瓢ヶ岳の写真
瓢ヶ岳 (1162m 美濃市) 2002.3.3 晴れ 2名

ふくべの森駐車場(9:40)→骨ガ平(10:30)→瓢ヶ岳山頂(10:53-12:23)→奥瓢ヶ岳(12:34-12:41)→瓢ヶ岳手前分岐(12:49)→骨ガ平(13:08)→見晴台(13:27)→南岳(13:29)→片知山分岐(13:45)→林道(14:28)→ふくべの森駐車場(14:40)

 先月、雪の高賀山から見た瓢ヶ岳の光景があまりにも美しかったことから、雪のあるうちにどうしても高賀三山の1つである瓢ヶ岳に登りたいと思った。日曜日の朝、真っ白な伊吹山がきれいだ。今日ならきっと展望もいい。

 早速、車にザックと靴を積んで、長良川堤防を北上。美濃市から県道81号美濃洞戸線に入り、板取川を遡り、谷戸のバス停北にある「片知渓谷」の案内に従って右折。後は一本道。前方に巨大な今淵ヶ岳の山塊を見ながら、軽快なドライブを楽しむ。やがて、右手前方にササの多い美しい山が見えてくる。目指す瓢ヶ岳である。

 途中、車道の右手2カ所ほどに登山口の目印であるリボンがある。「ふくべの森公園」の施設が山麓に見えてきた辺りにあるリボンが南岳経由瓢ヶ岳の登山口となる。3年前(1999.7.17)にはここから入山し、「ふくべの森公園」に下山したが、今回は「ふくべの森公園」から登る。

 50〜60台は止められそうな巨大な駐車場のある「ふくべの森公園」には、すでに10台近くの車が止まっている。後続車も多い。この山も、高賀山同様、人気が高い。

 登山口はトイレの少し下の北側にある。表示板があるのでよくわかる。雪もなく、天然林の中、さわやかな渓谷の水音を聞きながら、岩の多い道を登る。谷川を渡り返して、道はやがて人工林の中に入る。この辺りまで来ると、道はアイスバーン状態の雪道になる。

 高賀山ほどの急坂もなく、アイゼンなしで主尾根の骨ガ平に50分ほどで到着。先発の10人程度のパーティーが休憩中。瓢ヶ岳へは骨ガ平から左方向へ雪尾根を歩く。尾根の左手は人工林、右手は天然林。天然林の間からは、白い御嶽山が見え隠れする。一旦大きく下って、再び登る。2つほどのピークを越えて急坂を登りきると、空が近づき、人のざわめきが聞こえる尾根に出る。右に進めばすぐ瓢ヶ岳山頂である。

 真っ白な山頂からはすばらしき展望が広がる。前に登頂したときは夏であり、山頂はササに覆われ、展望がなく、がっかりしたことを覚えている。冬だから展望がいいのかと思ったが、よく見るとかなりの樹木が伐採されている。このため、南以外は大展望である。

 北東に御嶽山・乗鞍・穂高・槍・笠。北に鷲羽、白山。西には高賀山の大ピラミッドとその奥に美濃の名山が肩を並べる。東には、笠置山と恵那山が重なる位置にある。次々と山頂に着く登山者がこの光景に歓声を上げる。

 さあ、食事だ。表示板北の樹木を背に、マットを広げて、冬定番のぞうすいとラーメンをメインディッシュに、ビールのつまみに肉まんをふかす。絶景の中、冷たいビールと熱々の肉まんがうまい。登山者はピーク時には30人程度になった。目の前の高賀山山頂も今日はさぞかしにぎやかであろう。その声が聞こえるような気がする。

 1時間半の昼食の後、下りに備えて軽アイゼンを装着。まずは、西に続く尾根をまっすぐ進み、奥瓢ヶ岳に向かう。この山へは初めて足を踏み入れる。尾根をいくらか下って登り返せば10分で山頂に着く。山頂には大きな岩と山名表示板があるが、通過地点のようで山頂らしくない。さらに進めば美並村の登山口に下りてしまうらしい。南北の展望が開けている。この山への登山者は足跡から見て少なく、ところどころで深い雪に足をとられた。

 奥瓢ヶ岳山頂で写真を撮って、今来た道を骨ガ平まで引き返す。骨ガ平の三叉路を直進し見晴台を経て南岳を目指す。骨ガ平から一度下って鞍部から再び登り返したところに見晴台である。見晴台までのルートは北側の見晴らしがすばらしい。鞍部からは右端に御嶽山、左端に白山の180度大パノラマが広がる。息を呑む絶景である。

 見晴台への登りはササの雪原を急登。南には樹間から今淵ヶ岳のピラミッドが見える。息を切らして登り詰めた見晴台から振り返れば、瓢ヶ岳のやさしい山容がすばらしい。その北には真っ白な白山が浮かんでいる。足跡から見て、ここまで来る人は少ないようだが、ぜひ訪れていただきたいビューポイントである。

 ここから南岳までは2・3分で着く。小学校の記念オブジェや表示板がある。標高は1085m。展望はない。下山は、ここからさらに片知山へ続く尾根を南に下り、途中から尾根をはずれて林道に出るコースを歩くこととした。南岳からの下りはここ2・3日、人が歩いた形跡がない。かなりの急坂を下る。アイスバーンが浮き上がっており、歩くたびにバリバリと音を立てて沈む。

 人工林を過ぎて、雪のない尾根をやや下った三叉路には表示板がある。まっすぐに進めば片知山。今回は、ここから尾根をはずれて南下する。薄暗い杉林の中を歩く。消えかかった薄い雪の上の足跡と、テープや黄色いプレートを拾いながらルートファインディング。何度かルートを踏み外しかけたが、何とか人工林を抜け、谷川を渡り返し、大岩壁を左に見ながら岩屋(高賀山にある岩屋のミニ版)を通過して、林道に出た。駐車場までは、舗装道路をはずれて、散策道に入り10分程度で戻ることができた。

 瓢ヶ岳は高賀山のイメージによく似た山歩きができる。また、雪山を手軽に楽しむことができる名山でもある。単に山頂往復よりも、南岳経由の縦走をお勧めしたい。時間がなければ見晴台まででも足をのばすといい。
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