飯盛山 (740m 久瀬村)2005.1.3 曇り 12人

駐車場(8:26)→鉱山入口(9:06)→天狗の森公園駐車場(9:40-9:52)→山頂まで1220m地点(10:05)→月見の株(10:30)→山頂まで240m地点(10:47)→飯盛山山頂(10:58-12:46)→月見の株(13:03)→天狗の森公園駐車場(13:21-13:43)→鉱山入口(14:03)→駐車場(14:33)

【参加者】 sizukaさん、katakuriさん、makotoさん、sumireさん、ジオンさん、らぶさん、キーノ夫妻、ayameさん、ヤブさん、RAKU、らくえぬ

 元旦の明王山でこの次に登る山の話しになった。我々は3日に雪のある山を初歩きをしたいと話しをしたところ、何人かの方から一緒にとの声が上がった。昨年の雪の貝月山が思い出される。スノーシュー未体験のメンバーを中心に参加者は増え、正月の思いつきの計画であるにもかかわらず参加者多数。

 行き先をいろいろ検討したが、スノーシューの練習に、山頂まで遊歩道のある飯盛山を選んだ。年末の寒波で揖斐地域にも雪が降ったのだが、標高が低く奥深い山ではないため、雪の量が気になった・・・。飯盛山は2年前の2月に登った。この時は消えかけた雪を踏んで登ったが、北側に広がる小津3山を中心に美濃の山々の大パノラマの美しさが鮮明に記憶に残っている。

 揖斐川町で全員集合。2日前に会ったメンバーがほとんど。元旦に会えなかったmakotoさん、sumireさん、らぶさんの3人も年末の忘年登山でお会いしている。気心知れたおなじみのメンバー。集合場所で既に話しが盛り上がっている。西には名前のとおり飯を盛ったような特徴有る飯盛山が見える。

 国道303号線を西進し、2つ目のトンネルを抜けた久瀬村役場への信号交差点の南側のトイレに寄る。ここからの飯盛山は目の前であり、丸い山容は無い。山腹にはこれから登る林道のガードレールが見えた。ここからすぐ西の3つ目のトンネルを抜け、喫茶店のある交差点を左折して揖斐高原スキー場の日坂ゲレンデ方面に向かい、すぐに短いトンネルを抜けた左手の林道が登山口となる。

 道路の西側に広い駐車スペースがあり、除雪された雪が山に積まれていた。林道の雪は少なく、車で登山口まで入れるか確認すると、路面はアイスバーン。車での乗り入れは断念。この林道を登り詰め、山腹にある「天狗の森公園」から遊歩道となる。遊歩道入り口までは徒歩で4〜50分かかる。

 登山道には5cm程の雪が積もっており、昨日通ったと思われる車の跡が残っていた。たくさんのウサギの足跡を見ながら、いくつものカーブのある林道を登っていく。雪も次第に深くなる。林道からは展望のいいところがいくつかあり、眼下には揖斐川やダム、役場や集落、そして対岸の山が迫っている。低い位置に雲がたなびき、山間地域の美しい冬の光景が広がっている。

 集落から9時を告げるチャイムが聞こえてきた。林道脇の枯れ草や落ち葉には氷の結晶が付着して、冬の花を咲かせている。ショウジョウバカマの芽はすでに大きく膨らんで春を待っている。車で走ればただの林道であるが、歩いてみるとたくさんの美しいものが発見できる。

 前方の山の中に白い小屋が見えると鉱山入り口は近い。鉱山入口には「上田石灰株式会社 久瀬鉱山」と書かれていた。石灰岩の山である。車のタイヤ跡もここまで。2年前はこの先が公園の工事中で通行止めとなっておりここに車を停めたが、今では公園が完成しており、この先の駐車場まで車の進入は可能となっている。

 いつの間にか、谷間の雲は消え、北側には堂々たる小津権現山、その右に真っ白な頭を出し始めたのは花房山。小津権現山の左には一段と白く美しい三角形の天狗山が見える。轍も消えたし、雪の積雪も10cmほどになったので、本日の目的であるスノーシューを付ける。ザックザックと音を立てながら白銀の林道を登る。以前はこの先で左への木の階段を登って天狗の森公園までショートカットしたが、今日は林道を歩く。

 林道は南西に大きく回り込んでかなり遠回りになるが、この辺りからの展望はすばらしい。小津権現山の中腹にも雲の白い帯がかかっている。谷から湧き上がった雲が林道を流れる。草木に霧氷ができている。ヘアピンカーブで折り返して天狗の森公園駐車場に着く。駐車場から公園に入った先頭グループから「きれい!」と歓声が聞こえた。公園の木々が霧氷で真っ白。その向こうには立ち上がってきた小津権現山、花房山。雄大な冬の山を背景に人の手では創り出すことのできない美しい大自然の芸術が目の前に広がる。

 ここで一息。この先は偽木の手すりが続く遊歩道となる。道にも偽木の階段が続くが、雪に覆われている。トレースの無い道をジグザグと登っていく。林道歩きよりかなり急坂になったため、スノーシューのヒールリフターを上げる。雪が次第に深くなる。石灰岩の崩壊地を通過。谷の向こうの山が大きく美しい。谷を覗き込むと雪に覆われた崖が垂直に切れ落ちて足がすくむ。道の前方には飯盛山の山頂が美しい。

 後方の山々が立ち上がってくるのを何度も見ながら高度を稼ぐ。天狗山の左には蕎麦粒山が見え始めた。花房山の右には雷倉、その右の尖り三角形はタンポ、なだらか稜線は台形の西台山へと続く。手前は塔之倉のようだ。葉がある季節にはあまり展望が得られないと思われるが、この時期の見晴らしはバツグン。木々を通して見る小津3山もいい。

 遊歩道脇にシャクナゲやドウダンツツジが植えられたなだらかな場所を通過。ここで小休止。休息後、山頂への最後の登りにかかる。雪も30cmほどになってきた。ふかふかの雪である。先頭のラッセルはsizukaさん、時々交代。列の後方はしっかり圧雪されたトレースを歩くので実に快適。時たま、トレースを外して雪を踏む感触を楽しむ。

 遊歩道が2手に分かれる場所で、直進して「月見の株」を見る。大きなケヤキが雲間の太陽を背景に曲がりくねった雪の枝を広げている。まさにこの山の主の風格。麓の集落からも見えるこの木は、昔から村人たちの生活に大きく関わりを持っていたに違いない。

 相変わらず展望を楽しみながら山頂を目指す。雪が付着した木々を通して見る小津3山が美しい。山頂まで240m地点を通過。ここから山頂までは10分足らず。展望のいい場所でシャッターを切りながら歩く。天狗山の向こうの蕎麦粒山もよく見えるようになった。

 道がなだらかになるとすぐに山頂。山頂は平で木々に囲まれている。南側に反射板のある西津汲とその奥に小島山が見える。山頂の中央にある枝振りのいい木の前で記念写真。1枚はスノーシューを上げてチーズ。さらに、スノーシューの輪を撮ることに。人数が多く、カメラを頭上に上げてシャッターを切った。撮影結果をすぐに見られるデジタルカメラは実に便利だ。今度はスノーシューを外して花びらにして撮影。配色にこだわって並べかえるところは、芸が細かい。

 写真の後、木の下でシートを並べて、いつものようにランチタイム。今回は、一昨日の初日の出登山に続いての新年会。今日のメンバーでは、いろいろな料理が登場すること間違いなし。ジオンさん、らぶさん組でキムチ鍋、sumireさんmakotoさん組は、サラダや珍味にチーズそして雑炊、この雑炊、なんとおにぎり5個分のご飯の分量、キーノさん組は、しっぽくうどんでうどんが4玉分、ayameさん、ヤブさん組は、今はやりの韓流ラーメンに昆布巻き、sizukaさん、katakuriさん組は、katakuri流キムチ鍋、我々は、定番の燻製に味噌煮込みうどん。

 12人のメンバーではとても食べきれるものではなかった。何といっても料理人ばかりで、食べる専門の人が今日は一人もいない。何度も目の前を料理が行き来した。持ち帰った人もいたが、何とかかたずけることができた。メンバーを見て食事の量を考えるべきだとこれまた反省点。陽が差し始め、時々、木の上の雪が直撃。雪の上でのランチは最高。コーヒーとmakotoさんからの和菓子で2時間のランチ終了。

 帰路、12人の足ですっかり踏み固められたトレースにスノーシューは不要。スノーシューはザックに付けて、滑ることもなく軽快に下った。前方に美しい山々の大パノラマを見ながらの下りはすばらしい。天狗の森公園まで下りて、林道へのショートカットを試みたが、雪で道は分らず、皆さんには林道を下ってもらい、1人でヤブを下った。5分も歩けば林道に出られるが、林道手前は急峻な斜面とイバラやツルに阻まれ、何とか林道に飛び出した。入り口となる階段より少し上に出た。今では林道終点に駐車場があるためこの道は使われることなく、廃道になっているのではないだろうか。

 一同合流して林道を下る。道の脇で今付けられたばかりと思われるカモシカの足跡を発見。山側の急な斜面を下りてきて林道を横切ったようだ。makotoさん達は先程、天狗の森公園でカモシカを見たらしく、そのカモシカが下りてきたかもしれない。「あ、カモシカ!」 何人かが林道下の林の中でカモシカを見つけた。その先の林道にたくさんのカモシカの足跡が続いていた。

 おしゃべりをしながら林道を下りきって駐車場へ。「お疲れさん」「ご苦労様」と靴を脱いだ。帰路、掲示板で話題になったことのある揖斐川町の喫茶店「花の木」に寄ってお正月特別サービスの金粉入りコーヒーとハニートーストをいただきながら掲示板の延長線の話に花が咲いた。

 2005年の初歩きはとっても楽しい山旅となった。今年も、すばらしい山歩きができそうな予感。今回、飯盛山はちょっと雪が少なかったが、山頂まで遊歩道が作られておりスノーシュートレッキングをするにはピッタリの山である。なにしろ、この大展望を見ながらのトレッキングはすばらしい。これから、さらに雪が積もる時期に登りたい山である。
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