見当山の展望と地図を見る
見当山 (1352m 郡上市(飛騨市)) 2006.5.21 晴れ 3人

郡上高原ホテル駐車場(9:02)→ゲレンデ上部(9:12-9:19)→四等三角点(9:27)→アンテナ・P5(9:35)→ピーク・林道への分岐・P9(10:00-1014)→P14(10:40)→P16・17・18(10:54-10:59)→見当山山頂(11:11-12:45)→P16・P17・P18(12:55)→林道合流(13:31)→車道合流(13:41)→ゴルフ場駐車場(13:41)→ホテル駐車場(13:56)

 休日の天気を見ながら、直前に山を決めるのが最近の常。決める山は気分次第。思いつきで決めている。この休みは天気がよさそうなので、まだ登っていない鷲ヶ岳に行くことにした。前日の夜に、荷物をパッキングし、地図を準備。ネットで鷲ヶ岳の情報を調べてみると、白影さんの最新の情報では山頂近くまで林道が完成し、遊歩道を歩いて短時間で山頂まで登れるらしい。

 これではちょっと面白味がないので、前日の夜中に行き先を変更し、GPSの地図を入れ替えなくても済む見当山に登ることとした。つい先ほど一緒に登ることにしたBOGGYさんに、行き先変更メール。全く無計画な山行である。

 見当山は鷲ヶ岳の北にある標高1300mほどの山であるが、登山口の標高が1000mほどあり、標高差は僅か。山頂は飛騨市にある。オリエンテーリングのコースが整備されていることから、ネット情報ではいくつかの登山レポートがある。ガイドブックにも紹介されており、デイリー郡上カントリー倶楽部のゴルフ場奥から登るのが最短距離である。

 オリエンテーリングの出発点は、ゴルフ場の手前にある郡上高原スキー場。ゲレンデ下には郡上高原ホテルがある。ホテルをスタートして見当山山頂手前からゴルフ場に下りる周遊コースとなっている。今回は郡上高原ホテルを起点に周遊することとした。登山口がホテルであることから車でのアプローチは実に簡単。

 東海北陸自動車道を高鷲ICで下りて、「やまびこロード」に入る。ICの料金所を出ると路面に「やまびこロード」と書いてあるので、それに従う。後は、鷲ヶ岳やホワイトピアたかすスキー場に入り込まないように、「BOKKAの里」の看板を追う。ひるがの大根の種まきが始まろうとしている広大な台地を突っ切る頃、左手に真っ白な山並みが現れた。「白山だ!」 路肩に車を停めて写真撮影。この白い稜線は、この後、何度も我々を感動の世界に導いてくれることとなる。

 チューリップの美しい花壇を垣根の間から見ながら、「BOKKAの里」へ右折して、左手に温泉施設、ふれあい農園を見ながら車を走らせる。前方にはなだらかな低山が望めた。これが見当山である。ふれあい農園を通過し、突き当たりをゴルフ場方向に左折。田園から樹林帯へ入って、南の別荘群の中を上がれば、郡上高原ホテルである。

 今回は周遊する予定であり、下山地点を確認しておくためにホテルをやり過ごし、ゴルフ場の駐車場を通過して、その先のカーブ直後の右山から降りてくる舗装道路を確認。赤テープが付けられていた。ここから登る場合は、さらに50mほど進んだ待避所に車を駐車できるが、ゴミ捨て場のようで、生ゴミの腐敗臭がひどく、とても駐車できる状態ではなかった。ホテルからこの登山口までは歩いて15分ほどであり、車道歩きも苦にならない距離であることを確認。Uターンして、ホテルへ。

 ホテル下の別荘群の中にある公衆トイレを借りて、ホテルの駐車場へ。ちょうど宿泊客を送り出したホテルマンの方がみえたので駐車をお願いし、入口付近に駐車することで了解を得た。見当山への登山口がゲレンデの上にあることも確認。

 身支度してスタート。コースは至って簡単。ゲレンデから尾根に取り付き、稜線を時計と反対周りに歩けば見当山に着く。きれいなホテルの南側には小さな緑のゲレンデが広がり、その左端を歩く。針葉樹の下には花を咲かせる前のチゴユリが群落をつくっている。食べ頃のワラビを足下に、一気にゲレンデ上部へ。

 リフト降り場で振り返って声が出る。ひるがの高原の向こうに僅かに雪を残した大日ヶ岳、そして真っ白な白山、別山がまぶしい。荒島岳も見える。遮る物は何もない。しばらく絶景を眺め、シャッターを切った。今回は、最近入手したLXの試し撮りを兼ねた山歩き。ペンタックスファンとして憧れの機種である。白銀の峰を前に軽快なシャッター音。久しぶりの銀塩一眼の手応え。

 さて、登山口はどこだろう。左には道がないようなので、右に行くと尾根に上がる山道があった。ゲレンデ脇を下から上ってきている。この道を登ってこればよかった。杉林に入ってすぐに「郡上高原ハイキングコースP3」の表示。このコースはオリエンテーリングのコースとなっており、この先、このポイント番号をたどればよい。

 左に人工林、右に天然林。この境を1本の電線に沿って歩く。人工林には雪で折れた木が見られた。芽吹いたばかりのコシアブラがたくさんあり、また食べ頃のネマガリタケが登山道にたくさん顔を出している。四等三角点を通過し、S字を描きながら左方向へ。チゴユリの花は始まったばかり。

 P4を通過して一登りでP5のアンテナへ。紫色のスミレがたくさん咲いてきれいだ。このすぐ先からミズナラの天然林となる。芽が吹き始めたばかりのさわやかな雑木林。時折吹き抜ける心地よい風の中、木漏れ日の落ちる柔らかい地面を踏みながら、全身で郡上高原の遅い春を感じて歩く。

 P6を通過し緩やかな上り下りの尾根歩き。後方の樹間からは、白山が白い。前方には萌葱色の山が美しい。地面に昨年のホウの枯れ葉をみて、顔を上げるとホウは、枝の先に尖りの芽を出したところ。ササと杉林の中、朽ちかけた丸木階段を上り再び天然林に入ると「C」の表示。ここで道は二手に。右は行き止まりのようなので、左へ行く。

 キツツキが木を突く音を聞きながら、散り始めたムシカリの花びらを踏んで、一部ヒノキが植えられた尾根を歩く。クロモジの花がささやかに道を飾る。P8を通過し、緩やかな上下が続く。ツクバネソウ、ユキザサ、チゴユリがたくさんある。どれも花はこれから。二週間もすれば賑やかな道になるに違いない。いつのまにか、周囲の木々はすっかりブナに変わっていた。

 歩き始めて一時間。ピークに登り詰めて休憩。P9地点である。かわいい白いスミレがたくさん咲いている。フモトスミレであろうか。ピークより尾根方向への道はロープが張られていた。左へはしっかりした道が下っている。GPSで確認すると、尾根伝いに歩くのが正しいルートに思えたが、ロープで止められていることから、左へ下って尾根に登り返すのだろうと思った。左の坂に向けて出発しようとしたところ、坂の下から腰に魚籠を下げた山菜採りのご夫妻が登ってみえた。地元の方だったので、道を尋ねると、見当山へは遠回りになるが尾根伝いで行けるとのこと。左に下ればすぐに林道に出て、谷から登り返せば山頂までは最短距離らしい。

 ロープを無視して尾根伝いに歩くこととする。ここからがこの山のハイライト、いくつものピーク越えが続く。一旦下って登り返し、次のピークがP10。ここから少し下ったところにダケカンバであろうか。枝を大空に広げている白い大木が左に見られた。所々にムシカリの白い花を見ながら、次第に道は左へ向きを変えていく。樹間から右手目の前に巨大な鷲の頭が見え、ぐんぐん後方に下がっていく。

 小ピークに出て、P11。左手に白山が見えるようになってきた。騒がしいほどの小鳥の鳴き声の中、ユキザサやネマガリタケの稜線歩きが続く。紅白のポールが立つP12のピークから下りにかかると前方に見当山と思われる山容が望めた。鞍部に下りると、左には真っ直ぐに伸びた白樺の林。そのすだれを通して白山・別山が青空に白い峰を描く。自然はなんとすばらしい芸術家であろうか。

 ブナの美しい小さなピークがP13。いつのまにか白山は前方に移動している。稜線がうねっていることが分かる。P14で左に分岐する道が現れたが、この道には入らず、「P15→」に従って尾根を直進。再びピークより下ると、ミヤマシキミの花が満開。時折現れる赤テープは、積雪期に人が入っている印であろうか。鞍部からP15へ登り返すところで、まさに頭を持ち上げようとしているギンリョウソウを見つけた。

 そろそろ山頂かと思いながら正面のピークを登るとP15。更に先にピークがある。ミズナラやブナの美しいやせ尾根を渡って、丸木階段のあるピークに取り付く。さすが、小さいピークとはいえ、これだけ連続すると、足取りも重くなる。息を切らしながら、ピークにたどり着くと、ここでも白山の歓迎を受ける。ここからの北側の見晴らしは、このコースでナンバー1の展望であろう。ピークにはP16・P17・P18の標識が置かれていた。北へ下る道があり、これがゴルフ場近くに出るルートのようだ。帰路はこの道を下ることにして山頂に向かう。

 ここから道が薄くなった。と、言うのも、オリエンテーリングのコースは山頂には行かず、P16・P17・P18のピークから先ほどの道を下っている。白山の大展望を楽しみながらササの道を下っていく。しだいにササが道を遮り、草丈は人の背丈よりも高い。それでも道ははっきりしており、誤るようなことはない。目の前のピークが山頂とばかり、がんばって登り切ると、なんとその先にまだピークがある。GPSで次が山頂と確認して、ヤブを分ける。

 長袖で登るべきだったかなと思いながら、ササの跳ね返りに注意して登り切ると、ようやく山頂。山頂の北側が開けておりここからも白山、別山、そして左へ三ノ峰、二ノ峰、一ノ峰が並ぶ。銚子ヶ峰方向は大日ヶ岳に隠されている。荒島岳、毘沙門岳、・・・ 白山の右には三方崩山も見える。あの山は登った、あの稜線はまだ歩いていないなど、山々を指さす。BOGGYさんは目の前に白山を見るのは初めてで、白山の話しは尽きない。ひるがのの台地には「BOKKAの里」と車で埋まった駐車場が見えた。

 こんなに展望がいい山だとは知らなかった。山頂北側にはミズナラであろうか、大きな大木が枝を広げ、1羽のキアゲハが二等三角点を守るかのようにアカタテハを追い立てている。山頂は切り払われているものの背丈の低い潅木が多く、訪れる人が少ないことが伺われた。もちろん、我々以外の登山者はいない。山名表示板が三角点の脇に落ちていた。展望のいいうちに表示板を持って白い峰をバックに記念写真を撮った。

 木陰にシートを敷いて、白山を眺めながらのランチ。BOGGYさんの山のランチの定番「海鮮チャーハン」が出てきた。これがほんとうに美味しい。伊吹山以来である。我々は、このメーニューに似合わない、ハタハタの干物とフカヒレ雑炊。雑炊にネマガリタケノコを入れた。話し声が聞こえて、ご夫妻と思われる二人が登ってみえた。登山者だとと思ったら、二人はザックを山頂に置いて、ササの薮の中に消えた。山菜採りの地元の方のようだ。

 コーヒーを終える頃、今度は単独女性が登ってみえた。今度は登山者。聞けば岐阜市の方でかなり山を歩かれている様子。「この山は誰も一緒に来てくれないので・・・」 分かるような気がした。こんなにいい山なのに・・・ 彼女はP9から左へ下ってしまったとのこと。我々も地元の方に教えてもらわなければ同じような状態になっていたかもしれない。

 木陰を譲って、下山開始。ササの中をP16・P17・P18のピークまで戻った。さて、ここからは登りに使った尾根道を外れて北への道を下る。急斜面を下り、なだらかな道へ。スミレを見ながらP19を通過し、スギ林を抜けて尾根を歩く。ピークから15分ほど下ったところで、開けたところがあり、左に鷲ヶ岳が手前の稜線の向こうにちょこんと頭だけを出しているのが面白い。後方には今登ってきた見当山が美しいパステルグリーンの山肌を見せる。太い幹のコシアブラが道の脇にあり、食べ頃の新芽がたくさん出ていた。ササの道からは前方に白山や大日ヶ岳が望めた。

 道はしだいに左に向きを変え正面に鷲ヶ岳を見ながら落ち葉の積もった急斜面の丸木階段を下る。左手には午前中に歩いた稜線が樹間に望めた。右手はヒノキ林。登りの時から気になっていたが、道の脇の所々に大きな穴がある。聞くところによるとイノシシを捉えるための穴の跡らしい。

 再び急斜面の丸木階段を下って、ヒノキの下草の無い人工林に入る。谷川の音が聞こえてきた。木製の小さな橋を渡って、未舗装の林道に出た。逆コースではここが登山口となる。確認はしていないが、この林道を奥まで入れば、P9のピーク直下まで行けるのではないかと思った。P9で出会った地元の方も、たぶんこの林道を通ったのであろう。

 ネコノメソウやキケマンの咲く林道を北へ下る。数分で四差路へ。左には赤い立派な橋、右手はゴルフ場で立ち入り禁止。右にはイノシシ除けの電気柵が張られていた。ここを直進し、すぐにゴルフ場奥の道に出た。朝、下山口を下見した場所である。ここまで生ゴミの臭いがした。ここを左折して、まだサクラの咲く車道を、ゴルフ場のグリーンを見ながら歩き、ホテルに戻った。

 見当山の標高差は300mほどではあるが、ホテルから山頂に至るコースはたくさんのピークを越えることから、登りで2時間ほどの山歩きが楽しめる。美しいブナの天然林や四季を彩る草花、秋には紅葉が期待できる。天気が良ければ白山方面の大展望が待っている。そして、本命は冬。積雪期のスノーシューハイクには最適のコース。この冬に挑戦してみたい。
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