北山〜権現山
北山〜権現山 (308m、317m 岐阜市) 2002.10.20 曇り 2人

東部クリーンセンター南老洞峠への分岐点(10:20)→老洞峠(10:30)→北山山頂(10:53-11:06)→権現山山頂(11:12)→北山山頂(11:18)→老洞峠(11:45)→東部クリーンセンター南(11:56)

 今年7月に岐阜市と各務原市の境にある山火事後の権現山に登ったが、今回は権現山のすぐ西にある北山に老洞峠から登った。

 老洞峠は国道156号線を東進し、芥見辺りから岐阜市の東部クリーンセンター(リサイクルセンター)の案内に従って右折し、途中、トンネルを抜けて、広い道路を東部クリーンセンターに向かう。東部クリーンセンター建物手前から粗大ゴミ搬入路の案内に従って右折し、左に回り込んで建物南の山沿いの道を東進したところに老洞峠への登り口がある。山火事後、老洞峠は土砂崩れの危険性があるため通行止めになっている。車止めの前に駐車して、峠までの10分程の距離を歩くこととした。

 山火事の跡は、クリーンセンター脇まで迫っているのに驚いた。老洞峠までの道が谷を巻いて大きくS字カーブになっている。舗装道路に落ちているドングリをパチパチと踏み、ミズヒキやヨメナの花を見ながら峠まで歩く。赤い斑紋の大きなジョロウグモが秋の深まりを教えてくれる。東には、これから登る北山の丸い山頂と急峻な北斜面が見える。

 峠には東海自然歩道の標識があり、その脇に北側の権現山に登る道がある。今回は南の北山に向かう。このコースはガイドブックによると道はなくヤブこぎを強いられる。まずは、切り割りの崖を登らなければならない。昨日の雨で濡れていて、何かに頼らないと登れない。細木を紐でくくりつけた支えが作ってあったので、これをつかんで登る。

 いくつかの赤いテープ頼りにすぐ左の尾根に上がり、倒木をまたいで山頂をめざす。ササクサの種がズボンにびっしり着く。薄いが踏み跡はあり、人の入っていることが分かる。この辺りも山火事で立木は黒こげになっている。

 すぐに急登が始まる。左側に大きな窪地があり、その縁を直登する。とにかく急坂である。ストックを持ってこなかったことに後悔。枯れ木を杖に焼けた木をひっつかんで手を真っ黒にして登る。登るに従って、後方には権現山が立ち上がってくる。火事で木の葉がなく、見通しはいい。見上げれば山頂まで急登が続いている。

 息を切らして、1歩1歩足を踏み出す。赤土で滑りやすいところや、石ころが多く落石しやすいところがあるので慎重に登った。季節はずれのスミレを2株ほど見かけた。火事に耐え、生き残っている姿に感動。また、松ぼっくりから芽が出て松の幼木が育ち始めている。山頂に近づくと、タフロープで数メートル四方を囲んだところがある。山火事後の植生調査をしているのであろうか。

 後方の権現山と同じくらいの高さになり、緩やかな斜面になると、そこは山頂。焼けた木に権現山や老洞峠を示す黄色い小さなプレートが付けられていた。用意してきた山名表示板を焼けた松の木にくくりつけた。東の鳥居がある権現山までどれくらいかかるか歩いてみることにした。展望のよい尾根を歩く。北側には、老洞峠への道が見下ろせる。その向こうにもう1つの権現山。その右には天王山と誕生山が望める。南には曇りではあるが、広大な濃尾平野や養老山を望むことができた。

 数分で権現山へ。ここでモーニングコーヒーを予定していたが、昼近くになっていたので、そのまま引き返した。北山からの下りは急峻で滑りやすく、登りよりも慎重に下った。下まで見通せるだけあってスリルがある。20分足らずで、峠に着いたが、手や帽子は炭で黒くなり、おまけにズボンはササクサやヌスビトハギがいっぱい。それを取りながら峠を下った。

 1時間半という短時間の山歩きではあったが、急坂を一気に登るこのコースは、登ったという実感が残る。次は、老洞峠から北の権現山を登ることにしよう。
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