静馬ヶ原〜御座峰 (1069m 春日村) 2002.5.25 快晴 3名
笹又林道終点駐車場(8:50)→静馬ヶ原(10:00)→御座峰(11:21-12:55)→1149mピーク(13:54-14:08)→静馬ヶ原(14:16)→駐車場(15:00)
今回の山行は、このHPを見てメールをいただいたことがきっかけで、メールによる交流を続けていた各務原市にお住まいのKさんとご一緒させていただいた。Kさんは、今年から山登りを始め、HP「2001山遊びの会」の公開登山にも2回ほど参加されている。
初心者とはいえ、この春には涸沢岳単独登頂を行うなど、精力的に山へ登られている。以前から、一緒に登ろうとメールのやりとりを重ね、今回、ようやく同行が実現。待ち合わせ場所で、初対面らしくない初対面であいさつ。ネットのオフの醍醐味である。
互いにメールではできなかった話しをしながら、揖斐川を北上し、春日村へ。集落を抜けたあたりで、笹又方面へ左折。一部狭いところもあるが、舗装道路であり、難なくさざれ石公園駐車場に着く。さざれ石公園の未舗装の駐車場には1台の車も止まっていない(トイレはこの駐車場の右手にある)。前を走っていた車が右手の林道へ折り返すように入っていったので、後をついて舗装された林道に入る。
イノシシよけのトタンやシートが張り巡らされた畑の中のいくつものヘアピンカーブを登りつめると数台が駐車できる林道終点に着いた。4台ほどの車が止まっている。身支度をして、駐車場手前の登山道の案内に従って人工林の中に入る。後で分かったが、駐車場から細くなった林道を歩いても登ることができる。
タラの木などが栽培された迷路のような畑地帯を抜け、左上に伊吹山ドライブウエーを見上げながら緑の美しい急斜面を登る。無数のウスバシロチョウがゆるやかに舞っている。比較的背の高い広葉樹林の中のジグザグ道を登る。クルマムグラやコバノミミナグサの可憐な白い小さな花が美しい。ミツバウツギが満開である。
1時間近く歩くと、尾根に出る。車で上った笹又の林道や駐車場が見下ろせる。その向こうには養老山、藤原岳などが望める。タニウツギはまだ蕾だ。尾根をまっすぐ西へ登ればドライブウェーに出る。静馬ヶ原は、すぐ上のドライブウェーと平行して右に進む。ニリンソウの群落地を抜けるが、残念ながら花期は終わっている。
斜面に出ると、いきなり北の展望が広がる。これから歩く1149mピーク、御座峰、大禿山、国見岳、更に奥へ、貝月山、小津権現山、花房山、能郷白山、その先にはうっすらと白い加賀白山が確認できる。
急な斜面につけられた細道の周りに木はなく、遙か下まで続く谷を見下ろしながらのスリル満点の歩きが楽しめる。真っ直ぐに立ち上がったイブキガラシやイブキタンポポがきれいだ。たくさんのオオバギボウシが葉を広げたところであり、花の時期にはさぞかし美しいことであろう。正面から吹くさわやかな風を全身に受け止めて、静馬ヶ原に着く。ここは、地形的にいつでも風が強い場所らしい。
直ぐ南のドライブウェイ路肩には駐車場があり、そこを起点に北尾根を歩く人が多い。観光バスツアーもここが起点となる。大所帯のパーティーに混じって1149mピークへの急な坂道を登る。高木がないため、背に直射日光を浴びて暑い。
ピークで小休止。国見峠までの北尾根全体が望める。御座峰へはかなり下って登り返し、983mピークを経て登り詰める。かなりのロングコースに見える。東には、槍ヶ先が名に恥じない山容を見せている。
1149mピークから、一気に下る。ユキザサやホウチャクソウ、ナルコユリ、ヤマブキソウ、ヒメウツギなど、3週間前とは違う花が道を埋めている。特に目を引いたのは、コンロンソウの大群落。白いシンプルな花でもこれだけ集まると見事である。Kさんは、2センチまで接写できる高性能のデジタルカメラで花を撮影。出来上がりが楽しみである。
国見峠からの登山者にあいさつを交わしながら、鞍部まで下り登りにかかる。石灰岩の尾根を歩く。穴があいた石にストックをとられ、歩きにくい。琵琶湖が見える所もあるが、霞で見通しはあまりよくない。急登が連続することもなく、静馬ヶ原から1時間20分ほどで御座峰に到着。3週間前に国見峠からここまで歩いたので、これで伊吹北尾根全体を歩いたことになる。
山頂で記念撮影をして、昼食は展望の良い少し南に下がった草地でとることにした。南には、1149mピークと伊吹山がよく見える。最高のロケーションでのランチである。スパゲティーを作ったが、少ない水にパスタを入れすぎてかなりの失敗作。ビールに缶詰、ゆで卵にコーヒー、Kさんのフルーツやお菓子を味わいながら、山談議。展望のよいこの場所で昼食をとるパーティーが多く、たちまち草原は登山者でいっぱい。スケッチを楽しむグループもある。ここで気持ちよく昼寝をしたいところだ。
1時間半ほどの昼食を楽しんだ後、来た道を引き返した。1149mピークへの登りは急登できつい。ピークで再び小休止。風でササが波打つ静馬ヶ原を見下ろしながら、ピークを下る。斜面の道から今日歩いた北尾根に別れを告げ、笹又への急坂を一気に下った。結構、足がくたびれた。さざれ石公園から歩かなくてよかった。
帰りに、さざれ石公園に寄ってみた。芝生広場の隅に、君が代に歌われた大きなさざれ石が2つ置かれている。小石を巻き込んだ石灰岩は苔むして、堂々たる風格をしている。天皇陛下にも献上された石であり、日本のルーツを感じる。今では訪れる人も少ないようで、現代の世の中を象徴しているようにも思えた。
Kさんとは、また、チャンスがあれば一緒に登りましょうと別れた。Kさんは、山のHPを作成中であり、公開時にはリンクさせていただくこととした。今日の花の写真が掲載されるのが待ち遠しい。
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