トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平17総使、第654号)
入笠山 (1955m 長野県) 2008.8.8 晴れ 2人
沢入登山口駐車場(11:18)→水道施設(11:32)→入笠湿原(12:07-12:26)→表登山コース登山口(12:39)→岩場コース・迂回コース分岐点(12:49)→入笠山山頂(13:03-14:03)→<裏登山コース>→車道(14:21)→入笠湿原(14:47)→沢入登山口駐車場(15:23)
入笠山は南アルプスの最北端にある標高1955mの山であり、山頂近くまで車道が整備され、最上部まで車で上がれば、30分ほどで登頂できる。夏山第2弾として八ヶ岳連峰の編笠山・権現岳の日帰りを計画したついでに入笠山にも登ることにした。
早朝、岐阜市を出発。中央道を走り、中津川IC、伊北ICで乗り降りしてETC通勤割引を活用。諏訪南ICで降りて国道20号線を南進。国道に入って5分ほど走り、富士見峠にある信号交差点を右折。ここには入笠山の標示がある。集落を抜けて、舗装された山道に入る。左に別荘群への道を見ながら、カーブの続く道をどんどん上っていく。数キロ走ったであろうか、トイレの建つ大きな広場が現れた。道はさらに上がっているが、この広場に車を停めて看板を確認。ここが沢入登山口であることが分かった。入笠湿原まで45分、入笠山山頂まで90分とある。さらに車を進めることはできるが、車道終点から山頂まで30分のタイムではちょっと物足りないので、ここから登ることにした。
真夏の太陽が照りつける広場には3台の車が停まっていた。登山者の車のようだ。靴を履き替えて、案内板に従って車道脇から山道に入る。山道とはいうものの、遊歩道のように広くよく整備されている。ササ付きの天然林やカラマツ林を適度な傾斜で登っていく。汗が落ちる。15分ほど歩いて水道施設の横を通過。急斜面を登って左にトラバース。ササのあるカラマツ林の中を右山で緩やかに登って行く。単調な道が続く。花はほとんど見られない。やがて道は時計回りにカーブしていく。GPSを見ると回り込んだ先に湿原がある。少し下ると、前方が開けて緑の草原が広がった。入笠湿原である。歩き始めて50分ほどで、ほぼコースタイムどおり。
いきなり花が目に付く。チダケサシ、オオバギボウシ、クサレダマ、サワギキョウ・・・書ききれないほどの花が咲いている。この湿原は6月にスズランが咲くことでも有名。湿原には木道が設置されており、木道を歩いて湿原を一回りした。木道ですれ違った単独男性はゴンドラリフトで登ってきたようで、10分ほど登ればリフトの駅があるそうだ。緑の草原と青い空、白い入道雲。まるで夏休みの絵日記のように美しい景色が広がる。高原の風が気持いい。
ズミの木陰を抜けて、ヤナギランやトリカブトを見ながら周回して、入笠湿原の大きな案内板の前に戻った。案内板にはこの湿原で見られる花の名前が書いてある。階段を登ると山彦荘があり、テントの下で観光客が休息中。駐車場にも多くの車が停まっていた。入笠山への登山口を探そうとしたところ、大勢の登山者が左から歩いてみえた。その方向に入笠山山頂の矢印を発見。
車道を離れて遊歩道に入る。昼食用の水を持ってこなかったため、途中の谷川で水を汲んだ。サワギクやキバナノヤマオダマキなどを見ながら数分歩くと、再び車道に出た。スキー場のような広い草の斜面の横の遊歩道を歩くと、天体望遠鏡のある大きな建物やトイレが目に入る。駐車場もあり、ここにも多くの車が停まっている。駐車場の奥には、「入笠山まで30分」の標示。ここが入笠山登山口であり、車で来ることができる。
広い遊歩道を、左に草原を見ながら登って行く。入笠湿原までの登山道では誰にも出会わなかったが、ここでは大勢の登山者と出会った。ほとんどの登山者が最上部の駐車場まで上がってくるようだ。駐車場から10分ほど登ると、岩場コースと迂回コースの分岐点に出た。岩場コース方向は近道と小さな字で書いてある。迷わず右の岩場コースに向う。岩場コースと言っても分岐から3分ほど登ったところで背丈ほどの高さの岩場を登る程度。ここにはクサリが設置してある。観光客や子どもの登山者が多いことからこうした配慮がなされているようだ。
岩場を越えて、潅木の中を縫うように登っていく。シナノオトギリやハクサンフウロが見られる。大勢の小学生の団体とすれ違う。挨拶に忙しい。潅木が無くなり、広い裸地に飛び出した。入笠山山頂に到着。大勢の登山者が方位盤の周りに集まっていた。それにしても広い山頂であり、どれだけ登山者が多くても山頂がいっぱいになることは無さそうだ。
山頂からは360度の大展望。標高の高い山群が目を引く。八ヶ岳だと思ったが、方位盤を見ると南アルプスだった。登るにつれてコース方向が目まぐるしく変わるため、方向感覚が狂ってしまったようだ。甲斐駒ケ岳が大きい。その右には鋸岳が望めた。八ヶ岳は富士見町の田園の向こうの入道雲に隠されている。
パノラマの写真を撮って、ランチの場所を探した。樹木が無く日差しを遮る木陰は無い。それでも、ここは標高2000m。真夏でも、さわやかな風が吹く。キアゲハが飛び回っている。南アルプスの見える位置にザックをおろして、レトルトのカレーライスを作った。山頂周辺には、ヤマハハコやハクサンフウロなどがたくさん咲いている。マツムシソウが咲き始めていた。八ヶ岳の上の入道雲はぐんぐん成長している。
1時間ほど、山頂でやや遅い昼食をとって、帰路は裏登山道を下ることにした。南アルプス方向へ下る岩場迂回コースに入り、すぐに分岐点。左折すれば迂回コースを経由して最上部の駐車場に戻る。ここは直進。ササの道を真っ直ぐに下っていく。明るい尾根を通過して小さな草地に出た。すぐ先にアスファルトの車道が見える。ネット情報によると車道の手前の遊歩道を通って入笠湿原に戻ることができるとの情報を得ていたが、遊歩道が見つからない。やむを得ず車道を歩くことにした。車道を左に行けば、大阿原湿原を経由して沢入登山口に戻ることができるが、かなりの歩行を強いられる。積乱雲がますます大きくなり、雲を背景にして飛ぶパラグライダーが小さく見えた。
車道を20分くらい歩いて、入笠山登山口手前で登ってきた道と合流。入笠湿原まで戻って、登ってきた道を下る。八ヶ岳方面から遠雷が聞こえる。明日の編笠山・権現岳は雷雨に遭遇するかもしれない。ただ、明日のこの時間には、樹林帯を下っている時間であり、雷雨になっても問題ないと思った・・・が・・・。
遠雷に追われながら、早足で下って、湿原から30分かからないで駐車場に戻った。帰路も登山者に出会わなかった。広い駐車場には我々の車を含めて2台のみ。3時を回っていたが、まだ日差しは強い。
観光地的な山ではあるが、沢入登山口から登れば、適度な山歩きが楽しめる。湿原までは単調であるが静かな山歩きができる。湿原や山頂からの展望、たくさんの花など変化に富んだ山だ。ゴンドラ利用の冬のスノーシューハイクも面白そうだ。八ヶ岳登山とセットで登れる山である。
★入笠山からの展望
★入笠山の花
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