下呂御前山(空谷山)【1411m 下呂町】 2001.7.1 曇り後晴れ 2名

大洞登山口(10:33)→5合目(11:00)→林道(11:26)→お助け水(11:35)→展望台(12:00)→9合目(12:14)→山頂(12:32〜13:55)→大洞登山口(15:05)

 梅雨の中休み。高気圧が張り出し真夏日になるとの天気予報。少しは涼しいと思われる南飛騨の下呂御前山を目指す。下呂御前山は御岳山の展望の地として、古くから信仰のため登り継がれた名山である。別名、空谷山と言う。

 関−金山線からネムの花が満開の41号を北上して下呂へ。下呂温泉街から眺める下呂御前山には雲がかかっている。下呂の41号トンネル手前の信号を右折。すぐに左の道に入り、川沿いにある雨情公園を過ぎ、前方の山に向かって1本道を小さな案内板を頼りに走る。(きれいなトイレが雨情公園にあるので利用すると良い) 大洞集落を過ぎると、道幅は狭く、対向車が来ないことを祈りながらさらに進む。右手に下呂御前山駐車場が現れるが、登山口まで450mあることから、さらに車を進める。舗装道路からデコボコ道の林の中へ。右手に立派な東屋が現れるが駐車禁止。登山口でUターンして近くの路肩に止める。登山者の車が2台ほど見受けられる。

 靴を履き替え、立派な案内板のある登山口で冷たい水を汲んで、登山開始。登山道は林道と山道があり、山道は旧登山道と書かれている。旧登山道を登ったほうがいい。この辺りは、野村木材のよく整備された見事な杉林が続く。

 登山口から山頂までは4.1km。人工林をジグザグに登る。いきなり、ササユリを発見。淡いピンクの清楚な姿に感動。15分ほどで2斜線の舗装林道を横切り、さらに暗い樹林帯を登る。風も無く、汗拭き登山。所どころに咲くササユリに元気づけられて登る。6合目を過ぎると左手に谷が現れ、風が涼しい。

 1時間ほど登ると未舗装の林道に出る。軽トラックなど10台以上の車が止まっているのに驚く。林道を横切り、すぐにお助け水のあるベンチに着く。ザックを下ろして休憩していると、草刈機を担いで下りて来る20人ほどの集団と出会う。下呂町森地区の皆さんで、登山道の整備に来ているとのこと。こうした人たちのボランティア精神が登山者を支えている。「お助け水はうまいよ」との助言に、登山道から右手に100mほど行ったところで水を汲む。地下の谷川が地表に出たところに水汲み場があり、冷たくて最高にうまい。まさにお助け水である。

 お助け水で元気になり、7合目を過ぎると展望台に出る。ほとんど下界が見えなかっただけに、ここからの下呂温泉市街の展望はすばらしい。8合目は広い平坦な場所で、間伐材で作ったベンチがいくつか置かれている。ここから、山頂までは主尾根の広い道を北にまっすぐ進む。この2区間がかなりきつい。9合目にはギンリョウソウの大群落があり、再び感動。9合目を過ぎて、左手の岩場を少し下りると、高岩大権現神社が下呂市街を見下ろしてる。そこからひと登り、ジャスト2時間で山頂である。

 大きな岩があちこちにあり、かなり広い山頂の真中には立派な山名の書かれた石柱がある。3パーティーが昼食中。東には、薄っすらとではあるが巨大な御岳山の3つの峰が望める。その南には寺田小屋山や白草山、北には萩原町の御前山が大きい。残念ながら、乗鞍や穂高はモヤで見えない。方位板や記帳ノートも備えられている。山頂には、ツマグロヒョウモンやキアゲハ、アカトンボが舞い、ヒグラシの鳴き声が響く。シジュウカラも挨拶に来てくれた。カレーライスの昼食の後、コーヒーを飲みながら、岩の上から、さわやかな風の中、下呂市街を見下ろす。ここは時間が止まっている。いつまでもここにいたいと思わせる不思議な山である。

 すぐ後に、登って来た、地元のおばさん2人と山談議。御嶽山は女人禁制であったことから、女性が御岳に登るかわりに、この山に登ったとか。いろいろな山の話題の後、「こんなすばらしい体験ができるから、えらくても山に登る」という、山屋共通の意見に、共感。
 後ろ髪を引かれる思いで山頂を後にし、お助け水をいっぱい汲んで下山。下界は真夏日というのに、山頂は涼しく、ちょっとだけアルプスを体験したような充実登山でした。空気の澄んだ日に、御岳見物にもう一度登りたい山です。

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