トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号)
藤倉山 (福井県 644m) 2014.5.3 曇り・一時雨 2人
今庄住民センター(8:44)→八十八ヶ所参拝道入口(9:04)→アンテナ(9:42)→観道山弘法寺(9:50)→鍋倉西谷分岐点(10:26)→藤倉権現分岐点(10:51)→藤倉山山頂(11:30-11:37)→2つの鉄塔(12:03-12:21)→愛宕山(12:40)→観音堂(12:58)→新羅神社(13:05)→今庄住民センター(13:11)
★5月3日に福井県の藤倉山に登ってきました。
★八十八ヶ所入り口からヤマツツジやツクバネウツギが咲く道を、石仏を数えながら弘法寺へ。
★ここからハイキングコースに入り、鉄塔から大きく下って登り返し、鍋倉山を通過。
★再び下って、鳥山跡から美しいブナ林を登り、稜線に出て折り返すように向きを変えて、反射板のある藤倉山山頂を踏みました。
★小雨が降り始めたことから、昼食は行動食で済ませ、一気に愛宕山方向に下りました。
★想定外の天気で、展望は今一でしたが、多くの花を見ながら、新緑の美しい山歩きを楽しんできました。
連休後半、渋滞が無くアプローチできる日帰りの山を探して、福井県の藤倉山を選んだ。藤倉山は今庄の西にある山で、その下を北陸自動車道の今庄トンネルが貫通している。標高は644mで低山ではあるが、周回コースを歩けば、アップダウンがあり、かなりの距離になる。また、神社や寺院など見所も多い。
今庄ICを降りて、国道365号線を南下し、今庄の町に入る。国道とJR今庄駅の間にある今庄住民センターの広い駐車場に入り、図書館の開館準備をしてみえた係員の方に駐車の許可を得て、靴を履き替えた。西にはこれから登る藤倉山が見える。
国道を北に歩いて、途中から左折してJRの線路を潜り、古い町並みを見ながら登山口を目指す。町並みを抜けて、踏切を渡らず直進していくと、山側に大きな案内板があり、「藤倉山・鍋倉山ハイキングコース案内図」と書いてある。登山コースの概念図が描いてあり、これから登るコースを確認。後方をJRの列車が猛スピードで走り抜けて行った。案内図の隣には水掛地蔵などが並んでおり、八十八ヶ所参拝道の入口がある。また、登り口の近くには駐車場がある。
たくさんのお地蔵さんに手を合わせて、参拝道に入る。赤い奉納のぼりが立ち並んでいる道を、折り返しながら登っていく。次々と番号が書かれた石仏が現れる。弘法寺まで88体の仏像があるようだが、最後まで確認できなかった。数分登ると、展望地があり、今庄の町が見下ろせた。
ガクウツギやヤマツツジを見ながら、石仏の道を歩く。足元にはチゴユリが可憐な花を咲かせている。いくつかの休み場のベンチを通過し、第五休み場を通過したところで分岐が現れ、左に下って不動明王に参拝した。引き返して、参拝道を更に登ると、明るい道となりアンテナが見えた。すぐに大きな石仏のある尾根に到着。隣にあるアンテナ施設からは北側の展望が得られるが、曇り空で遠望はきかない。
アンテナを後に、ポールが並ぶ道を歩き、赤い「ごくらく橋」を渡る。階段を登っていくといくつかの建物が建つ場所に出た。ここが観道山弘法寺であり、太師堂で手を合わせる。参拝道はここまで。ここからは藤倉山ハイキングコースとなる。
水平の道を歩いていくと、鉄塔が右側に現れ、日野山が見える。ワイヤーの柵を右に歩き、北電巡視路の分岐点を通過。ここから大下りが始まる。前方には鉄塔の立つ鍋倉山が見える。眼下にも鉄塔を見ながら下って、鉄塔下を通過。鞍部まで下って登り返す。登山道を横切るマムシに出会った。
鞍部から10分ほど登ると再び鉄塔下に出た。ここで休憩。展望地であるが、いつの間にか黒い雲が北から流れてきており、風も強くなった。いつ雨が降り出してもおかしくない空模様。日野山もほとんど見えなくなっている。これから向かう鍋倉山方向にも次の鉄塔が見える。
鉄塔を後に、鍋倉山を目指す。参拝道付近では既に花の終わっていたユキグニミツバツツジが、この辺りは満開で美しい。急斜面を登っていくと小雨が降り始めた。天気予報は外れたようだ。雨はすぐに止んだが、黒い雲が北から流れ込んでいる。斜面を登り切ると、鍋倉西谷への分岐点に出た。藤倉山まではまだ1.9kmある。
なだらかな道を歩いていくと少し先で杉林の境にある下り坂の道となった。鍋倉山を通過してしまったようだ。もう一度に西谷への分岐点まで戻って山頂を探したが、標示も無くよく分からない。GPSを見ると恐らく下りになる直前の最も標高の高い辺りが山頂のようだ。山頂付近にはウラジロヨウラクがたくさんの花を咲かせていた。
杉林の境の急坂を、チゴユリの花を見ながら鞍部まで下ると、鳥山跡の標示と藤倉権現への分岐点があった。「これより下ると御神燈に至る」「藤倉権現跡と藤倉山の登山道は通行注意」と書いてある。藤倉山までは1.2km。ヒメスミレを見ながら新緑の道を登っていくと、ブナの回廊となる。この辺りはブナが見事な林を作っている。この時期、ブナの銀色の幹を包む緑がすばらしく美しい。
ブナに囲まれて、一直線の坂を登り切って、左山のトラバースの道を歩く。トラバースが終わると、稜線に出て、広い道を左に大きく曲がった。ここから山頂までは稜線歩きとなる。この稜線のブナも素晴らしい。数本の幹に分裂したようなブナも見られる。道には白い岩や倒木などがあり、丸木階段を下るところもある。
稜線に出て10分ほど歩いたところで、反射板のある開けたところに出た。広場の脇に三角点があり、藤倉山と書かれた板が地面に置いてある。反射板の前は展望地であるが、雨雲の下で、展望はほとんど無い。かろうじて眼下の田園が望める程度。再び小雨が降り始めた。ここでランチをとる予定だったが、この空模様では・・・。雨を気にしながら山でお昼にするか、このまま下って今庄蕎麦を食べるか。空を見上げながら、2対0で後者を選んだ。我々と同じ方向から登ってきた夫妻と入れ変わるように、山頂を後にした。
ブナの林の稜線を歩き、丸木階段をどんどん下る。再び水平な道となり、ササ付きのブナ林を歩く。鉄塔巡視路が左、右に分岐している。ブナ林を抜けると鉄塔を通過。更に下っていくと、前方が開け、再び鉄塔が現れた。ここには鉄塔が2つ並んでいる。素晴らしい展望地で、今庄の駅や車を停めた住民センターも見える。
雨が止んだので、ここで行動食をとることにした。鉄塔の足のコンクリートに座って、パンやフルーツを食べて小休止。山頂で出会った夫妻が下っていかれた。鉄塔の下で遅すぎて見られないと思っていたイカリソウのピンク色の花を見つけた。
20分ほど休んで下山開始。一直線に天然林の尾根を下る。かなりの急斜面もある。やがて左に人工林が現れ、痩せ尾根を歩いて、右方向に向きを変える。すぐに開けた場所に出た。石碑があり「故郷の 歴史懐かし 愛宕山」と書いてある。山頂らしくないが、ここが愛宕山のようだ。山頂で出会った夫妻がこの広場で昼食中。
広場を後に、折り返すように尾根を離れて左山で下る。前方に今庄の町や朝登った参拝道のある尾根を見ながら歩くと、ブナ林に突入。この辺りのブナは巨木が多く、美しい緑の空間を作っている。観音堂と新羅神社の分岐点で、どちらに下るか迷ったが、観音堂に向かうことにした。
両脇にゼブラロープが張られた遊歩道を下っていく。ここはカタクリの群生地であり、ロープが張ってある。カタクリの葉は消えかけているが、代わりにタニギキョウやホウチャクソウを見ながら観音堂へ。無事に下山できたことに手を合わせて階段を下り、せっかくなので新羅神社にも参拝。鳥居を出て、今庄の住宅街を歩いた。今庄駅の南側にある陸橋を歩いて線路を渡り、今歩いてきた山々を眺めながら住民センターまで戻った。
13時を回っていた。車で蕎麦屋さんを探す。今庄の町から北に行ったところにJAがあり、隣接して地元の農業女性グループが経営する「おばちゃんの店」に入った。揚げ焼き付きの今庄蕎麦を注文。これが最高に美味しかった。また、店の前で焼きたての蕎麦団子を調達。これも美味しい。その後、花はす温泉に寄って汗を流し、南越前町を後にした。
藤倉山は、低山でありながら、変化に富んだ山歩きができる。八十八ヶ所巡り、美しいブナ林、展望地などがあり、また花も多い。紅葉の時期にも登ってみたい山である。
★藤倉山の花
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