二ツ森山
二ツ森山 (1223m 福岡町) 2002.11.3 曇り 2名

切越峠(9:21)→ベンチ(9:39)→第一展望台(9:58)→第二展望台(10:04)→コウモリ岩分岐点(10:31)→大ナラ分岐点(10:49)→二ツ森山山頂(10:54-12:35)→東森山分岐点(12:48)→東森山東屋(12:56)→林道駐車場(13:11-13:22)→切越峠(14:20)

 この連休は飛騨の川上岳を予定していたが、いつもより一ヶ月早い西高東低の冬型気圧配置に、奥美濃から飛騨は雪の予報。このため、最も雪の少ない東濃地方の山に変更。恵那市内から見ることのできる2つの特徴ある山は笠置山と二ツ森山。今回は、笠置山の北にある二ッ森山を目指す。登山口は、山頂東の林道から登るのが最短距離であるが、起点は山の北にある切越峠からとし、白川町と福岡町の境界尾根を歩くこととした。

 久しぶりの国道41号線を北上し、白川町の飛騨川を渡る手前で右折しトンネルを抜けてすぐ右折。県道68号線に入り、二つ目のトンネルをくぐる。後は、切越峠まで道なりに真っ直ぐ進む。恵那市へ抜ける68号線から70号線に入り、黒川沿いに福岡町の案内表示に従って進む。川沿いの道は狭いが生活道路であり、待避所が随所に設けられている。意外に対向車が多く、前方を注意しながら早めに待避所ですれ違うように車を走らせた。

 百人一首の里と書かれた表示があり、短歌と人物像が描かれた看板が立ち並ぶ。おそらく100句が全て書かれていると思われ、それを楽しみながら走る。前方に見えるはずの二ツ森山は雲の中。蛭川村に抜ける分岐点を過ぎ、山の中へ。登るにつれて、周りの木々が雪化粧をしている。

 右に駐車場が現れ、左にコウモリ岩・大ナラと書かれた表示板と林道があったので、切越峠と思い停車。前を走っていた軽ワゴンは林道へ入っていった。登山口は少し先らしいので、50mほど歩いてみたが、登山口らしきものはない。さらに道は上に続いている。先ほどの軽ワゴンが引き返して坂を上っていくので、車まで戻り東へ。すぐに軽ワゴンが戻ってきてクラクション。私たちに峠が先であることをわざわざ教えに戻ってきていただいた。この親切な行動に感謝。

 すぐに峠に到着。軽ワゴンの三人の方にお礼のあいさつ。ほぼ同時刻に四台の車が到着し、この山の人気の高さがわかる。木の上に積もった雪が融け始め、林の中から水滴が落ちる音がする。この調子だと、昨年の誕生山のようにずぶ濡れになること間違いなしなので、防水ジャケットを着込んだ。

 登山口は駐車地点のすぐ東の南側にある。登山口には大きな案内看板。案内板によると先ほど峠と思った地点からコウモリ岩を経て、山頂に行けるようだ。人工林の中、予想通り雨のように降り注ぐ水滴の中を登り始める。地面に雪はない。駐車場で、「最初の30分はきついですよ」と言われたが、そのとおりかなりの急坂が続く。道の回りには広葉樹もあり、色づいた葉に雪が積もって美しい。

 20分ほどで休息用のベンチを通る。3つ程のピークを越えて第一展望台へ。右に踏み込めば、雪をかぶった木々の向こうに、先ほど車で上がってきた白川町の集落が見える。ちぎれ雲が流れ、美しい光景が広がる。この辺りから道の上にもうっすらと雪が積もっている。積雪は3センチ程度。直ぐに第二展望台に着く。先ほどと同じような景色が眺められる。

 この後、道はなだらかになり、1140mほどのピークから約50mほど下る。せっかく登ったのに、もったいない気がする。しかし切越峠と二ツ森山山頂との標高差は350m。それを一時間半で歩くのだから、この程度の下りがあっても不思議ではない。

 第二展望台から30分ほどでコウモリ岩分岐点に着く。コウモリ岩まで往復60分の表示がある。周囲のササはすっかり雪に覆われ、頭上からの水滴も落ちてこない。気温が0度近くになっているためであろう。更に30分ほど登ると大ナラ分岐点。雪の中を少し踏み込んでみたが、ササに覆われた道が下方に続いていた。

 ここから歩き始めてすぐに、人の話し声が聞こえ、大きな岩のある山頂に到着。まずは大岩に登ってみる。あいにく雲の中で、何も見えない。岩の北側には小学生の登頂記念プレートがいくつか掛けられていた。大岩のすぐ東には立派な木造の東屋がある。東屋の前の紅葉したドウダンに雪が積もって美しい。

 東屋には、峠を教えていただいた男女三人の方が昼食中。その隣で昼食にする。話を聞けば、岐阜市の方でウチの近所の方の親戚だそうでびっくり。毎週、山歩きに出かけられ、昼食はお餅を焼いたり鍋を作ったりと、本当に山の楽しみ方を心得た皆さん。後着の三名のパーティーの方々が隣で昼食。なんと鉄板を持ち込んでの焼き肉で大宴会。前回はカニすきだったそうで、これまた山を楽しんでみえる。おいしいネギマをいただきありがとうございました。

 皆さんと山談義をし、長い昼食の後、もう一度、大岩の上へ。先ほどまでの雲が晴れ、笠置山が堂々たる山容を見せる。左には人工林の緑と広葉樹の紅葉がモザイクになった岩山が美しい。下界から雲がわき上がり空を飛んでいるような錯覚に陥る。

 写真を撮って、下山は最短コースの東の林道に向かって下る。雪と赤土と落ち葉でずぶずぶになった急坂をゆっくり下った。10分ほど下ったところに東森山への分岐点がある。東森山の標高は1155m。少しの登りで立派な木造の東屋のある東森山に着く。樹林帯の中で展望はない。雪が降った後に散った真っ赤なカエデの落ち葉が雪の上にたくさん落ちていて、実にきれいだ。

 一旦、分岐点まで戻るものと思っていたが、ここから林道まで遊歩道ができている。遊歩道を下り、15分ほどで林道に出た。二ツ森山への直登コースの入り口は、この遊歩道口よりすぐ北にある。近くにはこれまた立派な東屋ときれいなトイレ、駐車場がある。

 林道に出て、切越峠方面の北に歩き始めたが、駐車場から北は未舗装。切越峠へは一旦林道を南に下り、山麓を南北に走る主林道に出て、北に向かう。一時間程度で切越峠に着く。天気がよければ林道からの展望もよさそうだ。途中、町指定の天然記念物である大きなハナノキが真っ赤に色づき見事な紅葉を見ることができた。散ったばかりの落ち葉を踏みながら、秋の山のもの悲しい雰囲気を全身で感じて、峠に戻った。

 短時間で頂上を極めるのであれば、この林道コースがいい。舗装された林道は広く、簡単に登山口にアプローチできる。山歩きをゆっくり楽しむなら、やはり切越峠からの尾根歩きがお勧め。今度は、この山のすぐ南にある笠置山を20年ぶりに歩いてみたいものだ。
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