母袋烏帽子岳 (1340m 大和町) 2001.11.24 快晴 2名
スキー場駐車場(9:19)→林道終点登山口(9:35)→小広場(9:50)→お助け水(9:55)→林道交差地点(10:01)→母袋烏帽子岳山頂(10:40-12:35)→スキー場駐車場(13:40)
郡上方面の山にまだ登っていないことから、今回は、この方面ではもっとも身近な母袋烏帽子岳を選んだ。連休の中日、天気もいい。紅葉は遅いものの、最高の山行日よりである。
国道156号線を北上し、大和町の市街地中央にあたる徳永の信号交差点を右折し、数キロ走ったところから、母袋温泉の大きな看板に従って左折。後は、1本道。登山口には、母袋スキー場、キャンプ場、温泉があることから、2車線の道はよく整備されており、あっという間に、スキー場の大きな駐車場に着く。岐阜から東海北陸道利用で、約1時間の行程。
スキーもキャンプもシーズンオフで、駐車場には温泉客と登山者の車10台ほどがあるだけ。身支度をして、温泉のあるロッジのトイレに寄り、キャンプ場の舗装道路を歩く。バンガローサイトを過ぎると、オートキャンプ場となり、最上部で道は未舗装になる。シーズンオフであれば、ここまで車を乗り入れることは可能と思われる(管理人さんに確認してください)。
未舗装林道を少し登ったところから、標識に従って左に入り、落ち葉の敷き詰められた広い林道を5分ほど歩くと、林道の三叉路がある。三叉路山側に黄色い矢印があり、うっかり手前の林道を進みかけたが、尾根から外れるため、引き返して標識まで近づくと、ヒノキ林の中に山道が続いている。標識はちゃんと確認すべきと反省。
暗い人工林の中、左の谷に沿って北東にゆるやかに登っていく。登山口から15分ほどで、人工林の中の小さな広場に着く。暑い。Tシャツ1枚になって登る。すぐに、お助け水の標識があり、左手すぐのところにチョロチョロとこぼれる水場がある。お助け水から上の林道交差点まではロープが張られた岩の多い急な直登がある。ロープは鉄杭に繋がれているが、抜け落ちそうであまり頼りにならない。
5分ほどで林道に出る。山頂まで1660mの標識がある。しばらく人工林が続くが、やがて尾根道は広葉樹の道になり、葉を落とした枝の間からは周囲の山が見えるようになる。突然、左側に白く輝く雪山が目に飛び込んでくる。手前が大日ヶ岳、奥が白山。さらにその北には三方崩山と思われる山容も望める。歩き始めて、1時間を経過するが、気持のよい歩きに休息も忘れて登る。真っ青な空に向かって歩いているようだ。
やがて、右手に御嶽山が見え始める。展望台と書かれたピークに着くが、背丈以上のササで展望はない。このピーク下りで、右に巨大な御嶽山がよく見える。その北に乗鞍、さらにその北には雪をかぶった穂高連峰がきれいに見える。左に白山、右に御岳、正面は真っ青な空。こんな豪華な登りはそう体験できるものではない。木々が葉を落としている今の時期だからこそ望める光景である。ササの道を進み、簡易トイレのころがった林道交差点に出れば、山頂は目の前である。
霜柱をサクサク踏んで、山頂到着。山頂はかなり広く、いくつかの木が残されている。一部、木が視界を防いでいるが、かなりの展望が得られる。特に、白山から伊吹山まで、白鳥の町を見下ろす西方向のパノラマがすばらしい。荒島岳が目立つ。その北の三角形は毘沙門岳であろうか。
数パーティーが昼食中。手頃な山であり、ファミリー登山も見受けられる。御嶽山が見える場所で昼食。昼食をしていると、なんと高校の先輩であるSさんと出会う。簗谷山では同じ町内の方と出会ったが、またまたの偶然に驚く。Sさんは3名のグループでの登頂であり、かなりの山歩きに出かけてみえる。「どこかで会うと思っていたが」とSさん。ほんとうに世の中狭い。
隣で昼食中の岐阜市の2名の方と山談議。40年ほど前に2名でよく山に行かれたそうで、最近、仕事をリタイヤーして、1年ほど前から再び2人で山歩きを始められたそうだ。植物や蝶などをよく知っておられ、山頂でゆっくり食事を楽しむなど、山がほんとうに好きな方々だと感心。近く山のHPを立ち上げられるとのことで、相互リンクを約束し、記念撮影。
2時間後、気持のよい陽だまりの山頂を後に下山。登ってくる人は後を絶たない。帰途、少し下ったところにある「大木の恵水」の標識に従って、大木の近くまで行ってみる。小さな谷にパイプが引かれていたが、水はなかった。前方に高賀の山々を見ながら、落ち葉の道を下り、1時間ほどで駐車場に着いた。
スキーロッジが温泉になっており、1人500円で汗を流すことができる。入浴者はほとんどなく、秋の山を眺めながら、湯の中を漂うもみじの落葉と一緒に、ゆっくりと露天風呂につかった。また、すぐ下の集落には、母袋燻り豆腐で有名な豆腐屋さんがあり、ここで生ゆばと固めの豆腐を買って帰った。国産大豆にこだわった豆腐で、生ゆばと一緒に作った湯豆腐が最高においしかった。
登山口までのアプローチもよく、駐車場も完備しており、すばらしい山歩きの後、そのまま温泉に入れるところは、滅多に無い。木々が葉を落としている時期が最高。難所もなく、お勧めの名山である。
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