トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平22業使、第490号) 

岩田山サークルトレイル 
(寒山:180m 尾崎三峰山:246m 岩田山:270m 兎走山:172m 岐阜市) 2011.2.27 晴れ・曇り 2人

春日神社(7:48)→寒山登山口(7:59)→寒山山頂(8:23)→東登山口分岐点(8:30)→尾崎北町登山口(8:40)→尾崎三峰山山頂(8:54-8:58)→岩田坂四丁目登山口(9:21)→岩田坂二丁目登山口(9:29)→岩田山山頂(9:58-10:04)→26番鉄塔分岐点(10:12)→26番鉄塔(10:22)→林道(10:32-10:37)→兎走山登山口(10:50)→兎走山山頂(11:05-11:38)→春日神社(11:51)

 今年の干支であるウサギの名がある山の1つとして岐阜市東部に兎走山がある。この山のレポートがジオンさんやミツルさんのHPに掲載されたので、レポートを参考に、まだ登っていない兎走山に登ることにする。兎走山は標高172mの超低山。長良川に架かる千鳥橋の南側にあり、この山の下を有料道路である兎走山トンネルが走っている。

 この山だけでは物足りないので、周辺の山と組み合わせて周回できるコースを探すと、南にある尾崎三峰山と岩田山を組み合わせれば、市街地を少し歩くだけで周回できるルートがあることに気づいた。完全なサークルにはなっていないが岩田山が中心にあることから、岩田山サークルトレイルと名付け、地図上のルートが実際に歩けるのか検証をすることに。
 
 兎走山の麓にある春日神社を起点に反時計回りで歩く計画とし、神社へ行く途中で、岩田坂四丁目にある尾崎三峰山北斜面の登山口を確認しようとしたが見つからない。1年前の金華山サークルトレイルを歩いたときに住宅街に下山した場所であるが、山際を探してもよく似た風景で確認できない。このため計画を変更して時計回りで歩くこととし、最初の登山口となる岩田坂三丁目の登山口を確認する。ここも以前に下山した地点であり、岩壁に石仏があることを記憶していたが入り口が分からなかった。犬を散歩させている人に聞いて登り口を確認。

 春日神社に向かい、駐車場に車を停めた。なお、春日神社の本殿近くにはトイレがある。靴を履き替えて、鳥居を出て、建設中の岐阜東バイパス道路の下を潜って国道156号線に向かう。南にはこれから取り付く山がシルエットとなっている。その右には尾崎三峰山が横たわる。後方には岩田山と兎走山が親子のように美しい山容を見せる。国道を渡って住宅街に入り、山際まで歩く。登山口は分かりにくいが、廃屋のすぐ東側の木立の切れ間にある。廃屋の裏に3台ほど駐車できる空き地があるが私有地のようだ。

 山に取り付き右に墓石を見ながら石段を登る。前方には岩の崖があり、その前に大きな石仏が立っている。地図には神社マークが書いてあるが、現在は石段や石仏が残るだけで、神社の建物はない。石仏の手前から左に登って崖を迂回。倒木をまたぎ登っていくと道は左方向に向きを変え、岩場をトラバース。この辺りからも兎走山がよく見える。トラバースを終え、電柱を通過すると、NHKと岐阜放送のアンテナが現れる。落ち葉を踏んでひと登りすると尾根に出た。

 なだらかな尾根を歩く。右にはこれから登る尾崎三峰山が樹間から望める。電柱を通過し、明るい尾根を歩くと前方に小ピークが見える。右への分岐があり、木に掛けられたピザボードにマジックで竹薮まで10分と書いてある。竹薮からは尾崎三峰山山頂への道があり、このルートを歩けば尾崎三峰山を周回できる。左には木々の間から田園が望め、車の音が聞こえてくる。以前、この尾根を歩いたときは夏であり、クモの巣が多く、暗いイメージであったが、冬には明るい尾根となる。

 小ピークを通過し、少し下って登り返すと「寒山180m」と書かれた新しい標示板が木にくくりつけてある。地図を見ると確かに180mのピークがあるが、山名は書いてない。このピークは寒山という名前のようだ。思わぬ発見で、このサークルトレイルに1山が加わった。
 
 寒山から数分歩くと東登山口の分岐点に到着。立派な標識が立っている。周回コースの概念図もある。ここで尾根は直角に西に折れており、引き続き明るいなだらかな稜線が西に向かっている。ここからの稜線は岐阜市と各務原市の境界であり、標識は各務原市により整備されているようだ。三峰山山頂の標識に従って南尾根を西に向かう。

 小ピークのアップダウンが続く。展望のある場所がいくつかあり、右手には兎走山、岩田山、尾崎三峰山が連なっている。兎走山まではかなりの距離がある。前方には壁のように三峰山が迫り、左のピークには赤い東屋が小さく見える。この稜線歩きは実に快適である。

 南尾根を10分ほど歩くと再び立派な標識が現れる。ここを南に下れば北町登山口に出る。ここからは何度も歩いた道である。大岩の左を巻いて登り、今日、初めて出会う男性登山者と挨拶。東屋のある展望台へは寄らず、急斜面を登って山頂へ続く主尾根に出た。ここから右へ歩いて尾崎三峰山山頂に到着。誰もいない山頂から360度の展望を楽しむ。山頂からも岩田山の右に2つの鉄塔の立つ兎走山が見える。

 時間は9時近い。後、2山残っているので、すぐに引き返し、ケルン状に石が積まれた分岐点から北へ下る。ここから岩田山までは、一昨年の12月に歩いた金華山サークルトレイルのルートと同じである。

 急斜面を急降下する。眼下には岩田坂の住宅街が見える。滑りそうな急斜面であるが、丸木などで階段が作られている場所もあり、登山道の整備が進んでいる。正面に大きな岩田山をみながら一気に下っていく。クチナシの黄色い実がいくつか見られた。分岐が現れ、ここは右方向へ行く。アカマツ林を抜け、落ち葉の積もった道を下っていくと民家が見えてきた。登山口は今日の朝、探した場所の近くにあったが、標識や目印が無く、住宅街の山際を探しても、ここの登山口を見つけるのは容易ではないと思った。

 住宅街を北に下って、歩道橋を渡り、山裾に向かって登る。山に突き当たって左方向に歩くとコンクリートにフェンスのある水道施設(?)があり、この左側に山への踏み跡があった。ここから山道に入るが、すぐに踏み跡は不明瞭になる。前回もここで道を見失ってさまよった場所であるが、前回の経験から堰堤の先に道があると確信して堰堤に向かうと、左の斜面の潅木に赤テープが巻いてあり、小刻みに先へと続いている。このテープに誘われて山に入ったが、どう見ても道がない。しばらくテープを追ったが正規の道に出られそうにないので、右にトラバースして前回と同じようにしっかりした道に合流した。結果的に今回も正しい道を見極めることができなかった。

 落ち葉に埋もれた道を登り、尾根に出て右に曲がる。小枝を分けながら登るところもあるが、道を見失うようなことはない。斜面を登り詰めると稜線に出た。岩田山は右へ。明瞭な稜線の道を歩くと、すぐにコンクリートの土台が現れ、展望の無い岩田山山頂に着いた。プレートの前で写真を撮ってミカンを食べる。

 岩田山山頂を後に、登ってきた稜線の分岐点を通過して、倒木の多い道を下る。前方に舟伏山が見える。さらに下ると鉄塔が見え始めた。鞍部辺りまで下ったところで鉄塔巡視路の標示が現れ、右に折り返すように道が分岐し、26番鉄塔の標示がある。右山で下る。コシダやウラジロの群落を見ながらどんどん下っていく。左には送電線が通っており、その向こうには百々ヶ峰が見える。左前方の松林の尾根には26番鉄塔が見える。落ち葉に埋もれた小さな谷を通過し、岩場をトラバース。ショウジョウバカマがたくさん見られ、花芽が大きく膨らんでいる。

 石の多い谷状の道を下り26番鉄塔を通過。ここから急斜面のジグザグ道となる。この辺りもコシダやウラジロの群落が多く見られた。26番鉄塔から10分ほど下ると竹薮となり、すぐに林道に出た。
 
 林道の合流点には鉄塔標示があり、今下ってきた方向には26番の標示がある。右は25番の標示。右に曲がって林道を歩く。ここで道を間違える。兎走山へは林道合流点から右へ10mほど歩いて再び竹薮の道に入るのが正しいルート。この道に入らずに林道をそのまま歩いていくと、道は北に直角に向きを変え、前方に車道が見えた。GPSを見ると行き過ぎていることに気づいた。ここで引き返して正規の道に戻った。しかし、後で地図を見て気がついたが、車道に出て千鳥橋の南詰め辺りから鉄塔巡視路に取り付けば、兎走山山頂を通過して春日神社に戻ることができそうだ。そうなると、きれいなサークルを描くことができる。この検証は次回に。

 竹薮の中、掘れた道を歩く。よく整備された竹林は実に美しい。やがて天然林となる。ゆるやかな傾斜の道には赤テープが続いているが道は明瞭で、古くから歩かれている日野と岩田をつなぐ道のようだ。林道から10分ほど歩くとテープが賑やかな峠を通過。落ち葉の道を5分ほど下っていくと鉄塔標示が現れた。ここが兎走山の登山口となる。

 1番鉄塔標示のある左方向に登る。ジグザグ道を登り標高を稼ぐ。後方に朝登った寒山や尾崎三峰山が見える。頭上には送電線が走っている。前方から女性2人が下ってきた。この山で登山者に出会うとは思わなかった。明るい道となり、鉄塔下に出た。1番鉄塔である。鉄塔下の裸地を登って、ゆるやかな尾根を歩くと、前方に次の25番鉄塔が見えてきた。岩田山の下りで通過した26番鉄塔から続く鉄塔である。この25番鉄塔は兎走山山頂のすぐ北にある鉄塔であることが、この後わかる。
 
 すぐに兎走山山頂に到着。かわいい兎の絵が書かれたきれいな新しい山名標示板があり、最近設置されたようだ。南北に細長い山頂で、標示がなければ通過してしまいそうなところだ。チャートの岩がいくつか地面から出ており、明るく、実に雰囲気のいい山頂である。すぐ北側にある25番鉄塔に行ってみると西側の展望があり舟伏山と金華山が望めた。鉄塔巡視路はさらに北へ下っているが、この先は次回のお楽しみとして、山頂に戻ってコーヒータイムにする。
 
 思ったよりも歩いたのでてシャリバテ気味。岩の上にすわってパーコレーターでコーヒーを沸かす。曇り空ではあるがさほど寒くない。春の足音を感じながら、ゆっくりとコーヒーを楽しんだ。30分ほど山頂で休憩して、登ってきた道を下る。25番鉄塔、1番鉄塔を通過し、眼下にバイパスの工事現場を見ながら一気に下って、登山口から左へ歩き、春日神社に着いた。本殿で拍手を打って、駐車場に戻った。ちょうど4時間の山旅。思ったより時間がかかった。

 このコースは2度市街地を通るが、それぞれ10分ほど歩くだけで山に入ることができ、市街地歩きは苦にならない。また、気持ちのいい尾根歩きや、急斜面の登り下り、目まぐるしく変わる展望地からの景色など、変化に富んだ山歩きが楽しめる。舟伏山や尾崎三峰山の展望台をルートに組み込めば1日コースになる。今回、兎走山をピストンしたが、サークルにすることもできそうだ。

 尾崎三峰山からの北斜面の下りは滑りやすいので逆コースにして登りに使ったほうがいいかもしれない。また、住宅街の登山口は分かりにくいので、事前に下見をしておくとよい。四季を通じて歩きたいコースである。
★岩田山サークルトレイルからの展望

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