奥穂高岳【3190m】・涸沢岳【3110m】(上宝村)
2001.7.20〜22  晴れ  10名

<19日>
岐阜市(19:00)→平湯温泉駐車場(22:00)車内泊
 <20日>
平湯温泉アカンダナ駐車場(5:00)→平湯温泉バス停→上高地バスターミナル(朝食6:00-6:30)→明神(7:25-7:40)→徳沢(8:47-9:00)→横尾→(10:05-10:35)→本谷橋(昼食11:48-12:56)→涸沢小屋(15:20)泊
<21日>
涸沢小屋(朝食7:23)→穂高岳山荘(10:03) 奥穂高岳・涸沢岳登頂 泊
<22日>
穂高岳山荘(5:20)→涸沢小屋(朝食7:28-8:30)→本谷橋(9:44-10:15)→横尾(11:05-11:15)→徳沢(昼食12:01-13:08)→明神(13:54-14:00)→上高地バスターミナル(14:42)→平湯温泉バス亭→平湯駐車場→岐阜市

 岐阜市内を19日の19時に岐阜市内グループ3名で出発。各務原ICから郡上八幡IC、せせらぎ街道経由で、平湯温泉まで、3時間弱。登山者用のアカンダナ駐車場が夜間は締め切りになっていることから、平湯バス停の駐車場で車内泊。

 早朝3時半起きの予定が4時起床。あわてて車で5分ほどの安房峠登り口にあるアカンダナ駐車場に向かい、開門を待つ車の列に並ぶ。3日分1500円の駐車料金を支払って、駐車場内へ。でかい駐車場だけあって、連休でも駐車スペースは十分ある。名古屋のI親子2名、養老のMファミリー5名と合流。靴を履き替えザックを背負って、平湯バス停までピストン運行のシャトルバスに飛び乗る。平湯温泉から上高地までは20〜30分おきにバスが出ている。かってバスは安房峠を越え1時間を要していたが、今では安房トンネルが完成し、30分で上高地に着く。

 快晴の上高地は恐ろしいほどの登山者で埋まっている。にぎりめしの朝食をすますと、歩行開始。かっぱ橋で記念撮影の後、明神、徳沢、横尾と軽快なハイキングコースを行く。右手には、ところどころの樹間から見る巨大な明神岳や西穂の峰がすばらしい。ほぼコースタイムで横尾へ。

 水を補給し、いよいよ登山道へ。左に巨大な屏風の頭の岩壁を見上げながら、なだらかな樹林帯を進む。1時間ほどで本谷橋を渡る。吊り橋で、1人づつしか渡れないため渋滞が起きている。沢には昼食時間でもあり大勢の登山者が休息している。ここで昼食。

 本格的な登りはここから。本谷川を右手に、岩の多い道を登り高度を稼ぐ。それほど急登ではないが、すでに4時間以上歩き続けていることから、きつい登りである。時々、前方に見える穂高の峰や路肩のキヌガサソウ、ゴゼンタチバナなどの高山植物に励まされて進む。1時間以上歩いて、前方に雪渓発見。辺りが一気に開ける。後ろには、今登ってきた谷とその向こうに常念方面の山が顔を出す。前方には、穂高の4山が白い雪渓と緑のナナカマドの向こうにそびえる。その上には紺色の快晴の空が広がっている。

 この光景と雪渓の冷気で元気を取り戻し、雪の足跡をたどる。岩の階段を登って、突然、涸沢ヒュッテの前に出る。目指す涸沢小屋はカールの向こうの高台に建っている。その後ろには巨大な北穂高岳が鎮座している。なんとスケールの大きい光景であろう。あの小屋まで行けばビールが飲める。カールの写真を撮りながらピッチをあげ、小屋到着。小屋のテラスから眺める巨大なカールと雪渓、カラフルなテント群。その上に前穂の峰が鋭くそびえる。ここでしか見られない、大自然の造形に感動。テラスで飲むビールが最高にうまい。

 予想通り、小屋は大混雑。定員200人のところへ500人が泊まるという。6畳の部屋に24人が従業員の指示で交互に寝る。「従業員で実際に寝てみて、寝られることを確認しています」とのこと。確かに、寝ることはできるが、暑いやら動けないやら・・・廊下も全て同じ状態でトイレへは売店から一度外に出ないと行けない始末。そのおかげで、涸沢の満点の星空を眺めることが出来た。

 2日目も晴天。涸沢が朝陽に輝いて美しい。小屋のテラスで朝食を済ませて、穂高山荘までコースタイム2時間。7時過ぎに涸沢小屋を出発。ナナカマドの灌木を抜け、雪渓を直登する。眼前に涸沢岳の鋭い岩が迫る。雪渓歩きの後、カールのゆるやかな斜面を左に進み、ザイティングラードの岩尾根に取り付く。直登の岩尾根は思ったより時間がかかる。途中、鎖場やはしごも現れるが、難しいことはない。息がきれて立ち止まる回数が増える。穂高山荘のある鞍部はすぐ目の前。振り返れば、今登ってきたルートや涸沢ヒュッテが小さく見える。

 コースタイムを40分ほどオーバーして山荘へ。山荘前の広場は恐ろしいほど大勢の人で埋まっている。よく見ると、皆、奥穂へ登る人の行列である。取り付きはしごが交互通行のため渋滞が起きている。とにかく、ここでも、まずビール。渋滞の緩和を待ちながら、大きな岩のテーブルでちょっと早い昼食にする。

 昼食の後、奥穂を目指すが、まだ、下りの人が50人ほどあり、とても登れそうにない。そのため、先に涸沢岳へ。15分ほどで着いた狭い岩の山頂はあいかわらず人であふれている。ガスがわいて、涸沢が時々見える程度。残念ながら周りの山の展望はない。記念撮影の後、山荘まで戻って奥穂を目指す。

 下山者が少なくなり、ようやくはしご・鎖場をクリアー。真っ白なガスの中を山頂へ。山頂の神社の岩によじ登って、記念撮影。周りはガス。人も少なく、寒いこともあって、早速引き返す。

 さて、3日目は、奥穂山荘より一気に上高地まで下るため、早朝5時過ぎに山荘を出る。快晴のザイティングラードを慎重に下る。景色の良さはまさに天下一品。こんなすばらしいパノラマはここしかない。涸沢小屋で朝食。見収めにテント場から前穂・奥穂・涸沢岳・北穂をカメラに収めて、涸沢を後に、本谷橋までの長い下りを歩く。昼食は横尾をとばして徳沢でとる。横尾からのピッチの早いこと。徳沢のビールを目指して競歩のように歩く。なんと1時間のコースを45分ほどで歩く。ここで、最後のビール。明神や西穂を見上げながら、来年は槍と決めて上高地を後にし、平湯の神之湯露天風呂で汗を流して、帰途についた。
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