トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平21業使、第478号) *赤点線は推定トレース
古城山 (437m 美濃市) 2010.10.3 曇り 晴れ
美濃市運動公園駐車場(12:31)→北登山口(12:34)→林道横断(12:42)→分岐点(北)(12:44)→展望台(北)(12:54)→古城山山頂(13:15-14:00)→展望台(南)(14:24)→分岐点(南)(14:32)→東屋(14:34)→分岐点(北)(14:38)→<引き返す>→分岐点(南)(14:48)→林道横断(14:59)→毛鹿洞池(15:06)→運動公園駐車場(15:13)
雨の予報が遅れて降り始めは夕方になったことから、近場の山に登ることにした。美濃市の古城山は、山歩きを始めた1999年2月に登っているが、今、記憶に残っていることは山頂の東屋と切り開きから見た美濃市街や誕生山、そして丸木階段の遊歩道を歩いたこと。微かな記憶を蘇らせるために、11年ぶりに古城山に向った。
長良川右岸堤防を走って、美濃市に入る。堤防道路からは古城山の特徴ある丸い山容がよく見える。右に見える小さな小倉山を過ぎたところで、新美濃橋を渡って国道の信号交差点を直進し、短いトンネルを抜けたところで左折。脇道へ入らずに坂を上がっていくと広々とした美濃市運動公園に着く。右にグランドを見ながら、前方の高台に見えるコンクリート造りの体育館に向って走ると、体育館の手前に広い駐車場があった。ここに車を停めた。
時間は正午。山頂でパンとコーヒーの昼食をとることにして、身支度をした。出発しようとして、コップを持ってくるのを忘れたことに気付く。コップがないとコーヒーが飲めないので、トンネル近くにあるコンビニまで戻って紙コップを調達して再出発。古城山の登山コースは周回できるように遊歩道が整備されている。さらに山腹には周回コースを結ぶ遊歩道や林道もあり、やや複雑である。今回も、下山時に道を誤ることになる。
時計回りに歩くこととして、駐車場から体育館の前を通って北登山口へ向かう。正面には尖った小山の向こうに古城山の丸い稜線が見える。この時には気付かなかったが、山頂の小さな切り開きが確認できる。運動公園は標高100m以上のところにあることから、山頂までの標高差は300mほどであるが、金華山よりもかなり低く思えた。
古城山遊歩道の標示を見て桜並木を右に下り、道が折り返すところにある「頂上まで1700m」のプレートに従って地道に入る。汚れた案内図があり、周回コースが描かれているが、他にも道がありコースは絵のように単純ではない。先に進むとすぐに再び大きな案内図が現れる。この案内図はかなり忠実にコースの全体が描かれており、ここでよく見ておけばよかったのだが・・・。
左の谷に堰堤を見ながら丸木階段を登る。谷沿いであり、周囲の岩は苔むしている。小さな谷を渡り草付きの丸木階段を登っていくとすぐに舗装された林道を横断する。山頂まで1400mの標示。この先、随所にこの立派な案内標示が設置されている。山火事注意の横断幕があるコンクリートの堰堤へ丸木梯子で上がり、2分ほど登ると遊歩道の分岐点に出た。直進すると山頂まで1.3km。右へは山頂まで1.7kmとある。下山時、再びここに来るとは思いもせず、交差点を直進。
木々に付けられたネームプレートを見ながら折り返して左方向に登っていく。人工林はよく手入れされており、下草も多く、特にウラジロの群落はすばらしい。遊歩道はよく整備されており、防火用水タンクやバケツも設置してある。一旦右方向に回り込んで丸木階段を登って行くと展望台があった。板張りの展望台からは誕生山とその稜線の向こうに天王山の山頂が僅かに望める。長良川や美濃市の市街地、そして眼下には運動公園の体育館やグランドがあり、駐車場に停めた車が小さく見えた。曇り空ではあるがまずまずの展望である。
下ってくる単独男性に挨拶をして0.8km先の山頂を目指す。右手に巨大な古城山が迫ってきた。かなりの急斜面を登らなければならないような気がしたが、実際には急斜面を折り返しながら登ることから、それほど急なところはない。丸木階段を下って、大岩のある鞍部を通過。ウラジロのある人工林を登って山頂まで500m地点を通過。時折地面に小さなクリのイガが落ちており、見上げるとクリの木が立ち上がっている。折り返して200m地点を通過し、時計回りに登っていくと天然林のなだらかな道となる。ホオの枯葉が落ちている。また、落下したヒノキの球果もたくさん見られた。背の高い樹木の稜線を歩いて広い山頂に到着。
広い山頂には記憶にある東屋はあったが、11年前よりもかなり木が切られて明るい山頂になっていた。また銀色の高い避雷針が立っていた。僅かな切り開きが南側にもできている。西側の切り開きはこの程度だっただろうか。先ほどの展望台よりも狭い視野ではあるが、標高を稼いでいることから天王山もかなり見える。遠くには百々ヶ峰や金華山もかすかに見えた。展望できる山々が刻まれた金属板も新しく設置されている。
広い山頂には本丸の標示があり、城があったことが分かる。城の解説看板もある。たくさんの痩せたキンミズヒキが小さな花を咲かせており、またコナスビの花も見ることができた。東屋には壊れた箱に記帳ノートが詰め込まれてベンチに置いてあった。避雷針の土台のコンクリートに座ってコーヒーを沸かし、パンを食べて遅い昼食を終えた。昼食中に単独女性が南から登ってきて、そのまま北へ。いつも登っている地元の方のようだ。
山頂を後に、下山は南尾根を下って南登山口に向う。明るい尾根を下るとすぐに「三の曲輪」を通過。そしてすぐに石垣が見られる。明るい尾根が続き、気持ちよく下っていく。左側の開けたところから南側の展望が得られた。ちょうど松鞍山の丸い山頂が手前の稜線の向こうに頭を出しており面白い。所々に岩の展望地が左右にあり、岩の上に立って展望を楽しむ。大きな岩が左に現れ、岩の上に松の木が生えている。これが「不動の岩」と呼ばれる大岩のようだ。
小さなアップダウンを繰り返して稜線を歩くと、右側に北西の展望が得られる場所があり、矢坪ヶ岳、今淵ヶ岳、瓢ヶ岳などの山群が灰色の雲の下で重なり合っている。さらに下ると左側から東海北陸自動車道を見下ろせる場所もある。ここで、GPSの電池が切れていることに気が付いて、トレースを確認すると、出発してすぐに電池が切れたようだ。電池を入れ替えて、丸木階段を下る。正面には対面する山にある鉄塔が見える。鉄塔下が伐採されており、鉄塔下からの展望も良さそうだ。その先で東屋が現れ、ここでも南東の山々や自動車道が望めた。
山頂まで0.9km標示を通過。右方向に向きを変えて下る。ヒカゲツツジの木も見られる。山頂まで1km地点を通過して人工林に入る。この辺りから再びウラジロの群落が林床を覆って美しいウェーブをつくっている。遊歩道に覆いかぶさるよう様子はまるで大波を思わせる。
東屋から8分ほど歩いたところで、左手下方の人工林の中に遊歩道が見えた。林の中にショートカットしできる薄い踏み跡があった。このすぐ先に山頂まで1.3kmの標示があり、先ほど下方に見えた遊歩道が左へ折り返すように下っていたが、直進の道もある。左への案内板が何もないことから、運動公園まで0.8kmの標示に従って直進する。先ほどショートカットしなくてよかったと思った・・・が・・・。
石垣の堰堤でせき止められた透明度の高い水溜りには錦鯉の幼魚が泳いでおり、人の気配を感じて浮かび上がってきた。人に慣れた鯉のようだ。枯れたホオ葉を踏みながらゆるやかに下る。この辺りの人工林もよく間伐されており、間伐された木は短く切られて、林内に放置されている。赤い屋根の東屋を通過。再び堰堤の水溜りが現れ、ここにも鯉が見られた。
さらに歩くと、分岐点。山頂まで1.3kmの標示板を見て驚いた。ここは登りのときに通過した分岐点である。どうやら先ほどの山頂まで1.3km地点の分岐点から下るのが南口への道のようだ。分岐点まで戻っても10分ほどなので、ためらいなく引き返すことに。下ってきた道を分岐点まで歩いて、GPSと地図で南口への分岐であることを確認。それにしても何故この分岐点に南口への案内が設置してないのだろうか。周回は左回りが想定されており、ここを下る人は想定外のようだ。
分岐点を下る。治山事業の木柱を見ながら歩くと、16番の防火用水タンクがあり、右へ直角に向きを変えるところに標示があった。運動公園まで0.7km。なお、ここには左へも道があったが赤テープが張られて通行止めになっており、「岩石地等の危険な箇所へは立ち入らないで下さい」との立て札があった。入口にあった案内図によるとこの先に岩窟があるようだが、危険なため進入できないようになっているらしい。左の谷に沿って人工林の中の丸木階段を下る。下りきって谷を渡り、右に移った谷川の流れの音を聞きながら歩く。谷で初めて見る花を見つけた。後で調べてみるとミカン科のマツカゼソウだった。
この先ですぐに林道に合流。左に鉄塔巡視路の黄色い標示があり、稜線から見えた鉄塔への道のようだ。南登山口への道は鉄塔巡視路の反対側から山道に入る。小さな橋を渡って左に谷川を見ながら広い道を歩くとすぐに北口と同じ大きな案内板が現れ、その先にある毛鹿洞池の縁を歩く。紅葉の時期には美しい錦の水面になるであろう。池を通り過ぎると駐車場があり、その横にある斜面の階段を登るとグランドのフェンスに突き当たった。グランドの縁を歩いて駐車場へ。灰色の空をバックに歩いてきた古城山のゆるい曲線を見上げて、今日の短い山旅を終えた。
古城山は丸木階段の遊歩道や東屋が整備されており、また展望地も多い。まさに美濃市の市民の山である。人工林が多いがよく手入れされており、またウラジロの群落はこの山の名物。四季を通じて登りたい低山である。
★古城山からの展望
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