トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平21業使、第478号) ※一部誤動作あり

小津権現山〔新道〕 (揖斐川町 1158m) 2010.4.25 晴れ 11人

新道登山口(8:07)→林道(9:23-9:27)→ブナ爺(9:33)→植栽地(9:45-10:00)→根上がり桧(10:27-10:35)→小津権現山山頂(10:56-12:52)→植栽地(13:35)→ブナ爺(13:44-13:56)→林道(13:59)→新道登山口(14:52)

<参加者>ミツルさん、マダラさん、モモさん、ビーさん、ナガサカさん、クロオさん、makotoさん、kasayaさん、katakuriさん、RAKU、らくえぬ

 久しぶりにマダラさんからメールが届いた。「今月末に小津権現の新道に行きます。合流しませんか。」 小津権現新道は日本山岳会岐阜支部が中心となって整備された道で、我々は2006年11月に登ったことがある。美しい紅葉と、花房山の展望がすばらしかったことを記憶している。権現平と呼ばれる植栽地にはイワウチワが一面に自生しており、春の花の時期に登ってみたいと思っていたこともあり、参加することに。katakuriさんと3人で、マダラさんたちよりも遅れて登り、山頂で落ち合う計画とした。

 揖斐川町でkatakuriさんと合流。久しぶりの出会いで、積もる話をしながら登山口を目指す。新道の登山口は横山ダムを渡らず、ダム湖の左岸を徳山ダム方向へ走る。横山ダムから2kmほど走り、前方に赤い新川尻橋が見えると、すぐに藤波谷にかかる橋のところのヘアピンカーブを通過。このカーブ右に数台の車が駐車できる空き地がある。「南矢中谷県有林」の木製の看板と谷の砂防堰堤が目印となる。

 マダラさんたちの車が3台停まっていた。身支度をしているともう1台が到着。この新道も3年目を迎え、かなり知られてきたようだ。藤波谷の水量は多く、滝を見ながら堰堤の東を渡河。対岸の急斜面に取り付き、細い道を落石に注意して歩くとすぐに稜線に出る。正面に朝日を見ながら、逆光で黄緑色に輝くリョウブやシロモジなどの新芽が美しい明るい尾根を歩く。ウスノキが地味な色の花を付けている。足元にはチゴユリの葉が見られるが、花はこれから。今見られる花は少なくニシキゴロモやフイリシハイスミレ程度。

 左に人工林を見ながら歩くと、道は次第に急傾斜となり、尾根を左にロープを伝うところもあるが、主に尾根の芯を登る。一旦なだらかになるが、すぐに針葉樹林の中に大岩が散らばる斜面を登る。後方から登ってきた男女二名に道を譲る。イワウチワが群落を作っているが、花は僅か。既に開花末期のようだ。しかしすぐ先の北側の人工林の斜面にたくさんのイワウチワの花が見られた。
 
 谷を乗り換えるように左へ歩き、急斜面を登る。ここは、以前、ロープ付きの急斜面であったが、今では丸木階段が作られて歩きやすい。丸木階段にクリタケに似たキノコがたくさん生えていた。階段を登り詰めると林道に出る。先ほど追い抜かれた二名が休息中。ここからは西に金糞岳や天狗山、北に能郷白山が望めた。特に天狗山は目の前に巨大な三角形を作っており、その姿は美しく圧巻である。この林道は揖北林道という名前で、現在はかなり荒れているが、今後整備され、この上にある植栽地まで繋がるそうだ。

 林道を後に、揖北林道登山口と書かれた入口に入る。植栽地まで520mの標示もある。林道上部からはさらにすばらしい展望が得られた。尾根を3・4分登ると大きなブナの木が現れた。「権現のブナ爺」と書いてあり、巨大な幹から広がった枝にはいくつかのヤドリギが絡みつき、その姿はまさにこの山の主を思わせる。前回、登ったときにはこのブナに気付かなかったのが不思議だ。今では、木の下にベンチが作られ休息地となっている。近くにタムシバの白い花が見られた。

 ブナ爺から5分ほど登ると権現平と呼ばれる植栽地に到着。植栽地は間伐が進んでおり、芽吹き前の樹間から北の山々が望める。北に雪の残る能郷白山、右には花房山。そして東にはこれから歩く稜線と小津権現山山頂方向のピークが望めた。権現平の中央には簡易テントが設置され、山岳会の皆さんが植栽などの作業中。katakuriさんが前方を歩くパーティの中にミツルさんを見つけた。山頂で追いつく予定だったが、ここで追いつくことができた。

 いきなりビーさんとモモさんからお菓子をいただいた。ナガサカさん、クロオさん、kasayaさんは初対面。皆さん、鈴鹿の山を主体に登っておられるとのこと。makotoさんやマダラさんは三重県の経ヶ峰以来、1年半ぶり。全員で11人。久しぶりのオフ会参加。気が付けば、周り一面イワウチワの花で埋まっている。これだけ大きなイワウチワの群落は見事である。イワウチワの花の色は濃淡があり、濃いピンクから白に近いものまであって面白い。しばらくイワウチワの撮影タイム。
 
 権現平を後に11人で山頂を目指す。北側の木々の切れ間から能郷白山や白山の写真を撮りながら歩く。ヌタ場を通過して尾根に突き当たって、直角に南に向きを変える。右側が人工林となっており、その境を登る。やがてシャクナゲの群落が現れ、道は尾根から右に外れて急斜面をトラバースして再び尾根に戻ると「根上がり桧」と呼ばれるヒノキの大木に到着。ここで休憩。木々の間から花房山が大きく見える。

 この先、尾根を歩き、山頂直下の急斜面を登る。以前は、ザイル付きの斜面の道であったが、その後整備が進み、丸木のステップが作られていた。これを整備された山岳会の皆さんに頭が下がる。登り詰めるとササに囲まれた道となる。道はかなり踏まれているが、まだササの茎が残っており、歩きにくいところもある。たくさんの残雪がササを埋めていた。

 残雪を見ながら歩くと、小津権現山山頂に到着。登山者で賑わう山頂からは、西側を除いてすばらしいパノラマが広がる。春はモヤがかかって展望が得られないのが常であるが、今日は冬並みの展望。周囲を見回しながら、皆で山を同定。よく見ると、御嶽山や乗鞍、穂高なども確認することができた。

 いつものようにミツルさんのブルーシートを広げて昼食。いろいろな食べ物が回ってきた。Katakuriさんの焼き魚やコシアブラの天ぷら、ビーさんのサラダ、モモさんのお稲荷、マダラさんのラーメン、・・・・・。何といってもミツルさんが持ち上げたフライパンや大鍋で作るイカ焼きやナベ。おしゃべりをしながらランチを楽しむ。最近は二人での山行が多いが、大勢で登るオフ会は面白い。コーヒーで締めくくって山頂で2時間のランチを終えた。南から次々と登山者が到着し、美濃の名峰の小津権現山は大人気。

 帰路、同じ道を下った。植栽地ではまだ作業が続いており、ブナ爺で休息。makotoさんからいただいた柏餅が美味しかった。ブナ爺の少し下にはもう一本のブナの大木がある。当初はこのブナの根本に登山道があったそうだが、ブナの根に影響があるとのことで、登山道は木の南を迂回するように付け替えられたそうだ。林道を横断して尾根を下る。帰路も前方から陽が当たり、新芽の緑が逆光に映えて美しい。

 おしゃべりをしながら一気に下って駐車場へ。道の駅まで戻って、また一緒に登ることを約束して解散した。参加された皆さん、ありがとうございました。帰路、小津権現山山麓で花を観察。ニリンソウやイカリソウに出会うことができた。
★小津権現山からの展望



★小津権現山の花


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