トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

大立 (578m 揖斐川町) 2017.4.16 晴れ 2人

久瀬トンネル西口駐車地点(9:50)→高圧線下切り開き(10:34)→鉄塔(10:51)→鉄塔(10:56)→山頂(11:18-12:51)→鉄塔(13:06)→鉄塔(13:12)→駐車地点(14:07)

4月16日に揖斐川町の大立に11年ぶりに登ってきました。
久瀬トンネル北口の右側の階段を登って人工林へ。
スギの落ち葉に覆われて登山道が不明瞭な急斜面でルートファインディング。
人工林を抜け、高圧線下の切り開きで小津権現山を後方に見ながら鉄塔を目指しました。
鉄塔を経由し、天然林の美しいなだらかな尾根を登って、広い山頂へ。
芽吹き始めた美しい二次林でゆっくりと昼食を楽しみました。
下山は飯盛山を見ながら登ってきた道を戻り、人工林の急斜面は滑落しないようにゆっくりと下りました。
夏日の中、急斜面の連続で大汗をかいて登りましたが、里山の美しい春を五感で体験でき、素晴らしい山歩きとなりました。

 大立は国道303号線で揖斐川町の中心地を抜けて2つ目の久瀬トンネルの真上にある。大立には11年前の冬、雪の急斜面に苦戦して登頂した記憶に残る山である。この冬、飯盛山に登ったとき、目の前に見えた大立にもう一度登りたいと思い、雪の消えた4月に登ることに。

 久瀬トンネルを抜けたところにある交差点を左折。トンネル側の角にゲートボール場、その南に自動車修理店がある。ゲートボール場の西側に道路を挟んで草付きの広場があり、ゲートボール場の駐車場のようだ。この日はゲートボールが行われておらず、車は1台も止まっていないので、ここに駐車して靴を履き替えた。駐車場のサクラが満開で美しい。

 車道を横断してゲートボール場の隅を歩き、トンネル入り口南側の草の生えた階段を登る。階段の上は右側が広い空き地になっており、トラックが3台駐車してあった。水タンクの脇を通って再び階段を登ると石垣に突き当たり、左の切れ間から人工林に入る。

 スギ林の中を右にトラバース。足元にネコノメソウを見ながら人工林を抜けると、右に飯盛山と西津汲が並んで望めた。人工林と天然林の境を登っていくと、黄色い鉄塔巡視路標示が現れ、左方向は24番とある。直進方向の踏み跡がしっかりしているが、ここは標示に従って24番方向に左折。
 
 ここから右山でトラバース。スギの枯れ葉が地面を覆っているが、何とか踏み跡は確認できる。鉄塔標示を拾い、ジグザグしながら左へ向かっていく。岩が露出した急斜面の下でルートファインディング。道は極めて不明瞭だが赤テープが所々に付けてあり、それを目印に歩けそうなところを拾っていく。

 極めて狭いトラバース道を通過し、手を地面につきながら急斜面を登った。落ち葉の下は湿った土で滑りやすく危険な場所もあった。鉄塔巡視路のプラスチック階段もわずかに見られたが、ほとんど落ち葉に埋もれて役にたたない。広い斜面で、明瞭な尾根は無く、ジグザグしながら左へ左へと向かう。
 
 前方が明るくなり、人工林を抜けて展望のいい場所に飛び出した。頭上には高圧線があり、この電線の下が帯状に伐採された場所で、北西には小津権現山が望める。展望のいい斜面を登り、大岩を迂回して高度を上げると、眼下に久瀬の集落と揖斐川が見えた。
 
 再びスギ林に入り、伐採地との境を登っていく。踏み跡はほとんどわからないが、赤テープは続いている。人工林に入って10分ほどルートファインディングして登ると前方が開け、鉄塔が現れた。24番鉄塔のようだ。
 
 鉄塔周辺はきれいに木が伐採されており、鉄塔下からの見晴らしは素晴らしい。足元に咲き遅れたカタクリの花を1輪見つけた。次の鉄塔がすぐ南に見え、高圧線の下はきれいに刈り払われている。タケニグサの枯れ木を踏みながらすぐに鉄塔下に到着。
 
 道を探すと左の天然林に向かって踏み跡があり、ここを歩いて天然林の中に入る。二次林でどのようにでも歩ける。左に人工林が続き、その境を一直線に登っていく。シロモジの花が咲き始めたところで、天然林の林が黄色い霧に包まれているように見えて美しい。
 
 スギの枯れ葉を踏みながら、適度な傾斜をゆっくり登る。傾斜が増し急斜面となり、息を切らしながら登りきると大立山頂である。広い山頂の北側は人工林で、南には二次林が広がっている。
 
 天然林の中で三角点を探すと、人工林からかなり離れたところにオレンジ色の山名標示板が木の高い位置に付けてあり、その近くに三角点があった。樹林の中で展望は無いが、まだ葉が出ていないことから、東と南の尾根を少し下がったところに鉄塔があるのが分かる。東の鉄塔は紅白である。

 三角点の近くで昼食にする。メニューはいつもと同じように、おでんと卵雑炊。誰も登ってこない静かな山頂でゆっくりと昼食を楽しみ、最後はコーヒーで締めた。昼食後、紅白の鉄塔まで行ってみようと、東の尾根を下りかけたが、鉄塔まではかなり下りなければならないことが分かり、途中で断念。目の前に見えるのだが・・・。鉄塔の背が高いことがよく分かる。
 
 広い山頂を歩き回って、満開のシロモジの花を観察した。間もなく、この山頂は木々の緑の葉に覆われ、樹間からの展望も無くなるだろう。展望はないが、この山のように落ち葉に覆われた二次林の山頂は大好きである。年間何人の人がこの山頂を踏むのだろうか。そんなことを考えながら、登ってきた道を引き返した。
 
 鉄塔からの急斜面は、遠くのテープを確認しながら、歩きやすいルートを探して慎重に下った。このため、下山も登りと同じくらいの時間を要した。
 
 久しぶりに登った大立であったが、この時期の天然林は美しく素晴らしい。人工林のルートファインディングや鉄塔からの展望、雰囲気の良い二次林など、マイナーな山でありながら魅力いっぱいの低山である。

 人工林は急斜面で道が消えかけているところが随所にあり、初心者向きとはいえない。転落の危険もある。事前に十分にルートを把握し、地図は必携。特に、下山時の人工林は慎重な行動を。紅葉の時期にも登りたい山である。
★大立からの展望と花

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