釜ヶ谷山 (696m 伊自良村) 2002.1.13 晴れ 2名
伊自良キャンプ場(9:50)→鉄塔(10:40)→奥ノ院(11:02)→御神体大岩(11:12)→釜ヶ谷山頂(12:08-13:42)→奥ノ院(14:13)→鉄塔(14:22)→伊自良キャンプ場(14:50)
1月2日以降の大雪で、どこの山もまだたくさんの積雪がある。登山口まで除雪されているアプローチの容易な山として、今回は伊自良村の釜ヶ谷山に決定。この山は1999年4月29日に登って以来、2回目となる。
岐阜市を北上するにつれて、雪は深くなり、伊自良村に入ると一面銀世界。大雪から1週間たっており、路面に雪はないが、路肩には高く雪が積まれている。伊自良湖の標識に案内されて、伊自良村を北西に進む。前方にひときわ大きい山が見えてくる。釜ヶ谷山である。まさに山という形をしている。
ワカサギ釣りでにぎわう伊自良湖を右に見ながら、キャンプ場に車を乗り入れる。案の定、除雪は橋の手前まで。そこから前に車は入れない。無雪期であれば、登山口となるプール駐車場まで入れる。行き止まりの広場にはすでに先客の車数台が駐車しており駐車スペースはない。湖岸に駐車しようとバックを始めたが、後続車がどんどん上がってくるので、やむを得ずみぞれ谷登山口の路肩の雪に乗り上げて駐車する。
身支度をして出発。アイゼンは様子をみて必要であれば途中で装着することとする。プール右の林道から谷に沿って人工林の中を登る。先着の十数人のパーティーが先を歩いているので足跡を踏んで歩きやすい。しかし、それでも時折、膝辺りまでズボッとざらめ雪の中に沈む。
やがて谷上部の明るい斜面を左にトラバースするが、この辺りから渋滞が発生。後からの4パーティーが追いつき長い列ができた。雪が深く、先頭の方が苦戦している。どうやら、雪降り以降、誰も山に入っていないようだ。再びヒノキの人工林に入るが、あいかわらず雪は深い。ヒノキの細かい枯葉が雪の上一面にトッピングされて美しい。
人工林を左にトラバースして、T字路に出る。すぐ左にはあまり展望のきかない展望台の東屋がある。前のパーティーが小休止したため、先頭になる。進む道に足跡はない。膝まで雪に埋まりながら、一歩一歩進む。すぐに鉄塔下。ここからの展望はすばらしいが、展望を楽しんでいる余裕はない。仏像が奥ノ院までいくつか並んでいるが、それを観察する余裕もない。雪との戦いが最優先。
鉄塔下で後ろのご夫婦に先頭を交代。その先で次の方に交代。これを繰り返し、数パーティーが一列になって前後入れ替わり登っていく。この先、3回先頭に立った。
やがて、倉庫のような木造の建物とすぐ上に神社のある奥ノ院に着く。ここから、人工林の尾根登りが始まる。10分ほどで目の前に縄を巻いた巨岩が現れる。御神体の大岩であり、左に回り込み岩の上に出ると、ここから伊自良の集落などが眼下に広がりすばらしい。
この先も尾根を歩くが、かなり急坂なところもあり、また、窪んだ登山道に雪がたまり、先頭は足が股までスッポリ埋まって身動きができなくなることもある。膝をつき、木にひっつかまって登る。登山道をはずして、雪の浅そうなところを進むが、あいかわらず足をとられる。雪の中で汗が落ちる。後方から「がんばれ!」と声がかかる。
やがて道はなだらかになり、山頂まで200mの標識のあるピークに着く。雪のため松の倒木が見られるが多くはない。さらにもう1つのピークに出てから少し下って最後の急坂を登り詰めると、立派な小屋のある山頂に到着。
山頂は8パーティーほどの登山者で実ににぎやか。南が切り開かれており、岐阜市方面が見渡せるが、今日はあまり見通しがきかない。百々ヶ峰や金華山が薄っらと見える程度。北側は樹木で展望はきかないが、小屋の裏あたりから、樹間に白い舟伏山や大黒山が望める。小屋の中にはノートが備え付けてあり、また、登頂記念にお持ち帰りくださいと、エンピツまで置いてあるのには驚いた。
雪を踏み固めてマットを敷き、まずはビール。汗をかいた後だけにビールがうまい。眼下の展望を楽しみながら月見うどんや味ごはんの昼食。コーヒーもうまい。山頂は風もなく、南から降り注ぐ陽の光を受けて、先週の大寒波がうそのように暖かい。隣のパーティーの方に写真を撮っていただき、最後に下山した。下りはかなり圧雪されていたので、軽アイゼンをつけた。行きとは異なり、2人だけの静かな下山となった。
登山道が雪に埋もれていても、コースを誤るようなところはなく、雪の山歩きを手軽に楽しめる山である。深い雪に苦戦し、いつもと違う筋肉を使ったことから、下山後、足に心地よい痛さが残る、充実の山歩きでした。
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