラーメンとドテやジオンさんの焼き豚と手作りケーキなどが美味しい。川上岳で拾ったオオウラジロノキの果実酒は香りはいいがちょっと薬のようで今1つと思ったが、皆さんには美味しいと言っていただいた。川上岳が思い出される。次々に出てくる食材に宴会は忘年登山にふさわしく最高の盛り上がりとなった。山の宴会は楽しい。
いろいろな話題で2時間があっという間に過ぎた。帰路は今来た道を引き返して鳩吹山へという声もあったが、西山経由で戻ることにした。西山へ登り、大平山への分岐があるもう1つピークを越える。東屋を過ぎ。鳩吹山まではさらに大きなピークを越えていく。縦走路は雪が融け始めてきた。大雪を予想して山スキー靴を履いてきたブラックポットさんはかなりきつそう。駒さんはちょっと飲み過ぎか。
鳩吹山への最後の登り。ここから歩いてきた山々が遠くに望めた。先頭との距離が大きくなったが、なんとか鳩吹山山頂にゴール。ぐるりとUターンしたことになる。山頂では全員で記念撮影。恵那山や笠置山がきれいに見えた。
小屋の前から東に下り小天神へ。小天神から左へ入り、ジグザグに土田公園を目指す。この登りもきつそうだ。気持ちのいい天然林では、雪の上に散った枯葉が美しい絵を描いている。小天神から15分ほどで朝通過した登山口に出た。一周してきたことになる。それにしても、今回の鳩吹山は変化に富んだ面白い山歩きができた。この山も奥が深い。鍋倉山変更でちょっと物足りないかと思っていたが、思いもしない拾い物であった。
駐車場でまた来年もみんなで山に登ろうと約束して別れた。思えば、1年前はkuさんやブラックポットさんと一緒に山に行っていた程度で、こうしたメンバーと出合い、山に一緒に行くようになったのは今年からである。この1年、多くの人との出会いがあったことが最大の収穫。それは、まさに「クーの山小屋」があったからこそ。管理人kuさんに、そして山小屋を覗く皆さんに感謝。これからも、みんなですばらしい山歩きが出来る予感。新年が待ち遠しい。
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