金華山東坂コースの写真
金華山東坂コース (初日の出山行 帰路は東尾根コース) (328m 岐阜市) 2002.1.1 晴れのち曇り

達目洞寺院前(5:58)→岩戸分岐点(6:15)→金華山山頂(6:45-9:00)→東尾根経由→達目洞寺院前(10:00)

 元旦は一昨年から金華山で初日の出を見て、山頂で雑煮を食べることにしている。今年は、初日の出が期待できそうにないという天気予報。しかし、午前中の雨はなさそうなので、山頂で雑煮を食べる目的で、同じ町内のHさん親子と、Hさんの同僚である愛知県のNさんファミリーの総勢9人で登る。

 大晦日は、地元の神社で篝火を囲んで朝3時まで御神酒をいただいていたことから、その後1時間の睡眠をとっただけ。さすがに、眠い。

 金華山の東坂コースは通常は岩戸公園が起点になるが、元旦は駐車場が満杯になるため、達目洞から登るのがよい。達目洞の寺院近くの工事中の空き地に車を止める。この辺りは寺院の駐車場など私有地の場所が多いので、駐車には要注意。未舗装の林道を2〜300m乗り入れれば、4・5台の駐車可能な場所があるので、そこを利用してもよい。

 早速、ヘッドランプをつけ岩戸方面への林道を歩く。満月を3日ほど過ぎた月が西に輝いて、山道はいくぶん明るい。霧が深く、ライトに照らされた白い水蒸気の粒が流れる。15分ほどで岩戸公園からの道と合流し、右に折れて尾根歩きになる。岩戸からの登山者が多く、にぎやかになる。一昨日の雪が所々に残っている。

 空が明くなり始めた頃、このコースで最も展望のよい岩場に出る。ここで日の出を見る人も多い。日の出前、達目洞方面には雲海が広がり、尾崎三峰山などが雲海の中に頭を出している。後方には、宝石のように輝く岐阜市街が美しい。そして、前方の岩壁の上には、ライトアップされた岐阜城が浮き上がっている。今の時間にしか見られないすばらしい光景に満足し、先を急ぐ。

 急坂につけられたじぐざぐの道を登りつめると、コンクリート舗装の遊歩道に出る。すっかり明るくなった遊歩道を、ハイヒールにハンドバッグの初詣ロープーウェイ組に混じって歩く。眼下の岐阜市街はライトも消え、静かな元旦の朝を迎えている。北には真っ白な雲海に浮かぶ百々ヶ峰が見える。まるで巨大戦艦のようだ。人混みの中、銀マットにモチナ(コマツナ)の袋をぶら下げたザック姿はここでは似合わない。

 岐阜城周辺は大勢の人でいっぱい。東の空には白い雲があり、初日の出は期待できないと思われたが、7時過ぎ、雲の細い隙間がオレンジ色に輝いた。屋外放送で初日の出が出たことが告げられると、大きな歓声が上がった。とても日の出とは言えない状況であるが、見られないと思った日の出だけに、これだけでも感激である。今年、一年よい年でありますようにと、手を合わせた。

 山頂での大イベントが終わると、波が引くように人がいなくなった。今までの喧噪がうそのようである。さて、雑煮大会のスタート。資料館の東側の広場に移動する。驚いたことに、この広場は雪で真っ白。Hさんの大きなブルーシートやマットがあることから、ちょっと寒いが雪の上で決行することとした。冬の深山に来た気分で雪の上も楽しい。

 まずは、コッヘルで作った熱燗で乾杯。コンロ4台で思いっきりたくさんの雑煮を作って食べた。8時過ぎ、薄雲を通して、真っ白な太陽が現れた。これが今年の初日の出として、写真を撮る。資料館の軒下でビール片手に大いに盛り上がっている3人のおじさんが、近所の町内の方であることが分かり、意気投合。毎年、ここで初日の出を見ながら宴会をやるそうだ。来年はここで一緒にやりましょうと約束し別れた。無事、下山できたのであろうかと心配になったが・・・。

 帰路は、瞑想の小道に入り、すぐに標識に従って左に折れ東尾根へ下った。路肩には雪が残っており、ヒトツバの群落がたくさんある。途中2,3カ所の岩場から北〜東を望むことができる。眼下の長良川や舟伏山、雲海の消えた百々ヶ峰がすばらしい。このコースの魅力はここでの景色が最高の売り物である。

 2カ所ほど丸木の階段を下り、3つほどのピークを越えると、達目洞に下る道が少しの間隔をおいて2つある。最初の道を下れば、やや戻るようにツブラジイの巨木の中を西に向かい、忍者コース入り口のすぐ東の交差点に出る。西に向かうと岩戸につながっている。そのまま南に進めば、登ってきた林道に出る。もう1つのコースも竹藪を抜けて、同じ林道の入り口近くに出る。この辺りはいくつかの道が巡らされているが、下へ下へと向かえば達目洞集落に着くので、迷うようなことはない。山頂から1時間で駐車地点に着いた。

 Nさんは、キャンプなどアウトドア派であるが、山歩きは初めてとのこと。15分程で登れる山だと思って見えたようだ。また、みんなで登りましょうと、達目洞を後にした。
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