高賀山 (1224m 洞戸村) 2002.2.10 晴れ後曇り 2名
駐車場(9:40)→林道交差(東屋)(9:58)→不動岩屋(10:35)→御坂峠(11:10)→高賀山山頂(11:35-12:45)→御坂峠(13:01)→不動岩屋(13:28)→林道交差(東屋)(13:52)→駐車場(14:05)
美濃の山々の中で最もシンボル的な山といえば高賀山であろう。岐阜市内をはじめ多くの山の頂上からピラミッド型の山容を望むことができる美濃のランドマーク。2000.5.3に新緑のこの山を歩いて以来、今回が2回目となる。厳冬期でも比較的雪が少ないことから、この時期でも登山者は多い。
国道256号線を北上し、板取村に入る手前から高賀神社の案内に従って右折。橋を渡り、高橋尚子選手が飲んで有名になった高賀神水無料給水所を右に見ながら、大鳥居をくぐり高賀神社正面まで車を進める。高賀神社のトイレに寄り、神社正面から左の細い舗装道路を登る。道幅は狭いが、雪がなければ乗用車での乗り入れは可能。
すぐに東屋のある大きな駐車場に着く。その先、林道はさらに続いており、前に来たときには、登山口のある林道終点まで車を乗り入れたが、未舗装の悪路でありRV以外は乗り入れない方がよい。現在は、1月の大雪で倒れた木が林道をふさいでおり、登山口までの乗り入れはできない。
駐車場には先着の車が数台あり、周りに雪はない。山頂までの標高差は800m近くある。雪道を歩くことになるので、スパッツを付けて登山口となる丸木階段の遊歩道に入る。大雪で数本のスギの木が倒れ道をふさいでいた。道沿いの木は寄りかかるものがないので倒れやすいようだ。
15分ほどで林道に出る。東屋と登山ルートの大きな看板がある。ここから本格的な登山道になる。人工林の中を歩き、すぐに谷にかかった木の橋を渡り、谷を左に石の階段を上る。しだいに雪の上を歩くようになる。やがて、人工林を抜け、明るい天然林の斜面になる。後方には美濃の山々が見え始める。再び谷を渡り返し、大きな岩が目につくようになると、不動岩屋に出る。2枚の大きな岩が重なって、その下には人が入れるほどの隙間がある。たくさんのつららが岩から下がっている。谷川が流れ、巨岩が散在する明るい広葉樹林のこの辺りは何時間いてもあきないすばらしい場所だと思う。特に春の芽吹きの時期はいい。
岩屋から上はざらめ状態の雪道になる。駐車場に雪がなかったので、うっかりアイゼンを車に置いてきてしまった。しかし、先に多くの人が歩いていることから、足跡を踏んで行けば滑ることはない。急登は容赦なく続き、息が切れる。広葉樹の倒木が多く、道を遮っている。再び針葉樹の人工林が現れると御坂峠は間近である。アイスバーン状態の雪の階段を登り、右にトラバースして尾根に出る。御坂峠である。
北の展望が開け、疲れが吹き飛ぶ。峠のすぐ北には大きな林道があり、本来ならがっかりするところであるが、今日は雪に覆われて林道はわからない。右に進めば稚児神社がある。そこへの足跡は1人程度であり、今回は稚児神社へ立ち寄るのはやめて、山頂を目指してピラッミドの稜線を左に進む。
尾根の雪はざらめ状から一変して砂糖状態で気持ちがいい。登山者が多く歩いていることから足が沈むことはない。右後方には雲に頭を隠した御嶽山の大きな山麓が見える。左には濃尾平野の低山が見える。山頂に近いつづら折れ辺りから後方を見れば、高賀三山の瓢ヶ岳と今淵ヶ岳が大きい。どっしりした瓢ヶ岳の光景は圧巻。雪のある時期に制覇しておきたい1山である。
峠から30分弱で山頂到着。ピラミッドの頂点だけにそれほど広くはない山頂である。一等三角点は雪に埋まっている。真っ白な山頂では数人が昼食中。北西にはモノクロの山々が連なり、蕪山が間近に見える。冬ならではの美しい光景である。南には、百々ヶ峰の間から小さく金華山が頭を出し、その向こうに蛇行する木曽川が輝く。その西には揖斐川も見える。濃尾平野からこの山が望める訳である。
山頂は思ったより風がなく、蕪山を背に雪の上にマットを広げて、卵入り雑炊とワンタンメンのホットな昼食を楽しむ。雪で冷やした飛び切り冷たいビールが最高。他のパーティーは早々と昼食をすませて下山。我々だけが取り残された。山頂二人占め。食後の熱いコーヒーを楽しんでいるとワタムシのようにヒラヒラと小雪が舞ってきた。振り向けば、蕪山は雪雲に埋もれている。今日の夜、この山頂にも再び新雪が積もるだろう。
写真を撮って、下山。帰途、御坂峠から岩屋まではアイゼン無しで下りれるだろうかと心配したが、かなり雪がゆるんでおり2、3度すべった程度で下山できた。駐車場に着く頃、また雪が舞い始めた。神が宿るセピア色の山は雪に霞み、神秘な表情で我々を見送ってくれた。
五平餅目当てに高賀神社前の売店に寄った。サービスでいただいた白菜の漬け物がおいしかった。ここの「キウイシャーベット」や「いもだんご」もおすすめの1品である。途中、給水所で高賀神水を汲もうと思ったが、ものすごい人で水が汲めるような状況ではない。水はあきらめ洞戸村特産のキウイフルーツを買って帰った。これが結構うまい。行きに買って山頂で食べればもっとうまかったに違いない。
御坂峠の尾根までは山腹の急坂を直登するコースできついところもあるが、周りの自然がすばらしく疲れが癒される。尾根歩きは快適そのもの。この山は登山者が多く、初心者でも安心して登れる。これまたお気に入りの一山である。
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