トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

金糞岳〜白倉岳  (1317m、1271m) 2016.9.25 曇り 2人

鳥越林道登山口(9:24)→尾根・滋賀県側登山道合流(9:33)→金糞岳山頂(10:23-10:32)→白倉岳山頂(11:09-12:15)→金糞岳山頂(12:49)→鳥越林道登山口 (13:38)

★9月25日に揖斐川町の金糞岳と白倉岳に登ってきました。
★鳥越林道の鳥越峠近くの登山口をスタート。
★林道から一登りで尾根に出て、ブナ林の中、溝状の道を登りました。
★展望のいい尾根からは、揖斐の山々や伊吹山を見ながら金糞岳山頂へ。
★山頂からササの道を、オヤマリンドウの花を見ながら下って白倉岳に向かいました。
★展望のいい稜線からは琵琶湖を一望。
★鞍部から登り返してわずかな岩場を通過し、白倉岳山頂へ。
★赤トンボが無数に舞う誰もいない白倉岳山頂で昼食。
★天気は下り坂。琵琶湖の上を低く流れる雲を見ながら下山しました。
★秋を見つけながら素晴らしい展望を楽しむ山旅となりました。


 金糞岳・白倉岳のレポートは2003年に掲載しているが、3年前の9月にも登っている。この休みも曇天の予報で雨の心配もあることから、短時間で登れる山として金糞岳を選んだ。天気が良ければ白倉岳まで足を伸ばす。展望はあまり期待できないかもしれない。

 国土303号線で揖斐川町に入り、道の駅「夜叉ヶ池の里さかうち」で登山届けを提出。さらに西進し、湧谷山を過ぎて国道が北に向きを変える角から鳥越林道に入る。路面に散らばった山栗のイガや渓流釣りの車を見ながらなだらかな道を上る。

 高度を稼ぐと、カーブの多い道となり、鳥越峠手前で左側に3台ほど駐車できるスペースが現れた。白い登山届け箱が目印。ここが登山口の駐車場であり、危うく通り過ぎるところだった。単車が1台置いてあるが、車はない。
 
 ススキの穂を見ながら靴を履き替えて出発。登山口は道を渡った草むらの中にあり、ブロック壁に朽ちた登山口の標示が立てかけてある。ススキを分けて山道に入ると、いきなりミカエリソウの花の出迎えを受けた。サラシナショウマやヒキオコシ、クロバナヒキオコシ、ゴマナ、アキノキリンソウ、アキチョウジなど様々な秋の花を見ながら登って、10分ほどで尾根に出た。ここで左からの滋賀県ルートと合流。
 
 右に向きを変えて、なだらかな明るい尾根をいろいろなキノコを楽しみながら行くと、涸れた谷のような道となり、雨で流されてきた枯れ木を踏みながら歩きにくい溝を登る。深い溝道には側道ができていた。美しいブナの林の道となり、再び急登。道を覆う灌木が鋸で切り倒されて道に散乱している。登山道整備のため、今日、切られたようだ。
 
 下ってきた数人の若い男性のパーティに出会った。滋賀県から登って下山するには早いような気がする。八草峠からの縦走であろうか。この先で、空荷の単独男性と出会った。おそらく単車の男性で、木を切るなど登山道の整備にみえた方だと思われた。

 尾根に出て30分ほど登ったところで、展望地に出る。東から南側が開け貝月山やブンゲン、伊吹山、そして琵琶湖の東端が望めた。雲は多いが、思ったよりも展望がよく、琵琶湖がきれいに見える。ブンゲンの下には奥伊吹スキー場が望めた。

 明るい道が続き、展望も良い。ナナカマドやムシカリの実が色づき、頭上にはたくさんのアキアカネが舞っている。秋を見つけながら登っていくと背丈の低い灌木に覆われた広い場所に到着。金糞岳山頂である。

 山頂は昔のままで、山名の書かれた石柱があった。北側の展望が得られ、湧谷山、蕎麦粒山、能郷白山が重なった山並みが美しい。雨が降りそうにもないので、白倉岳に向かう。
 
 背丈以上のササに囲まれた道を西に進むと、前方に白倉岳のなだらかな山容が見えてきた。ササが途切れると、背の低い灌木帯となり、南側180度の大パノラマが広がる。この山の最大の魅力は金糞岳から白倉岳まで大展望を見ながらの稜線歩きである。
 
 琵琶湖の展望が素晴らしく、浮かぶ小島や比良山系もよく見える。足下にはオヤマリンドウの紫色の花が最盛期を迎えている。再びササが深くなり、足下が見えないほどになるが、鞍部に向かって下り始めると、ササは灌木に変わる。正面にはこれから登る白倉岳の尾根が迫り、中腹に白い岩がむき出しになっている。
 
 鞍部まで下ると、東俣本流への分岐があり、道が切れていて危険との標示。以前からある標示板で、字が消えかけていた。登り返すとすぐに大きな岩の間を通る。周辺にはシャクナゲが見られた。

 岩場を通過するとすぐにロープ場が現れ、その上の岩場にもロープが設置してある。ロープ場を越えると展望の良いなだらかな道となり、灌木がえび茶色に紅葉している。スノキ属の木のようだ。振り向けば、今下ってきた金糞岳が大きく羽を広げている。南には東股谷が深く切れ込んでV字谷を作り、谷の左には伊吹山がなだらかな山容を見せる。前方の琵琶湖に向かって稜線漫歩。ちぎれ雲が琵琶湖の上をゆっくりと流れて行く。
 
 たくさんのアキアカネに迎えられて、誰もいない山頂に到着。ザックを背負ったまま、山頂から更に先に続く道を1分ほど歩くと、琵琶湖の大展望地に飛び出す。思わず声が出る絶景をしばらく楽しむ。
 
 白倉岳山頂に戻って昼食。地獄うどんを作る予定であったが、醤油を忘れたので、鯖うどんにメニューを変更。空に舞う無数のアキアカネを見ながらコーヒーを飲んでいると、金糞岳方向から人の声が聞こえ、稜線を歩いてくるパーティが見えた。その後、男女5人のパーティが山頂に到着し、賑やかになった。

 パーティと入れ替わるように山頂を後にし、歩いてきた道を戻った。いつの間にか、空は低く垂れ込めた白い雲に覆われていたが、下山するまで雨が降ることはなかった。
 
 金糞岳・白倉岳は比較的短時間で登ることができ、大展望が楽しめるお気に入りのコース。登山口までのアプローチも悪くない。次回は花の多い春に登りたい。
★金糞岳・白倉岳からの展望


★金糞岳・白倉岳の植物


 山のリストへ