トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

日撫山 (250m 滋賀県) 2013.6.23 晴れ 2人

近江町庁舎(9:26)→日撫神社登山口(9:51)→展望台(10:11)→天神岩(12:26)→日撫山山頂(10:36)→鉄塔@(10:56)→日光寺集落分岐(11:08)→鉄塔A(11:14)→日光寺集落分岐(11:21)→東尾根分岐手前間伐地・昼食(11:20-12:45)→北野神社(13:03)→近江町庁舎(13:32)

★6月23日にMIZUさんと3人で、滋賀県の日撫山を歩いてきました。
★近江庁舎をスタートし、日撫神社に参拝。神社裏の登山口から遊歩道を歩きました。
★婆さん岩を見て展望台へ。霞む琵琶湖や近江の田園を眺望し、稜線漫歩。
★天神岩で南北の展望を楽しんで、日撫山山頂へ。
★北陸自動車道の長浜トンネル上部を歩いて、鉄塔を通過。
★日光寺山で道を間違えて北に下り鉄塔で引き返し、日光寺集落に下るルートへ。
★明るい稜線で昼食とコーヒーを楽しみました。
★昼食後、日光寺集落に下り、田園を歩いて駐車地点まで戻りました。
★帰路、山室湿原で湿原の植物や昆虫をウオッチング。なかなか見られない花に出会いました。
★低山でしたが、気持ちのいい風に吹かれながら、緑の里山を楽しんできました。


 久しぶりにMIZUさんをお誘いして低山歩きの計画を立てた。近年、夏には滋賀県の低山を登るのが恒例。今回は「日撫山」を選んだ。日撫山は北陸自動車道の長浜トンネル上部の山で、標高はわずか250m。日撫山から北に続く尾根を歩けば昨年歩いた横山に至る。今回は、この峰の最南端を歩く。日撫山にはいくつかの道があり、今回は日撫神社から登り北野神社へ下る周回コースを歩くこととした。

 登山口となる日撫神社へ向かうため、近くにある近江庁舎の駐車場に車を停めた。靴を履き替えて、庁舎裏に出て集落道を歩く。ここは顔戸という集落で農業用水である「顔戸水路」が流れており、水田魚道など環境にやさしい水路が整備されている。水路を利用した町づくりに感心しながら、集落を東に歩いていくと日撫神社の入口に到着。鳥居を潜って灯篭の並ぶ広い参道を歩く。トイレに寄って本殿への階段を登り、お賽銭を投げて参拝。さて、登山口は・・・? 
 
 弁慶石を見ながら本殿から左へ歩くと登山口があった。低山にしては珍しく登山届け箱が設置してあり、登山届けを提出。丸木階段を真っ直ぐに登る。頭上にサカキの白い花が咲いており、久しぶりに見る花だ。折り返しながら登っていくと、登山口から数分で分岐点に着いた。直進すると天神岩を経て日撫山山頂への近道である。左は婆さん岩と書いてある。
 
 左に向かう。右山で水平に歩くとすぐに婆さん岩の標示とともに、大きな岩が山側に現れた。正面から見上げると、婆さんには見えないが、通り過ぎて振り返ると背中を丸めた大きな婆さんに見えるのがおもしろい。アミタビ遺跡の標示を通過し、時計回りで歩くと、丸木でできた展望台の立つ尾根に出た。展望台に登ってみると、霞んではいるが目の前に琵琶湖が広がっている。田園を斜めに横切って新幹線が走り抜けた。

 展望を楽しんだら、広場に下りて、稜線の広い道を東に向かう。ニガイチゴが赤い実を付けている。植物観察をしながら歩くと、防火用水のドラム缶がある明るい尾根で、右から上がってくる道と出合った。先ほどの分岐点からの道がここへ来ているようだ。天神岩の標示に従って歩くとすぐに再び展望のいい場所に出た。南側には夫婦岩と思われる岩があり、上ってみると、前方に霊仙山が見える。眼下には学校や高速道路が見える。稜線の反対側のアカマツの幹の向こうには天神岩があった。ここからの琵琶湖の眺めも最高である。
 
 天神岩を後に緑のトンネルを5分ほど歩くと、草付きの古墳のような丸い丘が現れた。日撫山である。丘の上にはテーブルとベンチが置いてあり、展望は周囲の緑に遮られてわずかである。記念写真を撮ってさらに先に進む。タカノツメの実を見ながらぐんぐん下って、再び日撫神社への分岐を通過。丸木階段を登り返して北峰を通過。ピークを下っていくと、左側は急な疎林の斜面となっている。この下辺りが長浜トンネルのようだ。地図を見るとその先に三角点があるとのことだが、見つけることができなかった。

 コウヤボウキを足元にたくさん見ながら歩くと人工林が左に現れ、鉄塔の下に出た。鉄塔の先で右に分岐が現れ、「ふたば幼稚園方面」と書いてある。左に向きを変えて下り、幼木のヒノキ林の脇を通ってさらに進むと、右に道が派生しており、北野神社方面とある。コンクリート柱が転がっており、板切れで右へ「→」が作ってある。正しい道はここを右折するのだが、何も考えずに直進した。
 
 緩やかに下っていく。右に山が見え、前方には何も無いのでおかしいと思っていると鉄塔が現れた。地図とGPSを見て、道を間違えたことが分かった。このままだと北側に下ってしまう。鉄塔でUターンして、北野神社方面の標示があった分岐点まで戻って、「→」に従って東に下る。尾根道を歩くと、花の終わったイチヤクソウの群落を見つけた。
 
 11時半になったことから、昼食をとる場所を探しながら歩くと、間伐された明るい林があったので、ここの道の脇の枯れたアカマツの下で昼食にする。アカマツにはヒトクチタケがいくつか見られた。今回も、メニューは地獄うどん。MIZUさんが持参したサクランボが美味しかった。いろいろな話をしながら、ゆっくりと昼食を楽しんでいると、我々と同じ方向から数名のパーティが歩いてきた。今日、初めて出会った登山者。誰かに出会うとは思わなかった。
 
 昼食の後、日光寺集落へ向かう。東溜池と書かれた東尾根への分岐点を通過して、下りとなる。やや小枝が邪魔になるような道だが、踏み後はしっかりしている。ここで見つけたイチヤクソウはまだ花を咲かせていた。一部左山になるところもあるが、尾根をほぼ一直線に下る。人工林の境を通過し、竹薮に入る。地面にはササの枯れ葉が積もり、一面真っ白。
 
 竹藪を抜けて、道を覆った潅木を分けると北野神社に出た。滋賀県でよく見かける牛の像がある本殿に参拝。階段を下って集落道を歩き日光寺集落を抜け、北陸自動車道の高架下を通って近江庁舎の駐車場に戻った。低山の半日コースを植物観察しながらのんびり山歩きを楽しんだ。今度は、さらに北へ稜線を歩いてみたい。
 
 早く下山したので、近くにある山室湿原に寄った。日撫山から北へ続く山塊の東側を北へ走り、新幹線の高架手前から西に向かって、高架南の路肩に駐車。山室湿原の駐車場は無いようで、この路肩に駐車するよう案内があった。カメラを持って高架を潜り、水田の中を歩く。数分歩いて山に突き当たって右に向きを変えると、獣害防止の柵があり、これを開けて林道を歩くとすぐに山室湿原の立派な看板と、湿原略図、そしてここで見られる植物などが記載されている。
 
 ここでも柵を開けて木道に入る。いきなりカキランの群落に出会う。写真を撮りながら木道を歩くと、写真撮影に訪れたと思われる2・3人の男性に出会った。コバノトンボソウやヒツジグサの花を見ながら湿原の奥まで歩くと、トキソウの花が咲いていた。久しぶりに見る可憐な花に感動。赤いハッチョウトンボを追いながら湿原観察を楽しんだ。いつまでもこうした生物が見られることを願って山室湿原を後にした。
 
 後日、MIZUさんからいつものように絵手紙いただいた。一輪のトキソウが涼しげに描かれていた。
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