トレースマップ (カシミール3Dで作成)
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平17総使、第654号)

鍋倉山 (1,050m 揖斐川町) 2006.12.17 雨後晴れ 22人

長者の里駐車場(8:22)→林道脇登山口(8:30)→自然歩道合流・和佐谷分岐点(8:53-9:03)→展望地(9:48-9:58)→鍋倉山山頂(10:19)→避難小屋(10:28-13:36)→美束分岐点(14:19)→林道脇登山口(14:42)→長者の里駐車場(14:48)

【参加者】kuさん、カッペさん、葵のMさん、hiraさん、ミツルさん、風花さん、yamamotoさん、BOGGYさん、sizukaさん、ブルさん、katakuriさん、ヤブさん、ayameさん、キーノさん、檀さん、ジオンさん、阿繍さん、和たんさん、ラブさん、SAWAさん、RAKU、らくえぬ

 白い羽毛が1つ、穏やかな風の流れに乗って、ふわふわと飛ぶ。アメリカ映画の名作「フォレスト・ガンプ〜一期一会〜」のファーストシーン。映画の全てをイメージする象徴的なシーンである。人と人の出会いは、まさに羽毛のごとく、偶然から始まる。

 5年前の秋、このHPを立ち上げて間もない頃、母袋烏帽子岳山頂近く展望地で休んでいたカッペさん・葵のMさんと挨拶を交わした。山歩きを始めたkuさんからメールが届き、伊吹北尾根を3人で歩いた。こうした出会いが、連鎖的に、時には偶然に発生し、時の流れとともに増幅されて、輪が広がっていった。その大きな役割を果たしたのは言うまでもなく「クーの山小屋」の掲示板。

 山小屋恒例の忘年会登山は今年も鍋倉山に決まった。山頂に大きなトイレ付きの避難小屋があり、忘年会にはピッタリの山である。掲示板に次々と参加表明がアップされ、参加者は最終的に22名となった。今年の登山ルートは、長者の里コース。長者の里の駐車場に全員が集まって、雨具に着替えてkuさんの挨拶。1年ぶり、2年ぶりと、久しぶりのメンバーも多い。掲示板での交流があることから、久しぶりという気がしないのが不思議である。天気は小雨。次第に回復の予報。

 今回、初参加はジオンさんのお友達の阿繍(あしゅう)さん。阿繍さんはまだ本格的な山登りをしてみえないようで、今日が初めての2時間コースらしい。長者の里を後に、広域林道を歩く。広域林道の登山口表示のところから山道に入り谷に下りる。この辺りから、かつての峠道である日坂越と呼ばれる山道がある。今回、これを歩いてみたいと思っていたが、下見もしておらず、また雨が降っていることから、2年前の一般のコースを登ることとした。なお、今回のルートの状況は2年前のレポートを参照されたい。

 いつものように、写真を撮るために後方を歩いた。久しぶりのメンバーと話しは尽きない。林道から山道に入るところで、日坂越の分岐点を確認しようと思っていたが、おしゃべりしているうちに確認することを忘れてしまった。薄暗い人工林を谷沿いに緩やかに登っていく。雨で滑りやすい石を踏んで谷川を渡る。レインウェアーがカラフルで森の中が明るい。

 谷川をどんどん詰めて、落ち葉の斜面を登りきったところで東海自然歩道と合流する。ここで小休止。キーノさんからチョコレート菓子を頂いた。小雨が降り続く中、ここから広い自然歩道を歩く。時折、ガスが流れる中、おしゃべりをしながら上り下りを繰り返して、正面に大きな鍋倉山の影が迫った辺りで、日坂越のルートと合流。小さなお地蔵様が峠に佇み、サカキが供えられていた。

 長者の里方向へは「美束」の表示がある。かつては春日村の三束の集落と久瀬村をつなぐ重要な峠越えの道であったに違いない。南への踏み跡はしっかりしている。和たんが今日参加した理由は、この道を通りたかったためと聞いた。それなら、帰路はなんとしてもこの道を通らなければならない。峠から北側へも薄い道らしき跡があった。下れば、わずかで林道に出て、前谷に沿って久瀬村へ抜けるようだ。遠くに林道らしきものも見える。いつか歩いてみたいルートである。

 この先から、山頂に向けての急登が始まる。落ち葉に埋もれた石段を、ゆっくりと登る。しゃべりながら歩いていると、息が切れるものの、あっけなくいつもの展望地に着いた。ここからの貝月山の展望はすばらしいが、今日はガスの中で真っ白。ここで小休止。ジオンさんからバウンドケーキを頂く。

 ここから一登りして、なだらかな道を歩くと、雪が地面を覆うようになり、山頂らしくない山頂到着。素通りして登り返し、避難小屋の立つ広場へ。昨年、大雪の道を交代でラッセルして、この広場に到着した時の感動が思い出された。今年は、まだら模様に少しの雪が積もっているだけである。

 ザックを小屋の外に下ろして、22人全員が小屋の中へ。昨年は大混雑で、立ち食いをしたものだが、今年は順序よくすわって、宴会体制準備OK。それぞれ持ち寄ったものを取り出し、調理開始。今回のメインはミツルさんが持ち上げた鍋で作った、通称「ミツル鍋」。いつもの巨大な鍋に、みんなが持ち寄った食材を放り込んだ。助手はジオンさん。

 そして、掲示板で大いに話題になったメニューは、イタリアンシェフのBOGGYさんが作る「雉のリゾット」。何しろ、本格的なリゾットなるもの食べたことがない上に、食べたことがない雉の肉が入るとは・・・。これに使う米は1kgが1500円というイタリア産米と聞いてさらに驚き。岐阜の幻の米「ハツシモ」よりも粒が大きく、リゾット用らしい。全員に振舞われたリゾットは、どんな高級レストランでも食べられない。これが山の上で食べられるとは・・・。

 BOGGYさんの弟子のkatakuriさんは、今年、話題になった山の上で作る「パエリア」に挑戦。鍋もBOGGYさんとい同じで、さすが弟子である。白米から作ることだけでもビックリするところであるが、サフランで黄色く色づけて、海の幸をデコレーションした一品は、これまたそこらの店では食べられない味。この師弟競演は、料理の鉄人を思わせる迫力。

 そのほか、いつものように次々と回ってくる食べ物。キーノさんのビーフシチュー、SAWAさんのお漬物と山菜おこわ、ラブさんのフカヒレ、阿繍さんのさつま揚げ、我々はシュウマイ50個にミツルさんのシュウマイも加えてシュウマイ山盛りをふかした。併せてタコヤキ25個をふかした。

 飲み物は、Kオジサンの差し入れのワイン、hiraさんンのワイン、もう1本のワインは誰のだったかな? さらに、デザートは、ジオンさんのチョコレートケーキ、ayameさん+ジオンさんのフルーツヨーグルト、yamamotoさんからチョコレート、そしてなんと言っても、山デビューの阿繍さんの抹茶とおまんじゅうは衝撃的。かつて、春の涸沢で出会った単独男性に本格的な抹茶を頂いたことがあったが、まさかここでも抹茶をいただけるとは思わなかった。我々は、いつものようにパーコレーターを2回転してコーヒーを入れた。今回は、大型パーコレーター持参。

 カメラのレンズが曇って、写真が撮れないというハプニングも。とにかく大騒ぎの忘年会。いつの間にか、窓の外には日差しが・・・。満腹で、ナベが余ったほど。デザートは別腹。

 後片付けをして、広場で輪になって3分スピーチ。テーマは今年の思い出の山。皆さん、それぞれ今年も山歩きを楽しんだようで・・・。風花師匠の注意喚起に感謝。来年も、楽しい山歩きの報告ができることを願って、来た道を下山。

 日坂越の分岐点から美束方向に、全員で下ることに。キーノさんはGPSにかなり細かくウェイポイントを落としてみえたので、道を誤る事はない。間伐が行われた直後の人工林の尾根を歩き、すぐに落ち葉の積もった掘割の道となる。登りの雨はうそのように、正面から初冬の日差し。真っ直ぐに下っていくと次第に道は谷のように深くなり、途中から右の土手に上がって下る。

 道は明瞭で、テープも付けられている。丸木橋の架かった小さな谷を渡り人工林の境を歩く。左手には鍋倉山から南に続く稜線が日に輝いている。後方を振り返りながら、どれが鍋倉山か同定。南へ続く道をテープに従って右に折れる。直進すれば美束の集落に至るのであろうか? 人工林の中、苔むした倒木を見ながら緩やかに下って谷川を何度か渡り、谷沿いに下る。谷川に架かった丸木の橋は、雨の直後で湿って滑りやすいので、谷の石を踏んで渡った。大きな谷が現れ、ここはどうしても橋を渡らなければならない。誰も滑ることなく渡りきって、すぐに林道に出た。

 日坂越ルートは林道合流点すぐのところにあった。このコースは三角形の1辺を通過することになり、かなりの短縮コースである。地図に書かれたルートと比べて、実際の道は峠手前で、やや東へふくらんで付けられているが、思ったよりも踏み跡はしっかりしており、テープを追えば迷うようなことはないと思った。丸木橋は滑りやすく、要注意。

 左手前方に美しい鎗ヶ先を見ながら、広域林道を下って長者の里へ。薬草風呂のある「もりもり村」まで引き返して、kuさんの挨拶で終了。今年も大いに盛り上がった思い出に残る忘年登山は、今年最後の山歩きとなった。メンバーからはすでに初日の出新年会の話しが・・・。
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