トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号)
萱原 (629m 七宗町) 2015.11.21 晴れ 2人
細尾谷林道入口(8:50)→(道誤り)→林道脇登山口(9:51)→稜線合流(10:32)→鯨岩(10:47)→萱原山頂(11:35-11:45)→展望地・昼食(12:28-13:21)→鯨岩(13:25-13:30)→15番鉄塔(13:38)→登山口(14:13)→細尾谷林道入口(14:35)
★11月21日に七宗町の萱原に登ってきました。
★細尾谷林道の入り口を出発。
★林道沿いの鉄塔巡視路の標識を見落として登山口を行き過ぎ、幸先の悪いスタート。
★人工林の谷を遡り、谷を詰めたところから稜線に向かって急斜面をトラバースしました。
★稜線に出て、飛騨川を見下ろす展望を楽しんで、ヒメコマツの枯葉を踏みながらアップダウン。
★鉄塔巡視路に迷い込まないようにルートファインディング。
★道の薄い急斜面を登り、ピークを越えて萱原の三角点に到達しました。
★鯨岩近くの展望地まで戻って昼食。
★誰にも出会わないワイルドな山歩きを楽しんできました。
萱原は三角点の名前であり、七宗町にある標高629mの山である。以前から、気になっていた山であり、この休みに登ることにした。萱原は、納古山の東、飛水峡の北にあるマイナーな山で、登山道は主に鉄塔巡視路となっている。
国道41号線を北上し、七宗町の道の駅「ロックガーデンひちそう」を通過した直後、上麻生手前で国道は直角に右に向きを変える。すぐに川並の信号交差点を左折して赤い橋を渡る。JR高山線の踏切を渡り、突き当たりを「飛水峡ロックガーデン」の案内に従って右折。山と線路に挟まれた道は次第に狭くなり、クランクしながら再び踏切を渡る。飛騨川とJRに挟まれた狭い道となり、すぐに飛水峡ロックガーデンへの分岐で、三度踏切を渡る。
白いガードレールの橋を渡ると、左にダムの警報施設があり、林道が左に分岐している。細尾谷林道と書かれた木柱が立っており、舗装された林道にはトラ柵が置いてある。「関係者以外の進入は自己責任」といった内容の看板が灌木の中に埋もれていた。
車を林道入口の路肩に停めて細尾谷林道を歩き始めた。右下に、木々の間から廃屋や細尾谷ダムを見ながら、未舗装になった林道を歩く。30分ほど歩いたところで、右前方に鉄塔の立つ山が見えた。そろそろ登山口が近いと思っているところへ、携帯電話のベル。電波状態が悪く、通話に苦戦しているうちに、登山口となる鉄塔巡視路の黄色い標示を見落とし、橋を渡り、龍ヶ洞を通過し、岩の壁を抜けた。
巡視路が見つからないことから、GPSを見て行き過ぎたことに気がついた。引き返して、注意深く黄色い標示を探した。10分以上引き返して橋よりも南側の人工林のところに巡視路を発見。「火の用心」と書かれた大きな黄色いプレートも設置してあり、二人がなぜ気づかなかったのか今でも不思議に思う。30分のロス。
気を取り直して、15番鉄塔の標示に従い、人工林の踏み跡をたどる。すぐに苔むして今にも落ちそうな丸木橋を渡る。暗い人工林の中、左に小さな谷を見ながら歩いて、すぐにその谷を渡る。左山で、狭い道のトラバースが続き、折り返しながら谷の源流に向かう。切り捨て間伐された人工林には下草が少なく、湿り気のある林は暗い。
右側の谷は次第に水が涸れ、その谷を渡って尾根を乗り越え、倒木を避けながらもう1つの谷を渡る。引き返すように向きを変え、制限加重150kgと標示された鉄の橋を渡って、滑落しそうな岩場を通過すると明るい稜線に出た。鉄塔標示があり、右に行けば15番鉄塔。この鉄塔は林道から見えた鉄塔である。
鉄塔には帰路に寄ることにして、左折。岩の多い稜線には展望地があり、目の前を横切る高圧線の向こうに、一直線に流れる飛騨川と併走する国道41号線が見下ろせた。この先で、14番鉄塔の分岐を右に見る。松の枯れ葉が積もった尾根を登っていくと、大きな岩が現れる。鯨岩と呼ばれる岩で、この岩の左側を通過。再び南側の展望がきく場所を通過。右前方下には13番鉄塔が見える。後に、昼食をここでとることになる。
尾根を左に外す巻き道を歩く。この辺りにはコウヤマキが見られた。尾根に出ると、今度は左右に巻き道が派生している。鉄塔標示があったが、プラスチック板が破損している。尾根を歩けば確実なので踏み跡の薄い尾根を直進。道はほとんど無いが歩ける状態であり、5分ほどで左からの巻き道に合流した。左側の巻き道が正解だった。
すぐに、また尾根の右側への道となった。ネット情報では右に入らず、踏み跡の薄い尾根を登るような記述があったことを思い出した。右の道に入った直後に、尾根に向かって踏み跡があったのでこれを登る。松葉に覆われた急な斜面をルートファインディングしながら登る。踏み跡はきわめて薄いが、疎林でどのようにも歩ける。
斜面を登り切ると明瞭な尾根道となり、この先で尾根に突き当たる。ここは右へ。このような場所は、帰路、直進してしまうことが多いので、左側の道を確認すると、大きく窪んで道が途切れた状態になっている。間違えるようなことはないと思った。しかし、帰路、ここで思わぬ道間違いをすることになる。
ひと登りして604mピークを通過し、イワカガミの群落がある急斜面を下ってホオノキの枯れ葉が散る鞍部からピークの左をトラバース。次のピークを登り詰めると三角点があった。萱原山頂に到着。山名標示は見当たらない。ヒノキの林の中で、樹間からこの先に続く尾根が望めた。展望が無いので、展望のいいところまで戻って昼食にする。
登ってきた道を引き返す。20分ほど下ったところで、展望地に出た。登りでこのような展望地が無かったことから、GPSで確認すると、往路で突き当たった尾根を直進して、別の尾根に入っていることに気づいた。どうして間違えたのだろう。戻って点検してみると、T字路の手前で巻き道があり、この巻き道に入ったことから分岐点を巻いて違う尾根に入り込んだことが分かった。意外な落とし穴があるものだ。しかし、道を間違えたことによって、展望のいい場所を発見できた。ここからは東側が見渡せ、手前の山の向こうに、恵那山の丸い頭を見ることができた。目の前には登ってきた尾根が見える。
分岐点まで戻り、正しい道を下る。道の薄いピークは慎重に下った。その先のピークは西側を巻いた。展望地に来たので、ここで昼食にする。昼食とるようなスペースは無いので、道の真ん中にシートを敷いた。登ってくる人はいないだろう。この場所は崖の真上で、眼下に飛騨川を見ながら、おでん、雑炊、缶詰などを食べ、いつものようにパーコレーターでコーヒーを沸かした。車や川の音が下界から聞こえてきた。時折、JRの列車がミニチュア模型のように通過していくのがおもしろい。
昼食の後、すぐ先の鯨岩へ。鯨岩に登ってみると、先ほどの展望地と同じような景色が見えた。鯨岩を後に、登ってきた道を下り、稜線合流点を直進して15番鉄塔に行ってみたが、鉄塔下からの展望は無かった。すぐに引き返して人工林の中を林道まで戻る。林道から15番鉄塔が間近に見えるが、登山道は谷の源流部を巻くように大回りしている。16番鉄塔への梯子を右に見ながら、駐車地点まで戻った。
萱原は三角点の点名であり、展望もない山である。今回、誰にも出会わなかったが、登る人は少ないようだ。鉄塔巡視路は途中までであり、尾根を歩けば道を誤るようなことはないが、巻道などがあり慎重なルートファインディングが必要となる。また、帰路、違う尾根に迷い込みやすい。事前に十分に下調べをしておくとよい。
萱原からさらに足を伸ばして稜線を周回してみたいものである。
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