国見岳の写真
国見岳(1126m)〜御座峰(1069m) 【春日村】 2002.5.6 晴れ 4名

国見峠(9:07)→第二電電リレーステーション(9:55-10:07)→国見岳(10:15-10:27)→大禿山(10:55-11:04)→御座峰(11:29-13:03)→大禿山(13:26)→国見岳(14:04)→国見峠(14:40)

 前から伊吹北尾根を歩きたいと思いながら、なかなか実現しなかった。花の時期でもあり、連休最後の休日に、まずは北半分を歩くこととする。天気もいい。起点となる国見峠をめざし、春日村の狭い道路を西進する。前方に、大きなアンテナがある国見岳と、その左に大禿山がよく見える。これから、あの尾根を歩くことになる。

 国見岳の標識に従って左折し、国見岳スキー場を右に見て、国見峠への坂を登る。(トイレはスキー場前にある。) 教如上人の岩屋への登山口を左に、ゲレンデを右に見ながら、国見峠までさほど時間はかからない。

 峠手前の広くなった路肩に駐車する。すでに数台の車が止まっており、ほとんどが山菜採りの車であった。身支度をしていると、声をかけられた。なんと、昨年の5月に一緒に池田山に登った、先輩のEさんとKさんである。2人は虎子山に登る予定でここに来たとのこと。ほぼ同時刻に峠に到着しなければ、それぞれ北と南に登り会えなかったと思うと、まさに偶然の巡り合わせである。私たちは御座峰まで行くと言うと、2人は行き先を変更し、私たちと一緒に行くこととなった。昨年、国見岳まで登られたKさんには申し訳ないことをしました。

 峠には石碑などがあり、南にお釜をふせたような伊吹山が大きく望める。北へ行けば虎子山、国見岳は南へ登る。植林の道はすぐに東向きになり、しばらくして、教如上人の岩屋へのルートとの分岐を通過する。道は、再び南向きになり、第二電電のリレーステーションのアンテナへ続く鉄階段を左に見ながら、かなりの急坂を登る。ヤマエンゴサクやネコノメソウが美しい。

 傾斜はさらに増し、ほとんど崖に近いところを登る。ゼブラロープにつかまって、崖を登り切ると、第二電電の巨大なリレーステーションに着く。北側が開け、西に虎子山、東に槍ヶ先、鍋倉山、北に貝月山、奥へ小津権現山、花房山、能郷白山、そして真っ白な白山が見事である。左門岳同様、ここでも無数の小さなハエがまとわりつく。防虫スプレーを帽子や手に振りまいてみるが、あまり効果がない。

 機械音のする巨大な建物の南に回り込み、ニリンソウの大群落の中を抜け、少し登れば直ぐに国見岳山頂である。北・東・南が大展望である。美濃の山で見えない山はないと言っても過言ではないくらい山々が連なる。先ほど車で上がってきた春日村の集落が箱庭のように見える。南には、これから歩く大禿山、御座峰、そしてその先にはドライブウエイのある伊吹山が大きい。ドライブコースを登る車がきらきら輝いている。

 国見岳からは尾根を西に回り込んで下る。イチリンソウやスミレ、エンレイソウ、ツクバネソウが見られる。アブラナ科の白い花はイブキハタザオであろうか。ヒトリシズカもたくさん咲いている。ひっそりとクリーム色の花を咲かせているヤマシャクヤクを見つけた。これぞまさに「1人静か」だ。伊吹山同様、この尾根も石灰岩地帯にあり、多くの山野草が自生している。御嶽山と並び、古来から薬草の宝庫として有名な地域である。

 西には樹間から琵琶湖が見える。下りきった鞍部からの展望もすばらしい。鞍部から登り返せば、国見岳から30分足らずで大禿山である。大禿山山頂は山頂らしくない尾根であるが、そこからの展望は言うこと無し。東側は切り立った垂直の崖。目の前には池田山の緑が美しい。単独行の女性から、御座峰まではすぐであることを聞いた。

 大禿山からの下りは一気に降下する。泥で滑りやすい。帰路、ここを登るのかと思うと・・・。鞍部からは東西の大展望。かなりくたびれているカタクリの花がいくつか見られた。今日の終点である御座峰をめざし、再び登り返す。

 御座峰山頂はササや低木に囲まれ展望はない。ここまであまり登山者に会わなかったことから、人気はあまりないのかと思っていたところ、大人数のパーティーが次々に到着。山頂で食事をする人、通過する人と、とにかくにぎわしい。聞けば、伊吹山ドライブコースでバスを降りて北尾根を歩き、国見峠にバスが迎えにくるというバスツアーのようだ。本格的な登山姿の中高年から運動靴でハイキング姿の若い女性などさまざまである。

 御座峰で昼食にする。みんなで持ってきた食料を分けてゆっくりと昼食を楽しんだ。御座峰山頂にはこの北尾根に道をつけた大垣山岳協会の功績が書かれたプレートが設置してある。次は、笹又を起点に、北尾根南半分を歩いて、この山頂に来ることにしよう。昼食の後、記念写真を撮って、今来た道を引き返した。1時間半ほどで峠に着いた。

 スキー場手前の教如上人岩屋への登山口の水場で喉を潤し、春日村のモリモリ村リフレッシュ館に立ち寄った。思ったより混んでいなかったので薬草風呂につかり、汗を流した。薬草の香りで疲れがよくとれるような気がする。入浴料400円は値打ちである。

 Eさん、Kさんとは2度目の山行となったが、次回は小島山や槍ヶ先などこの辺りの山を一緒に登りましょうと、別れた。

 国見峠まで車で上ると、国見岳まで1時間の登りであり、後は適度な登りと下りを繰り返す縦走となる。山に登ったという達成感は今1つないが、随所からの大展望と花の多さは他の山ではなかなか体験できない。今回は、花を見ながらゆっくり歩いたが、がんばれば燕平往復も不可能ではない。体力に合わせて歩けることも魅力である。
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