三国岳 (894m 上石津町) 2003.12.14 曇り 12人
時山の白い橋西側の駐車地点(9:40)→わさび田(10:17)→三国岳まで90分標識(10:42)→ダイラ(10:44-10:54)→大君ヶ畑分岐(11:11)→三国岳山頂三角点(11:43-11:47)→最高点(11:54-11:59)→三国岳山頂三角点・昼食(12:05-14:08)→ダイラ(14:44-14:59)→駐車地点(15:36)
参加者:takaさん、sizukaさん、kuさん、ネジさん、ケンケンさん、カジさん、blueskyさん、sakurasouさん、チャコさん、YUKIさん、RAKU T&N
takaさんのHP「2001山遊びの会」では毎月公開登山が計画され、ネットを通じて集まった皆さんによる楽しいレポートが掲載されている。我々も今年の鳩吹山新年会登山に初参加し、これをきっかけに仲間の輪が広がった。今でも「クーの山小屋」オフ登山には「山遊びの会」の常連さんと一緒に出かけることもしばしば。1月の鳩吹山ではtakaさんが急遽欠席となったことから、今年中にどうしてもお会いしたいと思い、忘年会登山に参加した。
会の忘年会スタイルは、前日にコテージなどを利用して宿泊付き室内忘年会を行い、翌日に山の上で忘年宴会を行うというユニークな企画が恒例となっている。今回は、山頂での忘年会に参加することとした。選ばれた山はtakaさんの地元の山である上石津町の三国岳。三国岳は前から登りたいと思っていた山である。名前のとおり、岐阜県・滋賀県・三重県の3つの国の境界点にある。
前日に上石津町の昭和音楽村で忘年会が行われていたため、登山参加者の集合は9時に音楽村。国道21号線を西進すると池田山が白い。この様子では三国岳にも雪があるに違いない。牧田川を渡り国道365号線を南下し、トンネルをくぐって上石津町役場前を通過。三国岳へは「時山」の表示に従って右に入るが、集合場所の水嶺湖畔にある音楽村を目指す。
駐車場で泊まり組のtakaさんやネジさんなど初対面の方と挨拶。takaさんは昨日の忘年会でカラオケのやりすぎで声がかすれていた。かなり盛り上がったようだ。当日組みのkuさん達と一緒にtakaさんの案内で登山口に移動。当初は鞍掛峠から登る計画であったが、峠への道路が閉鎖してあることから、登山口を時山に変更。三国岳への登山口は時山バンガロー村を過ぎてすぐの白い橋。橋を50mほど西進したところの川側に数台駐車できるスペースがあり、ここに駐車した。
天気予報に反して時雨れ模様の冬型の天気。谷沿いに登ることから雨具のズボンにしたほうがいいとtakaさんからのアドバイス。身支度ができたところで歩き始める。白い橋を渡ったところに三国岳登山口の表示と注意書きがある。道なりに左へ曲がりコンクリート舗装道路を正面にアンテナを見ながら歩き、突き当たりから右の山道に入る。この角に案内はなく、道なりに左に行ってしまわないように注意。右に曲がったところにはワサビのボックス栽培が行われており、少し先の右側には墓地がある。
このルートは阿蘇谷コースと言われ、この先、谷沿いに登ることになる。鉄板の橋を渡り谷川は左から右に移る。壁のない屋根だけの小屋が道脇に現れる。屋根の下は砂地で灰も見られた。ガイド本には作業小屋と書かれてあったが、takaさんによると、この建物は火葬場で「サンヤ」と言うそうだ。囲いがないだけにちょっと想像できないが、立ち入らないようにしたい場所である。
takaさんの説明を聞いた後、谷沿いに登る。夏にはヒルが多いと言われるだけある。谷沿いの北斜面でありヒルの好きそうな場所だ。丸太が3〜4本組まれた橋を渡る。雨の後であり、滑りやすい。平均台を渡るように、みんな慎重。スギ林もあるが、大部分が天然林の中。
鉄塔の黄色い標識があり測道もあるが、谷沿いの道を進む。谷を何度も渡り返す。幅が広く濡れた石が滑りやすいので注意。山作業の小屋の前を通り、苔むした岩の間を流れる清流を見ながら沢を登っていく。右の谷にワサビ田がある。ここから、崩壊しかかった急坂を登り詰めて一息。後方には、烏帽子岳に駆け上がる尾根がよく見える。
さらに谷は続き、岩をよじ登るようなところもあるが、特に問題はない。谷が狭くなり水が涸れる辺りから道は谷を外れて西に向きを変える。三国岳まで90分の標識がある。様相は一変し、疎林で落ち葉が敷き詰められた平らな場所に出る。ここはダイラと呼ばれている。ここで小休止。後方からの単独男性に出会った。
西と南に大きな山。三国岳は南側。西側の山を経て行く。ここから時計と反対回りに歩くことになる。ダイラの北側の斜面には炭焼き跡の石垣がいくつか見られた。古くから山と結びついた生活がここにあったことがよく分かる。それにしても気持ちのいい場所である。何時間いても飽きない場所だ。
キャンディーやチョコレートをいただき出発。今度は西から流れ落ちる谷に沿って大岩の脇を抜け、谷の右斜面に取り付く。ジグザグの斜面の細道をぐんぐん登っていく。息が切れる。takaさんやblueskyさん達の先頭グループが軽快に登っていく。斜面途中で振り向けば、葉を落とした木々の間から、烏帽子の形をした烏帽子岳の山頂が望める。三国岳も立ち上がってくる。
ジグザグ急登の跡、ダイラのような緩やかなセピア色の斜面を北方向に登り、南方向に折り返して尾根を目指す。一気に標高を稼いだ。烏帽子岳が美しい。目指す三国岳はまだ遠い。滋賀県境の尾根を歩き、滋賀県側から上ってきている人工林を右に見る頃、五僧峠の道と出会う。「五僧 」という割れた標識が落ちていた。木に付けられた小さなプレートによると、西へ下れば「大君ヶ畑」に出るようだ。間伐直後の人工林の中を一本の道が下っていた。
ここから、15分ほど歩いて、コンクリート柱のある尾根を通る。ここから、南の山が望める。雲に覆われてはいるが雪化粧をした御池岳や鈴ヶ岳が目の前に見える。ここは三国岳の肩。ここから山頂への最後の登りが始まる。雪も見られるようになった。風で木から雨のように水滴が降り注ぐ。急な岩尾根を潅木につかまって登る。地面には木々から落ちたと思われる鰹節を削ったような雪片が散らばって美しい。道脇には紅葉したイワウチワかイワカガミの葉がたくさん見られた。春には美しい花の道になるに違いない。
道の両脇から無数に立ち上がった葉のない潅木のトンネルを一直線に進む。地面は雪。前方はガスで霞んで幻想的だ。風が冷たい。先頭集団の「着いたよ」との声。いきなり山頂に出た。2時間ジャスト。山頂はかなり潅木が茂っているが、南側がやや開けており、鞍掛峠を隔てて御池岳や鈴ヶ岳が大きい。西の眼下には滋賀県の平野が望めた。早く流れる雪雲の隙間から差し込む光線がスポットライトのように鈴ヶ岳の上を撫でる。モノトーンの世界が美しい。
山頂には新しい標識と三角点。烏帽子岳同様、最高点はもう1つのピークにある。ここに荷物をデポして、空荷で最高点へ。潅木越しに三角形の大きなピークが見える。最高点までは雪道を一旦下って登り返す。多少潅木がうるさいが、道は明瞭。鞍掛峠への道でもある。最高点は遠くに見えるが10分かからない距離である。最高点にも標識があり、空き地になっているが、周囲は木々に囲まれて展望は今1つ。写真を撮って、引き返す。
三国岳山頂は狭く、これだけの人数での宴会となると、山頂の半分ほどを占領してしまった。今日は天気もよくないので、山頂で出会った登山者は単独男性が三人であったが、春や秋のシーズンには、山頂は人で埋め尽くされるに違いない。takaさんの音頭で乾杯し、宴会開始。宴会メニューはナベ。ケンケンさんのかついできた大鍋と小鍋の2台でスタート。sakurasouさん、blueskyさん、YUKIさんなどが持ってきたたくさんの食材で座るところもないほど。
さすが大鍋は、一台のストーブではなかなか沸騰せず、ネジさんの使い込んだガソリンストーブを追加。途中、コックから火を噴くというハプニングも。肉、魚、蟹などの入った普段でも食べられないような豪華なナベを思いっきりいただきました。YUKIさんのぜんざいも美味しいかった。今回、初対面の方も多いため、宴会中程で自己紹介。掲示板とのギャップが楽しい。
あまりにも多いナベは食べ切れそうもなく、鳩吹山新年会同様、山頂にやってくる登山者を宴会に巻き込んで、無理矢理食べていただいた。食べてもらった単独男性の2名の方には感謝。愛知県の男性から、「どういう会ですか?」と聞かれ、「ネットで出会った仲間です」と回答。今日、初対面の人がいるグループには見えなかったような、盛り上がり。
雨が降り出しそうな雲行きも、いつの間にか雲の隙間から陽が差し始め、青空が広がったのもblueskyさんのおかげ。いろいろな話題に花が咲き、2時間があっという間に過ぎた。宴会場を片づけて記念撮影。今度、来るときはすぐ目の前の烏帽子岳までの縦走をしてみたいと思った。
尾根は風があり寒いので、ジャケットを着て一気に下った。ダイラで休憩し、一時間半で駐車地点に戻った。乗り合わせてきたため、一旦、昭和音楽村まで戻る。水嶺湖から続く大きな水路にシカが落ちたらしく、消防車やパトカーがやって来て救出が始まろうとしていた。その後喫茶店で反省会をして忘年会登山は終了。「また会いましょう」と皆さんと別れた。今回、ご一緒いただきました皆さん、ありがとうございました。
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