鍋倉山 (1050m 春日村) 2004.12.12 晴れ 22人

長者平キャンプ場駐車場(8:55)→尾根合流・日坂分岐点(9:25-9:32)→美束分岐点(9:56)→鍋倉山山頂(10:49)→鍋倉山避難小屋(10:58-13:42)→長者平キャンプ場駐車場(15:30)

【参加者】Kuさん、カッペさん、カッペさんの弟子Kさん、駒さん、makotoさん、せきすいさん、Kさん、Tさん、sizukaさん、katakuriさん、ヤブさん、ayameさん、blueskyさん、YUKIさん、キーノ夫妻、Sさん夫妻、ジオンさん、ブラックポットさん、RAKU、らくえぬ (帰路、和たんさん夫妻に遭遇)

 毎晩、「クーの山小屋」の戸を開けるのが日課になっている。毎日、必ず誰かが書き込む小屋の記帳ノート。登った山や山で見つけた花の写真が添えられており、これを見ているとパソコンの前から山にワープした気になる。気分転換の一時。コメントを読んで、イメージがふくらむ。たまには、思いのほんの一部をレスしてみる。レスしきれなかった思いが積み重なって、バーチャルな山小屋では物足りない。会って何か言いたい訳ではないが、何故か一緒に山に登りたいと思う。山小屋の住人誰もが同じ思い。毎晩、積もったエネルギーを放電するために、誰からともなくオフ会の話しが浮かぶ。

 「山が大好き」という共通の糸でつながったメンバーのオフ会は楽しい。1年の締めくくりである忘年会は特に盛り上がる。今年も管理人クーさんの日程調整で12月12日と決まった。会場は昨年の忘年会で予定していた鍋倉山。昨年は、雪のために鳩吹山に変更した経緯がある。掲示板は直前まで大いに盛り上がった。参加者も増加し、直前には山小屋の隠れファンであるせきすいさん達も参加されることとなり楽しみ倍増。参加者は20名を越えた。

 当日、市内でブラックポットさん、blueskyさん、YUKIさんを拾い春日村に向かった。集合場所は長者の里。長者平キャンプ場である。春日村を最奥まで入り、国見岳スキー場への分岐を左に見ながら集落の狭い道を抜け、長者平スキー場を通過して工事中の道路を通り過ぎると長者の里に着く。入り口には20台ほど停められる駐車場がある。トイレは200mほど登ったセンターハウス前広場の右手にある。

 駐車場には既にキーノ夫妻が到着していた。天蓋山前夜祭が思い出される。ここは、貝月山への登山口でもあり、貝月山への登山者も見られた。靴を履き替えていると、次々とメンバーが到着。全員が揃ったところで、クーさんの挨拶。この1年のオフ会の開催状況を聞く。どれもいろいろな思い出があって懐かしい。今回の参加者は22人。過去最高。山小屋の規模も大きくなった。せきすいさん、Kさんには1年前の鳩吹山以来の出合い。今回初対面のせきすいさんグループのTさんは山登りを始めてまだ日が浅いそうだ。

 ほぼ予定どおり駐車場を出発。鍋倉山へはまず大規模林道を歩く。300m程歩き、標識に従って右への山道に入る。帰路、気が付いたが、この入り口に登山届箱が設置されていた。杉林の中を谷川に沿ってゆるやかに登っていく。何度も谷を渡り返す。今年の大雨で登山道が流され、谷の中を歩くような所もある。倒木した杉の木には干からびたスギヒラタケがいくつか見られた。

 30分ほどで尾根に出て休息。キーノさんから中国土産のお菓子を頂く。ここが東海自然歩道との合流地点。左は大規模林道に出る。直進すれば東海自然歩道を日坂に下る。鍋倉山は右。この先、明るい尾根歩きが続く。東海自然歩道であり道幅は広く、すっかり葉を落とした木立の向こうにこれから登る鍋倉山と、鎗ヶ先山へ続く尾根が大きい。道には乾いた落ち葉が積もり、落ち葉の中をカサカサと音を立てて歩く。

 陽当たりのいい路肩には、季節はずれのスミレが紫色の花を咲かせている。スミレに混じってキランソウも見られた。駒さんが地面にはりついて写真撮影。いくつかの小ピークを越える。ピークには灰皿となる土管が埋め込まれている。鍋倉山まで2.5kmの標識を通過。左手には小津権現山の特徴ある山容が美しい。その左の遠方の山は能郷白山であろうか。右手には、これまた特徴のある鎗ヶ先山が聳える。その右奥には伊吹山。後方には貝月山。展望のないコースと聞いていたが、葉の無いこの時期にはかなりの展望が得られる。

 前方の山がぐんぐん近づいてくる。スミレに混じってイワウチワの葉も見られるようになった。写真撮影組は遅れて歩く。小さな上り下りを繰り返しながら、ジグザグに下って、美束の分岐点を通過する。標識の横には古い小さな石仏が祀られていた。古くから人が山に入っていたことを伺わせる。鍋倉山の山塊はすぐ目の前。この辺りが最低鞍部であろうか。

 天然林に陽が差し込み、葉の無い枝が白く輝く。逆光で見る林が美しい。なんと雰囲気のいい道なのだろう。まるで水彩画の中を歩いているようだ。歩くたびに落ち葉が音を立てる。初冬を全身で感じながら、いよいよ鍋倉山の登りにかかる。先ほどまで見えていた左の小津権現山は、いつの間にか蕎麦粒山・五蛇池山に入れ替わっていた。

 鍋倉山への登りは、古い石段で始まる。一面に落ち葉で覆われた茶色の世界はすばらしい。急斜面にはジグザグに道がつけられ、ここが今回の一番のがんばりどころである。後方の貝月山の右に金糞岳の美しい稜線が見え始める。ブラックポットさんが道ばたで写真を撮っている。「バルタン星人だ。」 木の冬芽を写真に撮っていた。なるほど、今まで山を歩いていて木の芽をあまり観察したことはなかったが、よく見ればどれも面白い形をしている。クロモジの芽は尖った葉芽と手のような2つの花芽でバルタン星人そっくり。

 20分ほど急斜面を登って、つづら折れの南端で休憩。こんどはblueskyさんからお菓子を頂く。長者平の名の由来が書かれた看板があった。ここからの南から西にかけての展望がすばらしい。伊吹山とその北に続く伊吹北尾根。盛り上がった国見岳。なだらかな虎子山とその下に国見岳スキー場が見える。手前には植林の緑の模様のある大きな貝月山が大きい。ここから見る貝月山はずっしりした山容で実にいい形をしている。その北にはブンゲン、そして遠くの美しい三角形は金糞岳。どれも歩いた山ばかりだ。

 Sさんがオオウラジロノキの実を見つけた。昨年、川上岳の天空遊歩道で見つけたが、この辺りにもあるようだ。休息地から数分で尾根に出る。ブナやミズナラが多く、落ち葉を踏んで一歩一歩の登りが続く。この東海自然歩道は、冬、雪の中をスノーシューでハイキングするにはピッタリのコースである。道が広く、間違えることはなさそうだ。

 尾根に出て20分弱の登りで鍋倉山山頂に着いた。といっても東海自然歩道の通過点。標識がなければ山頂と気が付かない。山頂に誰もいなかったのにはちょっとびっくり。ここで記念写真を撮るものと思っていたが、どうやら宴会優先。山頂には三等三角点と山名表示板。鍋倉山の植物や地質の解説板が設置されていた。日坂まで6km、120分。谷山まで5.5km90分の表示。今日の忘年会会場はこの先の避難小屋前の広場。ここから10分ほど先にある。山頂のすぐ東には、山頂よりも標高が高いような気のするピークがあり、ここにも山頂と同じ解説板があった。

 気持ちのいい道を歩いてすぐに小屋に到着。避難小屋は大きく、内部は広くきれいだ。トイレもある。22名という大所帯であり、他の登山者に迷惑にならないように、忘年会は野外で行うことに。天気がよく寒くもないので外で十分。早速、シートで円を描いて忘年会開始。準備の合間に、クーさんの音頭で乾杯。今年の新人賞にジオンさん、監督賞にカッペさんの発表も。

 あわただしい中、いつものように早々とコッヘルに入った料理が回ってくる。回ってきた物を食べていると、作ることができなくなって、とりあえず取り皿に取っておく。あっという間に取り皿が一杯になった。カッペさんの前菜をスタートに、料理長katakuriさんはドテ煮、豆乳鍋、ジオンさんのキムチ鍋、ayameさんのポトフ、blueskyさんのすき焼き、キーノさんの水ギョウザ、せきすいさんの干しタラ、Kさんのウインナー、Sさんのサラダと漬け物、YUKIさんの1年ぶりのぜんざい、・・・どれも最高の味である。

 ウチは中古アウトドア用品店で購入した大きめのフタ付きプライパン(200円)でシュウマイ50個を2回に分けて蒸した。思ったよりうまく蒸せることが分かったので、これからのアイテムに。定番の燻製各種に新開発のデザート安倍川餅風バナナ。バナナはTさんにいただきました。鍋も用意してきたが、皆さんの料理の多さに食材提供のみで取りやめ。

 お酒も忘年会らしく次々に登場。Kさんの日本酒熱燗にはじまり、昨年の赤からバージョンアップしたせきすいさんのジョニクロ、ブラックポットさんの白馬錦、キーノさんの中国土産のビール。駒さんやmakotoさんからはビールいっぱい。今回はブラックポットさんの提案で、紙コップなどゴミになる食器は自粛し、ポットさんは竹でぐい飲みをたくさん作ってきてくれた。環境にやさしい忘年会、次回は割り箸も自粛かな。

 たいへんな盛り上がりの中、各メンバーより今年一番よかった山の1分間スピーチ。スピーチに合いの手が入り、誰がスピーチしているのか分からない場面も。それぞれの話しに楽しかった思い出の場面が蘇る。コーヒーをパーコレーターで4回転して入れる。ジオンさん定番の手作りケーキ&ブルーベリーヨーグルトとblueskyさんのミカンがデザート。大騒ぎの約3時間、広い場所でよかった。

 宴会終了後、ヤブさん、ayameさんが早く帰るとのことで、後片づけの前に記念写真。小屋の前の階段で三脚とカメラを並べて「1+1は3」。「タコ」と言ったのは誰? 大騒ぎの記念写真に小屋の中で食事をされていた方々が外に出られなかつたというハプニングも。実は、後日、このパーティーの中に相互リンクしているHP「Welcome to Itoh`s Page」の管理人さんがお見えになったことが分かり、またびっくり。昨年の三方崩山以来の遭遇でしたが、今回も話しが出来なくて残念。

 ヤブさん達と別れ、後片づけ。広場のあちこちにはフキが群落を作っており、暖冬のせいか無数のフキノトウが頭を出していた。少しいただき春の味をこの時期に楽しみました。帰路は、同じ道を下る。斜面のジグザグをだいぶ下ったところで、何と和たん夫妻にばったり。用事があって、遅がけに追っかけていただいた。ご主人とは初めて。会えてよかった。みんな感激。「次回は一緒に」と別れた。

 美束への分岐を通過。「Welcome to Itoh`s Page」さん達は帰路、ここを美束方向に下り、ショートカットして登山口に出られたようだ。午後の初冬の日差しを浴びながら、落ち葉を踏んで、おしゃべりをしながら駐車場まで下りた。クーさんの締めで、次回は新年会でお会いすることを約束して解散。モリモリ村の湯で汗を流した。思ったよりも早く雨が降り始めた。

 来年に向けて、何かパワーを感じさせる余韻を残しながら、今年の忘年会は終了。これからの山小屋の活動が楽しみだ。鍋倉山はこの時期、思ったよりも展望があり、実に雰囲気のいいトレッキングができる。雪の時期、スノーシューハイクもいい。厳冬期、小屋の前で雪上テント泊も面白そうだ。
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