トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

岩篭山・夕暮山 (765m・720m 福井県) 2013.4.28 晴れ 2人

ドライブイン「しのはら」(8:50)→広場(9:03)→四等三角点(9:18)→崩壊地(10:12)→インディアン平原(10:38-10:46)→岩篭山山頂(10:54)→市橋コース分岐点(11:16)→反射板(11:23)→夕暮山山頂(11:30-12:43)→市橋コース分岐点(12:52)→岩篭山山頂(13:13-13:28)→崩壊地(13:56)→ドライブイン「しのはら」(14:51)

★4月28日に福井県の敦賀三山の1つである岩籠山に登って来ました。
★いくつかあるコースのうち、今回は駄口コースを選択。
★「ドライブインしのはら」をスタートして、尾根の急緩を繰り返し高度を稼ぎました。
★雪で曲がった二次林や美しいブナ林を通過。
★急斜面を登ってササ原に大岩のあるインディアン平原で、美しい若狭湾を望みました。
★大岩のあるピークを通過して岩籠山へ。
★ノンストップで岩籠山を下り、市橋への分岐点を経て夕暮山で岩籠山を見ながら昼食をとりました。
★イワカガミやスミレなど春の花も楽しむことができ、変化に富んだ素晴らしい山歩きとなりました。

 ゴールデンウィーク前半、昨年の連休に登った野坂岳に続いて、敦賀三山と呼ばれる岩篭山(いわごもりやま)に登ることにした。岩篭山には3つの登山コースがあり、今回は東側の尾根コースを選択。登山口の地名から駄口コースと呼ばれている。木之本ICで高速を下りて国道8号線を北上。国道161号線に突き当たったところで左折して3kmほど走ると、山沿いにドライブイン「しのはら」が現れる。このドライブインが駄口コースの登山口となる。

 国道を挟んで大きな駐車場があり、数台の車が停まっていた。登山者の車は、国道東側の駐車場の北と南に駐車することになっている。靴を履き替えていると、バスがドライブインの横に停まり、20人以上の登山者が降りてみえた。人気の山である。車に注意して国道を渡り、ドライブインの南側にある駐車場脇の登山口に向かう。準備体操をしているバスの登山者に挨拶。福井県の皆さんで、バスはこの後、市橋コースの登山口に回るそうだ。
 
 登山口にある大きな案内地図を確認して山道に入る。獣害防護柵に沿って歩き、浅い谷を渡って尾根に取り付く。すぐにスギの人工林となる。スギの幹には鹿の皮はぎ防止のためのテープが巻いてある。トキワイカリソウやシハイスミレの花を見ながら丸木階段を登っていくと「←岩篭山」の標識が立つ小広場に出た。ここから尾根歩きとなる。
 
 左にスギの幼木林を見ながら明るい尾根を歩く。岩がごろごろしているところもある。この辺りにもトキワイカリソウが見られ、さらにイワカガミの群落が現れる。花期最盛期でピンク色の見事な花が咲いている。道はなだらかとなり、広場から20分ほど歩くと天然林の尾根となる。この辺りは常緑の潅木が多く、緑のトンネルの中を進む。
 
 急な岩のロープ場を登りきると左側が開け、隣の峰が見える。岩の多い場所で、休息を終えて歩き出そうとする先発の男性若者の後につく。イワカガミの花を見ながら岩場をこなす。大岩のところで若者パーティを追い越し、いいピッチで登っていくといつの間にか周囲は落葉の潅木帯になっていた。ブナの木も見られ気持ちのいい尾根を、急緩繰り返して登っていく。新しいデジタルカメラにしたことから、慣れるまでは使いにくい。
 
 イワカガミやトキワイカリソウが点々と現れて退屈しない。風が強くTシャツ1枚では寒い。尾根からは葉の無い木々を通して、右前方にこれから向かう稜線が望める。緩やかな傾斜の尾根が続く。前方に山が迫り、正面には崩壊した赤土の斜面が痛々しい。青い空にちぎれ雲が流れ、萌黄色の山肌を見ながら歩く明るい尾根はすばらしく気持ちがいい。
 
 さらに周囲の木々は背丈が低くなり、左側が大きく見渡せる。名前の分からない山ばかりだが、遠くの伊吹山だけは同定できた。周囲の木々はちょうど芽が出たばかりだが、そんな中で一足早く葉を広げた新緑の木がよく目立つ。風は弱くなり、春の日差しの中を、天然林の美しさを実感しながら歩くと、次第に正面の山が近づいてきた。そして急斜面の登りにかかる。一直線に登っていく。潅木の中、緑色のユズリハが目立つ。足元には咲き始めたスミレサイシンの花が疲れを癒してくれる。急斜面を数分で登りきって休息。
 
 ザックを下ろして、パンを食べる。周囲の潅木が雪で押しつぶされて湾曲したり、ぐにゃぐにゃに曲がったものが多い。頭上のクロモジの黄色い花が青空に映える。5分ほど休んで先を目指す。ここからは今まで歩いてきた方向から直角に北に向きを変える。草付きの道を蛇行し、広い尾根を歩く。先ほどまで曲がりくねった木が多かったが、この辺りは直立したブナが多く、雪が比較的少ないところかもしれないと思った。

 美しいブナ林を抜けていくと急な下りとなり、眼下には崩壊した崖が見える。先ほどの明るい尾根から見えた崩壊地である。鞍部まで下るとちょうど崩壊地の真上。崩壊地を巻くように登りにかかる。三角点のような石柱を見ながら緩やかな道から急斜面へ。明るい斜面からは周囲の山々がよく見える。かなり標高を稼いだ。斜面を登りきって再び樹林帯の中に入る。尾根の左側を右山で背の低いササの道を歩く。芽吹き前の林の向こうにはこれから行く稜線が見える。美しいブナ林の中、尾根を左回りに下って鞍部から登り返す。
 
 まだ花の咲いていないイワカガミの群落を見ながら、再びササの急斜面に取り付き、青空に向かって登る。後方には今歩いてきたブナ林が見下ろせる。斜面を登りきると前方右方向のササの中に大岩が点在しており、ここがインディアン平原のようだ。ササ原で道がインディアン平原に向かって分岐しているので、寄ることに。ササの道の脇にはオオバキスミレがいくつか見られた。こんな場所にこの花があるとは思わなかった。

 岩がいくつかある小高い丘まで行ってみると、単独男性が休息中。男性から岩篭山山頂よりもここのほうが展望がよいと聞いた。空気はそれほど澄んでいないが、北には敦賀市街と敦賀湾が、そして敦賀三山の1つである西方ヶ岳が美しい三角形を作っている。東から南へと山並みが連なるが、伊吹山くらいしか同定できない。西にはなだらかな岩篭山山頂が目の前にある。気持ちのいい風の中、展望を楽しんで引き返し、分岐から山頂を目指す。

 コースは、一旦、岩篭山山頂の南側にあるピークをかすめる。美しいササ原を登り、大岩の左を抜けてピークを越えると、前方に岩篭山山頂が迫ってきた。わずかに下って、山頂を迂回する分岐を見て登り返すとすぐに岩が点在する山頂に到着。数人の登山者が三角点を囲んでいる。挨拶をして、とりあえずもうひとつの目標である夕暮山に向かう。山頂から西に見える反射板のある山が夕暮山のようだ。

 西の斜面にある道を下って、右に向きを変え、右山で歩く。痩せ尾根から左方向へとブナ林をどんどん下っていく。市橋コースへの分岐点がなかなか現れない。登ってくる女性3名のパーティに出会った。市橋コースの状況を聞くと、谷の水量は少なく、危険なところも無いとのこと。尾根を巻くように鞍部を通過するとすぐに市橋コースの分岐点が現れた。数人の登山者が休息中。いくつかのザックがデポしてある。

 よく踏まれた明るい道を歩いて左方向に向きを変えていくと、正面の山に反射板が現れた。イワナシの花を見ながら展望のいい道を登る。前方から空荷のパーティが下ってきた。分岐点にザックを置いて夕暮山をピストンされたようだ。反射板まで登るとその先にもう少し高いピークがあった。そこが夕暮山と思い、ピークに立ったが三角点も山名標示板も無い。
 
 西から単独男性が登ってみえたので夕暮山の位置を聞くと、山頂はこのピークから西に少し下ったところだと教えてもらった。見下ろすとプレートが白く輝いているのが小さく見えた。男性は野坂岳を登った後、山集落から岩篭山を目指して登ってきたという。男性の健脚にびっくり。
 
 野坂岳を目の前に見ながら、大展望の尾根を下っていくとすぐに道の上に三角点があった。三角点の横の低木に夕暮山と書かれた板が吊り下げてある。どう見ても、山頂とは思えない、通過点のような場所である。

 記念写真を撮って、反射板西のピークに戻って昼食にする。ツゲの木を背にして、雪が積もったような満開のアセビの木を前に、ガスストーブを2つ並べてゆで卵入りカレーうどんを作った。正面には先ほど歩いてきた岩篭山が、そしてその山頂に登山口で出会った団体さんの小さく姿が見えた。その向こうには大岩が乗ったピークが見える。誰も登ってこないピークで、萌黄色の山を見渡しながら、日本海の風に吹かれてゆっくりとコーヒーを飲む。間もなく、目の前の山も新緑の海になるだろう。

 昼食後、パッキングして登ってきた道を引き返す。反射板に寄ってみると、ここからもほぼ360度の展望が得られた。反射板を後にしたところで再び単独男性に出会った。岩篭山山頂を踏んで引き返してきたとのこと。市橋コースの分岐点を通過して往路をもどる。途中で、バスの待つ市橋コースに向かう登山口で出会った団体の皆さんや3名の女性パーティに再び出会った。
 
 夕暮山から30分で再び岩篭山の山頂へ。先ほどまで賑わっていた山頂には誰もいなかった。写真を撮って周囲を見渡した。東にはインディアン平原が見下ろせ、また、かなり霞んではいるが、真っ白な白山と別山が望めた。山頂で15分ほど滞在し、登ってきた道を引き返す。ノンストップで一気にドライブインまで下った。
 
 尾根、潅木帯、ブナ林、ササ原など実に変化に富んだ山歩きが楽しめ、また展望も一級。いい山だ。紅葉の時期など季節を変えて、残り2つのコースを登りたいと思った。
★山からの展望



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