陰平山
陰平山 (237m 各務原市) 2002.9.7 曇り 2名

センターハウス(14:03)→ふるさと眺望の丘(14:09)→展望台(14:18-14:24)→陰平山山頂(14:31-14:37)→展望デッキ(15:03-15:08)→最北端休憩所(15:28)→センターハウス(15:40)

 9月に入っても残暑がきびしく、まだ、この辺りの低山は暑くて登るのには向かない。しかし、今日は曇天。夏の日差しもない。子供が小さい頃に、ハイキングで1度訪れた日本ラインうぬまの森にある超低山の陰平山を登ることにした。

 国道41号線を東進し、JR鵜沼駅の北にある交差点で左折。団地の中の坂を登り、ため池前の三叉路を右折すると、すぐ右手に鵜沼の森がある。入り口の右手に巨大な駐車場があり、中央にはログハウス風のセンターハウス。その中に森の本屋さんが設置されている。裏手にはトイレもある。センターハウスに靴を脱いで入り、うぬまの森のマップをいただく。

 陰平山には多くの遊歩道が巡らされており、マップで遊歩道の状態がよく分かるが、陰平山の山頂や名前は明記されていない。山頂は「日本ラインの道」を東進した行き止まりのところにある。どのコースを行くのか迷うところであるが、まずはセンターハウスの左の舗装道路「萩の道」を登り、「ふるさと眺望の丘」をめざす。名前のとおり萩の花が満開である。ツクツクボウシの蝉時雨の中を歩く。着実に秋が迫ってきている。

 右手に八木三山が望める。5分ちょっとで「ふるさと眺望の丘」に出る。東屋からは鵜沼の町と木曽川、伊木山がすばらしい。短時間の登りでこれだけの展望が得られるのは、車でかなり標高をかせいでいるからであろう。

 ここから、東に少し行ったところに、展望台へ登る「心臓破りの坂」がある。この丸木階段を一気に登り、尾根に出て東に進む。ドウダンやサツキなどが道沿いに植林されている。林の中になぜ街路樹を植える必要があるのであろうか。そんなことを考えているうちに、すぐに巨大な展望台のある広場に出た。

 展望台からは、360度の展望が楽しめる。南には、鵜沼の町や木曽川、継尾山が望める。その東には鳩吹山。北に回り込めば、パラボラアンテナのある金毘羅山と東には猿啄城。西には八木三山とその北尾根が美しい。アキアカネが群れをなして飛んでいる。

 山頂を目指して、「日本ラインの道」の尾根歩き。ここの展望はよくないが、樹間からは、右に木曽川、そして左前方にも木曽川が見え、おかしな錯覚にとらわれる。これは、この山の東で木曽川が大きく蛇行しているためである。一旦下って、舗装道路との合流地点をさらに東進し、丸木階段を上りきると陰平山山頂である。展望はあまりよくないが東の鳩吹山や八木山方面が樹間から望める。山頂には四等三角点がある。クロアゲハやキアゲハが飛び回っていた。

 帰りは舗装道路を下り、途中から「健脚の道」に入り、「まんさくの道」を東進。ここも萩の花が美しい。また、ヘクソカズラのフリルのついたベルベットの花が美しい。なんと不運な名前をつけられたのであろうか。「まんさくの道」終点にある展望デッキに上がってみた。展望デッキは山の東端に位置し、直下を国道41号線が走っている。東には、猿啄城とその下を流れる木曽川が目の前に望める。JR東海の列車が国道沿いを走り、この山の直下にあるトンネルに吸い込まれていく。いつまで見ていてもあきない光景だが、ヤブカが集まってきたので、早速下山。

 ここから「せせらぎの道」を下る。今回の山歩きでこのコースが最も気持ちがいい。北斜面であり、日差しもなく、涼しい。少量ではあるが、谷水も流れている。広葉樹林帯の中を、ゆっくりと歩く。杉木立の中を中山道まで下る。ここはうとう峠。中山道を東に歩いてみた。緑の中、先人たちが歩いた道は硬くしまり、歴史を感じさせる。曲がりくねった道の先から、ふっと侍や飛脚が現れても違和感がない雰囲気が今でも残っている。中山道から北への道を折り返すように登り、最北端の休憩所を経由して再び中山道の石畳に出て、センターハウスまで戻った。

 山歩きというよりは公園の中のウォーキングといった感じではあったが、1時間半も歩いた。さらに、南の展望の道を歩けば、かなり充実した山歩きが楽しめる。木々には名前のプレートが付けられており、木の名前を覚えながら歩くことができる。この暑い時期でも、駐車場には次々に車がやってきて、展望台をめざす人が多い。まさに市民の山である。

 帰路、渋滞を避け、木曽川右岸を走った。伊木山を通り過ぎた辺りには、梨の産地があり、この時期には道沿いに梨の直売所がいくつか並んでいる。伊藤農園という直売所に寄ったところ、親切なおばさんから規格外の梨をかなり安く分けてもらった。枝の跡がついて形が少しいびつなだけでしたが、甘くてたいへんおいしい豊水でした。 
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