舟伏山〜岩田山 (262m〜270m 岐阜市) 2001.12.9 晴れ 2名
舟伏山登山口(7:01)→第1鉄塔(7:15)→第2鉄塔(7:23)→第3鉄塔(7:27)→舟伏山山頂(7:28-7:35)→第4鉄塔(7:39)→第5鉄塔(7:52)→岩田駅三叉路(7:59)→岩田山山頂(8:04-8:07)→住宅街道路(8:30)
今週もいろいろ用事があって、山行に出かける2人の時間が合わない。そこで、スケジュールの隙間を見つけて、9時頃までに自宅に戻れるよう、近くの山へ早朝散歩に出かけることに決定。自宅から10分の距離にありながら、舟伏山−岩田山の縦走をしていなかったことから、この縦走に決める。
この山は、金華山東尾根の最東端にある西山の東にある山で、南北から見るとまさに舟を伏せた形をしている。しかし、長良橋から見る舟伏山は、同じ山とは思えぬ、これまた見事な三角錐をした美しい山容である。
自宅を、7時前に出発。駐車できる舟伏山を先に目指すこととし、岩田山下山口と思われる名鉄美濃町線岩田坂駅北の住宅街の山際に自転車を置いておき、舟伏山登山口のある日野舟付に向かう。3年ほど前に岩田山に登ろうとしたが、登り口が分からず、舟伏山だけに登った経緯がある。今回、岩田山から下れば必ず登り口が分かるはずである。
舟伏山登山口は、日野のコンビニがある交差点から山に沿って東に2〜30m入った南側にある。暗くてあやしい入り口であるが、鉄塔管理の黄色い標識が目印になる。現在の日の出時刻は6時50分。7時に入山。日の出直後、真っ暗な林の中、大きな岩の横を駆け上がると、しっかりした道が東へと続いている。大きな黄緑色の水タンクの脇を抜けて、鉄塔から延びる電線を頭上に、露の降りた落ち葉を踏んで進む。
最初の鉄塔あたりまでは、3年ほど前に樹木が伐採されたことから、後方の見晴らしは抜群である。鉄塔から延びる電線がちょっとじゃまであるが、朝陽に赤く染まる西山とその向こうに岐阜城を頭に乗せた金華山がすばらしい。長良川を挟んで北には百々ヶ峰が大きい。赤白の鉄塔がある城ヶ峰も小さく見える。もやの下の町はまだ夢の中。早起き早朝登山はなかなかいい。
鉄塔を過ぎ、NHKのアンテナを通過。この辺りから痩せた松の樹林帯の中に入る。ママコナやアキノキリンソウがなごり花を咲かせている。季節はずれのモチツツジもいくつか見られる。松葉を踏んで進むうちに、道はゆるかになり、2つ目の鉄塔を過ぎると岐阜放送のアンテナがある。前に登ったときはここが山頂と思っていたが、間違いであったことに気づく。
平坦な道をさらに東に進み、3つ目の鉄塔を過ぎて1分で三角点のある山頂に着く。美山町の舟伏山と同じように、なだらかな山頂であり、山名の標識もないことから、三角点を見落とすと通過してしまいそうである。山頂に大きな樹木はないが、灌木やススキが茂っていて、その中へかなり踏み込まないと下界は見えない。記念写真を撮って、岩田山を目指す。
樹林帯に入ってすぐ、蛇首塚と書かれた石碑がある。賽銭も置かれており、石碑の裏には昭和17年という文字が読み取れる。何かいわれのある石碑と思われるが、・・・。名前がなんとも不気味である。
4つ目の鉄塔を右に見て、舟の底を過ぎると、岩田山に続く鞍部への下りにさしかかる。ここからの眺めが、この山一番のポイントである。目の前にこれから目指す岩田山が大きい。その北には美濃の山々がもやの中から顔を出し、その山並みの美しいこと。さらにその向こうには、堂々たる御嶽山が突き出ている。この時間だから見られる光景に満足。もちろん、長良川展望の道の向こうには高賀の山々がきらめく。ジグザグの下りの途中、右へ3メートルほど踏み込んだ岩の上からは、名古屋方面の見通しがきく。もやの中から突き出た高層ビルが、北の光景とは対照的に美しい。
10分ちょっと下って5番目鉄塔。ホウ葉がたくさん落ちている鞍部を少し進むと、しっかりした道は岩田山の北へと回り込む。岩田山への道は主尾根をはずさないでまっすぐ進む。分岐点は分かりにくいが、鉄塔の標識と古くなったテープが目印になる。ほんとうに道なのかと思うほど、踏み跡が薄くなる。心配しながら倒木をまたぎ小枝をよけて主尾根を登ると三叉路に出る。注意していないと三叉路と気がつかない。脇の木に、黄色い小さなプラスチック板にマジックで南は「駅」、東は「岩田山」と書いてある。
ここから、山頂まで5分。樹間から少し先にこんもりした山頂が見える。松の藪こぎをして、コンクリートの土台を越せば、ぽっかりとした山頂に出る。藪の中。展望はゼロ。1年程前の登山者が作成した山名のボードが掛かっている。記念写真の三脚をやっと置ける広さである。
早速、山頂を後に、先ほどの三叉路まで戻り、岩田坂駅方面に向かって、急坂を下りる。途中、縦走してきた舟伏山や前方の洞山の尾根が朝陽に染まって赤く見える。ここも、倒木をまたいだりくぐったり。最後は、尾根を東に下り、大きな砂防堰堤に出る。砂防堰堤ができたために、道路からの登山口がわからなかった訳である。砂防堰堤は2つの谷にあり、西側の谷が登り口である。こちらから登る場合は、堰堤のある谷を少し登ると、左側に赤いテープが目印として付けられている。自転車で車まで戻ったが、今歩いてきた峰を見上げながら山沿いに歩いても30分程度で戻れそうである。
この山は木が葉を落とした冬でないと、十分な展望は期待できない。さらに、早朝に登れば、思わぬ光景が見られる。早朝登山は三文の徳である。
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