納古山
納古山 (632m 七宗町) 2002.12.23 晴れ 2人

中級コース入り口林道(9:18)→<中級コース>→上麻生大町方面分岐点(9:45)→初級コース合流地点(10:19)→美濃市三和町分岐点(10:24)→納古山山頂(10:25-11:57)→中級コース分岐点(12:03)→<初級コース>→木作谷コース分岐点(12:26)→初級コース登山口駐車場(12:47)→中級コース入り口(13:00)

 「家族で登れるいい山はありませんか?」とよく聞かれる。こんなときに、紹介する山が、天王山、鳩吹山、そして、この納古山(のこやま)である。1時間程度で登れて、展望がいい山の、まさに代表選手。さらにこの山は、車を使わず、JR利用でも登ることができる。この山を語らずして、岐阜県の山を語ることはできないほど有名な山である。特に、最近、テレビのアウトドア番組で紹介されたこともあり、人気はさらに上昇している。

 国道41号線を北上し、七宗町に入る。上麻生手前にある銀色のドームの道の駅には納古山のパンフレットが置いてあるので参考にするとよい。道の駅でトイレをすませる。トイレは登山口を行き過ぎたところにあるJR上麻生駅にもあるのでこちらを利用するのもいい。

 道の駅のすぐ北にある信号機から国道を左にはずれ、JRの踏切を渡ったところにある遠藤製材所手前の三叉路を左折し木和谷林道に入る。路面に大きな字で納古山登山口と書かれているので間違えることはない。木和谷林道はやがて未舗装になるが、荒れてはおらず乗用車でも問題はない。林道に入って1.1km地点に案内板のある第一パーキング(数台駐車可能)がある。この先、駐車できる場所がいくつかあるので先に進む。

 第1パーキングから800mほど先に、中級コース入り口に最も近い第2パーキングがあるが、満車。中級コース入り口手前の路肩のふくらみに2台止まっている。中級コース入り口の三叉路で方向転換し、2台の後ろにつける。この後、次々と車がやってくる。人気の山である。この辺りが満車なら、さらに約1km先の初級コース入り口までの間に、いくつかの駐車スペースがあるので、どこかに駐車するといい。中級・初級コースを一周するのであれば、この区間のどこに止めても歩行距離は同じである。

 今回は、中級コースから初級コースへ、時計回りに一周する。中級コースの案内板には難路と書かれている。途中に岩場があるためであろう。谷川を左に、人工林の中を歩く。数分で谷川を渡り、ゆるやかな道を登る。この後、何度も谷川を渡り返す。昨年の大雪で、倒木がたくさんある。途中、倒木や間伐材で作られた休憩場所もある。

 やがて谷を両方に見ながら急坂を登り詰めると、三叉路に突き当たる。右は枯れ木で通行止めにしてある。大牧谷川から木作り谷に向かう塩の道である。塩の道を左にとり、すぐに再び三叉路。真っ直ぐに行けば上麻生大町方面に出るとの案内がある。ここから、ピンクのリボンがある右の急坂を登る。

 5分ほどで、白い大きな岩に突き当たる。天空岩のようだ。岩の左を巻いて、岩の上へ。2人の登山者が休憩中。岩の上からは恵那山などの展望がすばらしい。そこから少し登ると枝振りの良い松の木があり、ここからも真っ白な御嶽山が望める。この先、天然林の中を少し下る。前方に3つのピークが望める。目指す山頂は、一番左の最も高いピーク。

 岩場がもう1つ現れる。天空岩よりも登りにくく、クサリが付けられている。両手両足でよじ登る。ストックがじゃまになるが、つかまる部分があり、慎重に登れば難なく通過できる。すぐに初級コースとの合流地点に着く。ヒカゲツツジと思われる木がたくさん見られる。春にはたくさんの花が咲くにちがいない。合流地点には、今来た道に下麻生大町谷と書かれている。木製のベンチもある。

 左へなだらかな道を5分ほど進むと、再び分岐点。直進は美濃加茂市三和町の納古口コースとある。いろいろなコースがあるようだ。ここから山頂までは5分程度。じぐざぐに山頂へ。

 山頂は15・6名の登山者で賑わっていた。2体の仏様や周囲の山の表示板などがあり、展望はまさに360度。なんといっても御嶽山が美しい。乗鞍、北アルプス、白山、中央アルプス、恵那山などぐるりと見渡せる。岐阜市方面の低山も同定できる。小さな三角形の金華山も見える。西方面の山並みが美しい。

 誰もが、山の同定でにぎやかである。次から次へと登山者がやって来る。山頂は30人くらいの人で埋まった。青空の下、風もなく、ベストで十分暖かい。南に昼食場所を確保し、展望を楽しみながら、ゆっくりと食事をとった。皆、山頂を背に、輪になって食事を楽しんでいる。

 下麻生市街のはずれにある赤い橋や国道もみえる。橋の辺りまで行けば山頂が確認できることが分かった。帰路は初級コースを下る。山頂から、東へ初級コースに通じる急坂を下ると、すぐに先ほどの登山道に合流する。この辺りは日本庭園風で美しい。中級コース分岐点を過ぎ、前方に御嶽山を見ながら、岩の多いなだらかな尾根を歩く。実に気持ちがいい。

 やがて人工林に入り、かなりの急坂を2ヶ所ほど下り、なだらかな道を行くと、塩の道との交差点に出る。左へは木作り谷コースと書かれている。交差点を直進し、ベンチのある水場を過ぎ、谷川のせせらぎの音を聞きながら、人工林の中を川沿いに下った。この辺りも倒木が多いが、よく整備された植林地帯で、この日も、間伐のために多くの作業員の方が山に入ってみえた。初級コース入り口に到着。数台おけるパーキングは満車であった。そこから駐車地点まで1kmほどの林道を下った。

 帰路、山頂から見えた上麻生市街東の赤い橋まで行ってみた。納古山が手前の山の間から顔を出した。山頂を見るなら、この辺りがベストのようだ。

 アプローチもよく、比較的短時間の登りで大展望を楽しめる山として、満足度は高い。中級コースは2ヶ所ほど岩場があるが、クサリもあり、初心者でも慎重に登れば問題はない。なんといっても天気のいい日を選んで登りたい山である。
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