貝月山の写真
貝月山 (1234m 坂内村) 2001.5.5 曇り 2名

坂内村ふれあいの森ゲート(10:30)→山頂(11:28-12:30)→日越峠コース→ふれあいの森ゲート(13:30)

 貝月山は春日村、久瀬村、坂内村の境界点にある。1234mと覚えやすい標高であるのもおもしろい。登山口は3町村にそれぞれあるが、今回は最もアプローチの短い坂内村から登る。

 国道303号線を北上し、横山ダムを過ぎ、坂内村に入ったところから、揖斐高原スキー場に向かう。スキー場を通り越して、終点のふれあいの森キャンプ場のゲート前に車を止める。シーズンオフでキャンプ場は閉鎖中。ゲート前には山菜取りと思われる車も含めて数台駐車してある。

 登山口はキャンプ場左の林道を10分ほど歩いた所にある。山頂(峠)まで1100mの表示がある。登山道は広く切り開かれ、丸太の階段の遊歩道となっている。風邪も冷たく、木の芽が出始めたばかり。樹林帯はなく、明るい潅木の中を登る。階段の登りは辛い。その辛さを癒してくれるのは、なんといっても登山道に咲くさまざまな花である。満開のイワウチワの群落がすばらしい。ショウジョウバカマ、スミレ、ニシキゴロモなどが尾根を飾る。木では、点々と自生する純白のコブシ(タムシバか?)、濃いピンク色の花が咲き始めたシャクナゲの大群落、名前は分からないが葉が出る前に黄色い可憐な花を無数につける潅木、遠くには点々と山桜が見える。谷筋にはまだ雪が残る。今、この山に春が来た。その感触を全身で感じながらの最高に気持のいい登りである。

 道は、すぐに尾根道となり、シャクナゲの大群落を横切る。後ろを振り返ると、今登ってきた尾根の向こうに見える、パステルカラーのモザイクの山が美しい。残念ながら、この色を言葉で表現できない。また、霞みでその先の山は全く見えない。登山道には親切にも100mごとに山頂までの距離が表示され、尾根道はまっすぐ山頂につながっている。

 ジャスト1時間。人の話し声が聞こえてきたかと思うと、いきなり山頂に出る。360度の大展望である。中央に、コンクリートの展望台櫓がそびえている。ベンチとテーブルが2つある広い山頂には、数パーティーが食事中である。展望台には展望できる山の絵と山名が書かれているが、霞んで何も見えない。かろうじて北に蕎麦粒山が見える程度。西からガスが山頂を流れる。

 櫓横の芝生でカレーライスのランチ。春日方面や坂内方面から次々にパーテーが登ってくる。山頂には小さなハエの仲間の大群が顔のまっわりを飛びまわり、カレーの中まで入る始末。早めに昼食を切り上げ、下山は山頂から西にある日越峠を回るコースを選ぶ。

 ササと潅木の登山道には雪渓が残る。途中、貝月山山頂がきれいに見える。尾根をはずれて、ハセ谷に回りこむと、改めて前方の山の美しさに感動。中判カメラと三脚を持ってこなかったことに後悔。日越峠からは、林道に並行して、険しい谷筋をいくつか横切る斜面につけられた道を下り、林道に出る。林道合流点には満開のコブシが数本自生しており、その横には谷筋の雪渓から流れる小さな谷川がある。この冷たい水がまたおいしい。林道横の谷川の反対側にはふれあいの森まで続く遊歩道があり、谷川の音を聞きながら快適なトレッキングができる。途中、ツクシがたくさん出ていて、ツクシ採りに夢中になった。思えば、5月にツクシ採りをするのは初めてである。さすがに、フキノトウは遅い。カタバミの群落もある。

 短時間で登れ、高山に登った気分になるこのような山は外にない。次回は、4月始めにここへ来て、雪山を楽しむこととしよう。
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