トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平17総使、第654号)
大茂山 (453m 本巣市) 2008.1.27 晴れ 3人
外山小学校(8:30)→水道タンク(8:39)→尾根【77鉄塔東】(9:00-9:07)→76鉄塔(9:12)→75鉄塔(9:17)→R125−1鉄塔(9:33)→宮谷(9:39-9:48)→R125−1鉄塔(9:53)→73鉄塔(9:58)→126鉄塔分岐点(10:00)→72鉄塔分岐点(10:03)→大茂山山頂(10:27-10:32)→林道工事現場(10:46-10:54)→大茂山山頂(11:06-12:33)→72鉄塔分岐点(12:55)→126鉄塔分岐点(12:58)→R125−1鉄塔(13:06)→75鉄塔(13:18)→76鉄塔(13:22)→77鉄塔(13:27)→NHKアンテナ(13:32・13:35)→コボ山・光のおか(13:43-13:49)→外山小学校(13:55)
国道157号線を根尾方面に向かうと、形のいい山が右手に見える。根尾の山の前衛峰とも言える大茂山である。標高は450m程度と低山であり、人工林に覆われ、人気のある山とは言えないが、157号線を通過するたびに、一度登ってみたいものだと思っていた山である。この休みは冬型がやや緩む予想。雪山を一休みして、冬の里山を歩くこととし、大茂山を選んだ。BOGGYさんの参加を得て、3人で登ることに。
国道157号線を旧根尾村に向かって北上し、本巣トンネルを抜けて神海に近づくと、前方に大茂山が現れる。山頂直下を林道が横切っているのが見える。この林道は大茂山の西から宮谷を遡り大茂山山頂直下を縦断して東の金坂峠近くまで続く宮谷・金坂林道で、まだ工事中で通行止めとなっている。この林道入口の全面通行止の標識を右に、左に樽見鉄道の神海駅を見るとすぐに外山小学校が右手に現れる。右折して小学校の北にある細い舗装道路に入り、突き当たりまで進んで小学校の裏に駐車。トイレは途中の道の駅「織部の里もとす」が最も近い。
身支度してスタート。山沿いを左へ歩く。左側にフェンスが続き、舗装道路は時計と反対回りに10分ほど歩くと、銀色のタンクや鉄塔が現れる。左の山が切り開かれ、巨大な鉄塔が山腹と稜線に立っている。ここが姥坂峠であり、鉄塔巡視路がクロスしている。黄色い標識を確認して、R123方向の南側のプラスチック階段を登る。正面に巨大な鉄塔を見上げながら急斜面を登ると、樹林帯の中で2つに道が分かれている。赤テープがあちこちに付けられておりどれが正しい道か分からないので、2つに分かれて登ってみる。左側の道は次第に東へ向きを変えいくので、途中から右の道へ向かう。右側の道は斜面を直登して2つ頭の大きな鉄塔下に出た。この鉄塔がR123のようだ。鉄塔下にこの先に見える1つ頭の鉄塔が77番であることを示す標識があった。この山には2系列の鉄塔が入り組んで走っている。後方には先ほどのタンクと2つの鉄塔が見下ろせた。
落ち葉を踏みながら、直線に近い急斜面の道を右に谷を見ながら登り、常緑広葉樹の中をなだらかに右にトラバースしていくと尾根に飛び出した。すぐ下に77番鉄塔が朝日にきらめいている。高圧線の下であることから、尾根の南側が伐採してあり、目の前にこれから登る大茂山がなだらかな山容を見せる。山頂にはアンテナが望め、西の山腹には林道と工事車両が見えた。蛇行する根尾川と本巣市の集落も見下ろせる。少し上の伐採地に踏み込むと小島山と池田山の間に男性的な白い伊吹山がきれいに見えた。この位置から見る伊吹山は新鮮である。手前の低山は揖斐川町の城ヶ峰のようだ。
展望を楽しみながら、水分補給をして出発。前方に、これから通過する76・75番鉄塔が見える。アカマツの多い天然林を抜け、左側がヒノキの人工林となっている尾根をゆるやかに登っていく。道に沿ってタフロープが付けられている。5分ほどで展望のない76番鉄塔の下を通過すると、木が伐採された明るい尾根歩きとなる。サルトリイバラの赤い実が所々で見られた。また、花の終わったコウヤボウキもある。前方に鉄塔が近づき、76番から5分足らずで75番鉄塔に到着。ここからの展望はよく、南東の目の前に大茂山がある。直線距離ならすぐに山頂に到達できそうだが、宮谷を回り込まなければならない。その稜線が大茂山山頂から左手に延びている。
なだらかな尾根歩きが続く。赤い葉柄のユズリハを見ながら歩くと、左山で暗い人工林をトラバースしてT字路に突き当った。南へ下ると74番鉄塔。左への登りは73番鉄塔の表示があり、マジックで「大茂山」と書いてある。大茂山の方向とは反対向きに登ることから、間違えないように書き込まれているようだ。急斜面を登るとピークに出る。ここが411mピークで、道は直角に右へ向きを変え、73番鉄塔の方向に向かう。赤テープや黄色い杭が見られる。向きを変えて20mほど先で再び分岐。左すぐ下に2つ頭の鉄塔が見えた。R125鉄塔のようだ。鉄塔方向へ少し踏み込んでみると、少し前に降った雪が地面を覆っており、北側に見える山々が雪雲でかき消されるところだった。天気予報では冬型が緩み、晴れの予想だったのだが。山の天気は分からない。
本コースに戻って歩くとすぐにR125−1鉄塔の下に出た。大茂山へはここから右手の斜面を下ることになるが、R125−1鉄塔から北へ少し下ったところに宮谷と呼ばれる四等三角点があるので行ってみることにした。右に雪で白くなった谷を、左に伊吹山を見ながら、やや左回りで尾根をゆるやかに下っていくと5分ほどで鉄塔下に出た。三角点があり、ここが宮谷である。雪が舞い始めていた。北東が切り開かれ、大きな山塊が目の前にある。右が釜ヶ谷山、左が霜津岳。裏側から目の前に見る釜ヶ谷は初めて。粉雪が舞う中、記念写真を撮ってチョコレート休憩。鉄塔表示はこの先が124となっている。宮谷の鉄塔番号は何番なのだろうか。巡視路はさらに先へと続いていた。
R125−1まで戻って、ヒノキ林の中、雪に覆われた大茂山への道を下る。下りきる手前で左側の見晴らしが良く、東の山へ二系列の鉄塔が連なっている。やや遠方にいくつかの低山が群生している。形からして、汾陽寺山、権現山、天王山、誕生山のようだ。遠くには恵那山が特徴ある山容を見せる。なだらかな道を歩いて126番鉄塔への道を左に分け、その先から尾根を左に外して下り72番鉄塔への分岐に当たる。鉄塔巡視路は72番に向かって下っていく。72番鉄塔は宮谷・金坂林道の近くにあり、林道からこの巡視路を経て、ここまで登ってこれるようである。
ここから、鉄塔巡視路を離れて、稜線歩きとなる。巡視路を離れたとはいえ、道は明瞭。赤テープもある。小さなピークをいくつか越える。一部天然林のところもあるが、多くは左側が人工林となっている。右手前方には樹間から大茂山が見える。ウラジロの群落やアベマキの分厚いコルク層を観察しながら、急斜面を登ってアカマツの大木と出会う。ヤブのうるさい道を抜けて、人工林の中、ササに覆われた道を登る。膝辺りまでのササで、葉の縁が白くなって美しい。上下しながらしだいに標高を稼ぎ、道はいつの間にか西を向いている。右が人工林となり、隙間から先ほど歩いてきた尾根が望めた。
左に蛇行しながら上がってくる舗装道路を見てすぐにアンテナの立つ防災施設が現れる。舗装道路はこの施設への道らしい。施設の奥の一段高くなったところに三等三角点があった。記念写真を撮って、時間も早いので、北側の尾根から見えた山頂西側の林道工事現場まで下ってみることにした。山頂付近のヒノキに「林道まで15分」と書かれた赤テープが巻いてある。大茂山は手の平状に山頂からいくつもの尾根が放射状に広がっており、工事現場の尾根をGPSで確認して下り始める。
明らかな道が尾根を下っていた。テープもあり、こちらからも登ってくる人があるようだ。数分下ったところで人工林が途切れ、人工林の境のテープを追うと北西の尾根に迷い込みそうになった。軌道修正して西尾根を下ると左手眼下に工事中の林道が現れ、さらに進むと伐採地に飛び出した。これから林道工事が行われる場所で、重機や資材が置いてある。樹木が伐採されており、南北の展望がすばらしい。北には西台山、魚金山の大きな山塊と、その左に白く光り輝く小津権現山が聳える。晴れていれば能郷白山など遠方の山も見えるだろうが、北の空は雪雲で埋め尽くされて展望がきかない。宮谷を挟んで歩いてきた鉄塔のある尾根が目の前を横切っている。南には山々の隙間から濃尾平野や金華山が望めた。
写真を撮ったら山頂まで引き返してランチにする。時折冷たい風が吹くので山頂付近で風の当たらない日当たりのいい場所を探した。防災施設に繋がる舗装道路を少し下ったカーブのところを選んだ。この付近のガードレールから南東の展望がすばらしい。美濃の里山が一望できる。遠くに恵那山、南アルプスや中央アルプスの白い山脈が地平線に並ぶ。眼下には本巣カントリー。BOGGYさんが何度も通ったゴルフ場で、コースの状況などを教えてもらった。
ランチのメニューは、BOGGYさんのイタリアン「ラビオリ」と我々のカレーうどん。ラビオリは、前日、BOGGYさんが蕪山に持って行くはずメニューで、蕪山に行けなくなったことから、そのメニューをいただくことができた。初めて食べるエビ入りのパスタで、たいへん美味しかった。頭上のミズナラの木立を小鳥の群れがさえずりながら移動していく。時折雪雲が流れるが、陽が差すと暖かい。すばらしい展望を前に、いろいろな話をしながら1時間半ほどのランチを楽しんだ。
後片付けをして、登ってきた道を引き返す。さほど大きな登り返しもなく、時計と反対回りに歩き、1時間ほどで77番鉄塔まで戻った。帰路は、水道タンクの方向には下りず、77番鉄塔から尾根を直進するコースを下ることにした。77番鉄塔周辺は最近伐採が行われ、北側へ延びる鉄塔群や国道157号線が望める。伐採された切り株をまたいで、西の尾根でルートファインディング。鉄塔巡視路ほど道は明瞭ではないが、尾根上を踏み跡が下っている。木々に付けられたテープも見られる。落ち葉の道を2・3分下るとアンテナがあった。NHKの杭が所々に見られ、アンテナからのケーブルが地面を這っている。すぐに2つ目のアンテナを通過。ケーブルは地面から頭上に移動。電柱が並ぶ尾根を下る。傾斜が増し、かなりの急斜面を、落ち葉を蹴散らしながら、木々に掴まって滑るように下った。
急斜面がややなだらかになった辺りで岩のある疎林の場所に出た。「光のおか」と書かれた青い板が岩に付けられており、「地球アート」のプレートが木に掛けられていた。小学生が作成した板や小枝で作ったオブジェが飾られている。これらのオブジェは「地球アート」と名付けられ、プレートには工作をした子供たちのコメントが書かれている。この辺り一帯は外山小学校の野外活動が行われており、コボ山と呼ばれているようだ。コボ山の山頂がこの「光のおか」らしい。こうした自然にふれ合う取り組みはすばらしいと思った。山頂で食べきれなかった夏みかんを食べる。酸味の強い夏みかんは山で食べると美味しい。
「光のおか」を後に、眼下に見える小学校の屋根を目指して、落ち葉の急斜面をロープに掴まりながら下った。子供の頃、裏山で遊んだ記憶が思い出された。工事中の遊歩道を見ながら小学校の裏に下りた。
大茂山は標高は低いが、登りがいのある山だ。人工林が多く、また山頂の施設まで舗装道路が上がってきていることから、やや面白味には欠けるが、思ったよりヤブも無く、また展望地もたくさんある。特に、釜ヶ谷山や西台山、小津権現山などの展望は新鮮味がある。今度は、目の前に見えた霜津岳に登りたいと思った。
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