トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平17総使、第654号) ※一部誤動作あり ※地図が古いため大規模林道は記載されていません

十二ヶ岳 (1326m 高山市) 2008.7.19 晴れ 2人

林道分岐点・駐車地点(10:43)→登山口(11:11)→尾根・鳥居(11:23)→十二ヶ岳山頂(11:30-12:49)→林道・登山口(13:02)→駐車地点(13:25)

 4年前の五色ヶ原トレッキングの時、ガイドさんから十二ヶ岳の話を聞いた。現在の高山市、旧丹生川村にある。低山でありながら標高は1326m。12の山が見える展望のいい山らしい。林道が山頂付近まで延びていることから、1時間ほどで登れるようだ。遠方にあることから、飛騨へ来たときについでに登る山と決めていた。

 梅雨が開け、この3連休は夏山の予定をしたが、所用で自由になるのは2日間のみ。天気も不安定であることから、1泊のアルプスはあきらめ、前夜泊でアルプス気分を体験できる山として、奥丸山を選んだ。前から一度は登ってみたいと思っていた山でもある。それなら前日は飛騨の低山に登ろうと、迷わず十二ヶ岳を第一候補に上げた。

 「可児からの山歩き」さんのHPを参考に、高山市街から国道158線を東進。国道から大規模林道へ入る場所が分からず、国道を行ったり来たり。大規模林道の起点は瓜田集落の神社の東にある。この神社への道は、旧丹生川村役場の前を走る国道158号線を東に進み、左にある荒川家住宅を通過したら、次の道を左折。この道の入り口には「大谷・瓜田」の標示がある。橋を渡り、突き当りを右折して瓜田集落へ続く狭い旧道を東へ向う。約1.5km走ると左に神社が現れる。この神社の東に基幹林道の標示がある。荒川家住宅の次の道を左折せず、国道を東進し、地酒の店を右に見て坂を下りきったところに、左へ鋭角に道が分岐しているので、この道に入り橋を渡って突き当りを左折して100mほど走って神社横の林道に行くこともできる。

 大規模林道を北上する。2kmほど走ると右への道が現れ、十二ヶ岳まで2.8kmの青い看板がある。ここを右折して500mほどで再び分岐。分岐に案内標示がない。直進は狭い未舗装道路でかなりの悪路。右の舗装道路に入ってみたが、山をどんどん下ってしまうので、再び戻って未舗装道路を走る。雨水で溝のできた場所はゆっくりと走る。かなり荒れたところが2・3ヶ所あったが、現在の状態であれば、普通車でも通行できそうだ。未舗装道路を2kmほど走ると、林道が分岐しており、「十二ヶ岳林道起点」「十二ヶ岳登山口」の標示があった。3台ほど駐車可能。

 案内に従って、林道を歩く。すでに標高は1000mほど。真夏の太陽が照りつけるが、さわやかな風が吹く。道の両脇にはススキなどの夏草が茂り、ヨツバヒヨドリやイワガラミ、ガクアジサイなどが目に付く。ヨツバヒヨドリの花の上をミドリヒョウモンやサカハチチョウなどが飛び回っている。前方に見える山が十二ヶ岳であろうか。15分ほど歩くと青い看板に突き当たり、開かれたゲートを通過。林道歩きが続く。林道脇の草むらでマムシを見つけた。帰りにも林道でヘビに出会ったが、マムシではなくアオダイショウの幼蛇のようだった。ツリフネソウなどを見ながらゲートから10分ほど歩くと、十二ヶ岳登山口の標示が右手にあった。

 ここから樹林帯の山道となる。ミズナラやブナの天然林であるが、アカマツが多い。地面には松葉が敷き詰められている。かなりの急斜面を登っていく。チゴユリがたくさんあり、春にはかわいい花が咲くことだろう。ササが現れ、なだらかな道になるとすぐに尾根に出た。林道から10分ほどの登りである。尾根にはベンチがあり、消えかけた表示板がある。右が十二ヶ岳、左は折敷地と書いてあるようだ。尾根を西へ広い道が下っている。この後、山頂で出会った登山者の方から折敷地コースの状況を教えてもらった。十二ヶ岳方向に50mほど歩くと木の鳥居がある。その先には大きなブナの大木と、根本に大山神神と彫られた石碑があった。石碑に手を合わせて、擬木の階段を登る。階段は急なため、迂回路が設けられているが、一気に階段を登りきった。
 
 夏草に覆われたピークに建つ展望台が現れた。ヤマオダマキやヤマホタルブクロを見ながらピークを巻いて展望台の前に出た。展望台の横に建物がある、東屋だと思ったが、よく見ると神社本殿に併設された板張りの拝殿のようだ。一段下に日時計があり、周囲に山の名前と石が置かれている。神社の記録を見ると、この石は実際に名前の山から採集されたもののようだ。神社の前に頭がつぶれて丸くなった三角点があった。2名の女性が昼食中。挨拶をして、まずは展望台に登ってみる。360度の大展望。乗鞍は東にあるピークに半分ほど隠されているが、その北の穂高・焼や南の御嶽が確認できた。西側には、今歩いてきた尾根と、その向こうには高山市街が広がっている。舟山や位山も見える。気持ちのいい風が吹きぬける。
 
 パノラマの写真を撮って、展望台を下り、2名の女性と山談義。高山市の方たちで、十二ヶ岳は何度も登られてみえるようだ。今日は初めて折敷地コースを登ってきたとのこと。我々が尾根に出たときに西に下っていたコースである。登山口や登山口近くにある恵比寿温泉などいろいろな情報をお聞きした。このすぐ先に乗鞍展望地があることも教えてもらった。ランチの後、下山する2人と別れたが、この後、再び出会うことになる。
 
 今日のランチは夏定番の冷やしそば。昼食後、乗鞍展望地まで行ってみた。山頂から東へ少し下る。ブナの大木の鞍部から僅かに登り返しで展望地に出た。アルプス方面案内板が台座から外れていた。昼食の間に雲が湧き、乗鞍山頂は雲に覆われている。空気の澄んだ秋などは、冠雪のすばらしい乗鞍が見られるに違いない。
 
 山頂まで戻って、下山開始。登ってきた道を下った。一気に林道まで下り、炎天下の林道を歩いた。林道のカーブ手前で、前方から大きな音がした。動物が茂みに飛び込んだような音だ。恐る恐るカーブを曲がると、地面に蹄の足跡がある。カモシカが駆け下りていったようだ。
 
 車に戻って、悪路を戻った。大規模林道に出て、教えてもらった折敷地コースの登山口を確認するために大規模林道を上った。登山口の標識を探しながら走ったが、なかなか見つからない。かなり西へ来てしまったので標識を見落としたと思った頃、左に緑色の表示が現れた。登山口となる赤土の道が右の斜面を上がっている。駐車できるスペースに1台の車が停まっており、山頂で出会った女性2人が靴を履き替えているところだった。樹林帯の雰囲気の良いコースで、ここから山頂まで1時間半弱かかるらしい。さらに少し下ったところにも登山口があるそうだ。また、この先には恵比寿温泉があることも教えてもらった。御礼を言って林道を下ると小さな建物の恵比寿温泉があった。茶色に濁ったかけ流しの炭酸泉で汗を流した。

 十二ヶ岳は名前のとおりアルプスの展望台である。瓜田コースは林道歩きが主体。山道は僅かでちょっと物足りない。今度は折敷地コースを登ってみたい。紅葉の時期もよさそうだ。

★十二ヶ岳からの展望


★十二ヶ岳の植物


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