トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

七々頭ヶ岳 (693m 滋賀県) 2014.5.10 晴れ 2人

上丹生登山口(10:00)→七々頭ヶ岳山頂(11:12-12:11)→瑠璃池(12:17)→菅並登山口・墓地(13:22-13:36)→上丹生登山口(13:51)

★5月10日に滋賀県の七々頭ヶ岳に登ってきました。
★上丹生集落の北にある七々頭ヶ岳観音参道入り口をスタート。
★様々な花を見ながら、人工林を抜けて山道へ。
★新緑の中、歴史を感じさせる掘れた道を登りました。
★尾根道の所々からは展望が得られ、ブナの大木を見上げながら一気に七々頭ヶ岳山頂へ。
★山頂の西林寺に参拝して昼食を楽しみました。
★昼食を取っているときに、数匹のマダニが付いているのを発見。
★下山は菅並集落へのルートを下りました。かなりヤブっぽい道で、ズボンに付く多数のマダニを取り除きながら、ノンストップで急斜面を下りました。
★無数のマダニの襲撃は想定外でしたが、美しい新緑の山歩きを楽しんできました。

 この春に滋賀県の墓谷山に登ったが、すぐ北側にある七々頭ヶ岳は以前から気になっている山。この休みは七々頭ヶ岳に登ることにした。国道303号線で八草トンネルを抜け滋賀県に入る。墓谷山の登山者用駐車場を見ながら杉野の集落を通過し、杉本の集落に入ったところで右折して狭い集落道へ。この道は行市山に行ったとき以来、2回目となる。なんといっても、この先にある隧道は異次元体験。対向車に注意しながら車幅いっぱいの隧道を通過して、上丹生の広い道に出た。

 七々頭ヶ岳へは、ここを右折する。正面にはこれから登る七々頭ヶ岳の美しい三角形の山容が見える。「茶碗祭りの館」を左に見て、上丹生の集落を抜けたところで左折して、高時川に架かった橋を渡ったところが登山口となる。折りたたみ自転車を2台積んできたので、まずは下山口となる菅並集落に向かう。トンネルを抜けると、すぐに集落が現れ、川を渡って下山口となる墓地に自転車をデポした。

 引き返して、上丹生の七々頭ヶ岳登山口に向かう。登山口の前には数台駐車できる舗装された広場があった。近くで工事を行っているようで、ダンプカーが行き来しており、邪魔にならないように車を停めた。他に車は停まっていない。靴を履き替えて登山口へ。登山口には「七々頭ヶ岳観音堂参道」の石碑と杖が置いてある。
 
 人工林の中、草付きの林道を歩く。シャガやキツネノボタンなど花の写真を撮りながら歩き、小さな谷を渡ると登山道となる。人工林は天然林となり、新緑が美しい。道脇に小さな石の道標があり、漢数字が書いてある。山頂までの距離と思われた。道はよく踏まれており、窪んで落ち葉がたまっている。溝は深くなり、背丈以上に掘れたところもある。古くからこの参道を歩いて山頂の寺に参拝した人は多かったに違いない。
 
 右山で、左に谷を見ながら歩く。ヤマツツジやガクウツギが春の終わりを告げている。尾根に出て折り返しながら登る。倒木も見られる。幼木のヒノキ林を通過するところで、西側の展望が得られるが、近くの山しか見えない。林道のようなところを通過し、なだらかな道を、道標を見ながら歩く。葉を広げたばかりのヤブレガサが足元に続く。皮剥ぎ防止の青いテープが巻かれた杉林を抜けてブナの大木を見ながら再び展望地へ。眼下には小さな集落が見える。かなり標高を稼いだ。

 スギの巨木を通過すると目の前に巨大なブナの木が現れる。まさにこの山の主。頭上で銀色の枝を広げる姿はすばらしい。倒木を潜って、ブナ林を歩いて杉林を抜けると、お堂の立つ広場に出た。ここが七々頭ヶ岳山頂。お堂は西林寺。屋根の一部にブルーシートがかけてある。お堂の戸を開けてみると賽銭箱があり、お賽銭を投げて参拝をした。記帳ノートがあり、我々も記入。大勢の登山者が登っているが、今日は我々だけ。お堂の右には小さな観音堂があった。

 山頂からは琵琶湖方面が望めたが、霞んで湖がかろうじて見える程度だった。さらに先に踏み跡があったので行ってみると、樹林帯の中に三角点や山名標示板があり、その前で写真を撮った。お堂の前に戻って、昼食にする。メニューは冷やし蕎麦。食事をしていると、ズボンに動くものが。マダニだ。立ち上がって二人で衣類をチェックすると、3匹見つけた。登ってくる途中でダニのチェックをしてきたが発見できなかったことから、三角点むかうササのところで付いたようだ。

 コーヒーで昼食を終え、ザックを背負って下山。瑠璃池の標示板を見ながら、瑠璃池はどこにあるのだろうと言いながら急な斜面を谷に向かって下っていくと、小さな流れに当たった。石の瓶のようなものが埋めてあり、澄んだ水がゆっくりと流れていた。水の中には、銀色に輝く蛙の卵がたくさん産み付けられている。ここが瑠璃池のようだ。菅並に下る道ではなかった。引き返して、再びお堂まで戻る。ここでもズボンに付いたマダニを見つけた。

 下山道はお堂の裏にある。ブナの木の中、満開のユキグニミツバツツジを見ながら下ると未舗装の林道を横断。ササの道を下っていくと、次第に潅木のうるさいヤブ状態の道となった。間違いなくマダニがいると思い、ズボンを見ると、1匹2匹と付いている。大きな親虫から、若虫、小虫とダニの大きさは様々。今日は誰も歩いていないので、この先かなりのマダニが付きそうだ。かってマダニの猛攻撃を受けた唐塩山を思い出させる。その経験で、ダニは膝付近にしか付かず、登ってくるスピードも遅い。小まめなチェックをすれば、喰われることは無い。イカリソウの花が咲いているが、かがんで写真を撮るとダニが付きそうなので、写真もそこそこに一気に下っていく。

 人工林を抜けて、左山で潅木を分ける。1分ごとにダニチェックをし、その度に、1、2匹のマダニを払い落とした。マダニ最盛期に出くわしたようだ。前方から来た単独男性の登山者と出会って、挨拶。「ダニがたくさんいますよ。」と注意を促した。ヤブ状態の道が続き、マダニの攻撃は収まらないが、直前に先ほどの登山者が歩いていることから、取り付く数は減った。前方に山が見えるが、ダニが気になって、落ち着いて周囲を見る余裕もなくひたすら下る。

 ヤブ状態の道を抜けて、しっかりした道を歩くと、プラスチック杭が打ち込まれた急斜面にさしかかった。かっては階段があったと思われる。これから花を咲かせようとしているコバノイチヤクソウを足元に急坂を下る。一部ヤブを通過して、ダニを払いのけ、急傾斜の広い道に出た。左に谷を見ながら一気に下って堰堤の脇を通過。タニギキョウの咲く草むらを抜けて墓地に出た。
 
 二人で衣服のダニをチェックして、墓地の北側にあるグランド脇のトイレに寄る。自転車に乗って墓地を後に、菅並の集落を抜け、トンネルを潜って、15分ほどで駐車場まで戻った。
 
 七々頭ヶ岳は手軽に登れる山で、天然林が多く、花もたくさんあるが、マダニは想定外。時期を変えればこれほどのマダニが取り付くことは無いと思われるが、潅木の茂みを通ったときにはマダニが付いていないか小まめなチェックが必要である。特に菅並ルートはヤブに近いところもあるので、ダニの時期にはこのルートは避けたほうがいい。
★七々頭ヶ岳の植物

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