トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

猿投山 (629m 愛知県) 2014.3.21 晴れ 2人

雲興寺(9:24)→千日修行記念碑(9:46)→鉄塔(10:05)→トイレ手前の分岐点(10:17)→鉄塔(10:34)→東海自然歩道合流(10:52)→猿投山山頂(11:09-11:16)→東宮(11:36-11:38)→ベンチ・昼食(11:40-12:55)→猿投山山頂(12:59)→海の見える展望地(13:27)→鉄塔(13:49)→林道(13:54)→トイレ(14:10)→雲興寺(14:53)

★3月21日に愛知県の猿投山に登ってきました。
★雲興寺をスタートして、東海自然歩道に入り、谷沿いの道から尾根道へ。
★トイレ手前から自然歩道を離れて山頂への最短ルートに入り、急斜面を登り切って自然歩道へ合流。
★冷たい風が吹く稜線を歩いて、大勢の登山者が集う猿投山山頂へ。
★山頂はものすごい強風で写真も撮れないほどでした。
★すぐに山頂を後に、東へ下って東宮に参拝。
★引き返して、山頂東の風の吹かない南斜面のベンチで暖かいランチを楽しみました。
★帰路は大きく西に回り込む東海自然歩道を歩いて下山しました。
★冷たい強風の吹く寒い日でしたが、咲き始めたショウジョウバカマや大きく膨らんだカタクリなど小さな春見つけの山旅となりました。


 3月下旬、残雪期の山を歩きたいと思ったが、この休みは冬型の気圧配置が日本列島を覆った。やむを得ず、進路を南に向ける。まだ登っていない愛知県の猿投山を選んだ。東海自然歩道が山頂を通過しており、人気の山である。東海環状自動車道を南下し、昨年登った岩巣山と同様にせと品野ICで降りて、県道22号線に入り、せと赤津IC手前から、県道33号線で東進し、雲興寺を目指す。

 左に雲興寺の大きな駐車場が現れた。何台かの車が停まっており、身支度する登山者の姿もある。車を停めて靴を履き替えた。2名の男性の後を追って県道を横断し、橋を渡ったところで左折して、遊歩道に入る。入口には猿投山頂まで5.3km 3.27分と書いてある。こんなに時間がかかるのかとびっくり。後に分かるが、この時間は東海自然歩道を歩いた時間であり、ショートカットルートを歩けばこの2/3以下の時間で山頂に至る。
 
 人工林の中、左に川を見ながら砂の道を歩く。前方からやって来た高齢の男性から声を掛けられた。これから山に登ると答えると「元気やなぁ」と言われた。さらに山沿いに歩き、谷川を渡り、右に向きを変える。東海自然歩道だけあって、道は広くよく踏まれている。ショウジョウバカマがまだ短い花茎の先にピンク色の花を付けている。この花を見ると春が来たと実感できる。

 橋を渡り、前方を歩く2人の男性を追って歩いていると、2人は遊歩道を外れて左の踏み跡の薄い道に入っていく。近道かもしれないと後をついていくと、立ち止まった2人に追いついた。聞けば、この辺りにある記念碑に寄り道するつもりが、道を誤ったとのこと。引き返して遊歩道に戻り、少し登って「猿投山頂 4.6km」の標示板があるところから、左に踏み跡があり、こんどはこの道に入る。
 
 1分ほど歩くと小さな谷を渡ったところに、大きな石碑が立っている。「千日修行記念」と書いてある。どのような意味がある石碑かはよく分からないが、なぜこんな道の無い山の中にあるのだろうか。写真を撮って引き返し、再び遊歩道に戻る。2人の男性とはここで別れて、我々が先行する。2人は谷に下りていかれた。

 右に谷を見下ろしながら、木道を渡り、谷沿いに歩く。木の階段などよく整備されている。大岩が現れ、右方向に向きを変えてウラジロの道をひと登りすると尾根に出た。後方に周囲の山が見えてきた。この山は花崗岩の山であり、道は砂礫で白い。展望のいいところを通過。北西方向が見渡せる。

 なだらかな道となり、展望地から3分ほどで小さな空き地に出た。木で囲まれた小さな柵の中にカタクリが数株植えられていた。蕾は大きく膨らんでおり、間もなく咲きそうである。ここに自生していたものだろうか。このすぐ先の鉄塔手前にはベンチがあり、この隅にもカタクリがあった。
 
 鉄塔の下を潜り、ツバキが多く自生している林の中を歩く。猿投山頂まで2.7kmの標示を通過。地面に落ちたツバキの花を見ながら尾根を歩き、コンクリート角柱の埋まったところから下りにかかる。帰路の登り返しがいやだと思いながら5分ほど下ると小さな橋があり、左に分岐した道があった。3人パーティがどちらに行くか迷っているようだった。案内表示があり、直進は「東海自然歩道」・「至 林道(WC)」、左は「北遊歩道コース」とある。前方に建物があり、トイレのようだ。ネット情報によるとトイレから左に行くのが山頂への最短コース。ここは左に進んだ。
 
 桧平古窯跡を通過して、林道への道と合流。右前方にピークが見える。左にコンクリート壁のあるところで、道を修理してみえる男性二人に挨拶。この道が山頂への最短コースであることを教えてもらった。道が間違っていないことを確認して、コンクリートの道を登る。カンアオイの花を見ながら人工林を抜けて鉄塔脇を通過。痩せ尾根を抜けて右に直角に曲がるところで小休止。前方から単独男性が下ってきた。
 
 休憩の後、急傾斜の道に取り付く。木の根がむき出しになった道を一歩一歩登っていく。後方には先ほど通過した鉄塔が銀色に輝いている。愛知県と書かれたコンクリート柱を右に、急登が続く。大岩が現れ、その左側を抜けて痩せ尾根から再び急斜面。10分ほどで急斜面が終わり、ベンチのある小広場に出た。西や北側の展望が得られる。今、登ってきた道は、「東京大学の私有地で立ち入りはご遠慮ください」との看板があった。登ってくるときにはこのような標示がなく、北遊歩道コースとしっかりした標示がある。一体どうなっているのだろう。

 ベンチを後に山頂を目指す。一旦下って、小ピークを越えていく。山頂まで0.3kmの標示を通過し、右に人工林がある稜線を歩き、丸木階段を登っていくと大勢の登山者で賑わう猿投山山頂に着いた。北が切り開かれており、展望はいい。三角点の脇に1株のシュンランが植えてある。ものすごい北風が吹いており、寒いので登山者はすぐに山頂を後にする。写真を撮ろうとテープルの上においたカメラも風に飛ばされるほどの強風である。

 アウターを着て、さらに東にある東宮に向かう。人工林を右に、登ってくる登山者と挨拶をしながら、数分下ると、東宮まで0.5km・15分の標示。ここから遊歩道はピークを避けて右に向かっている。蛙にそっくりの大きな岩に感心しながら歩くが、なかなか東宮に着かない。登って来た女性にどれくらい先に東宮があるのか聞いてみたが、よく分からないと言われた。
 
 ピークを右に巻いていくと、緑色の鉄階段があり、その先に東宮があった。立派な本殿であり、また広い境内に驚いた。さらに下れば猿投神社に至るようだ。今日はここまで。参拝をして引き返し、稜線に出たところで、戻るようにピークの薄い踏み跡を少しだけ辿ってみた。後に、このピークが猿投山山頂よりも高いことが分かることになる。

 引き返しながら昼食の場所を探した。山頂手前の南斜面に雛壇状になったベンチがあり、何人かが昼食中だったので、ここで食事にした。メニューは味噌煮込みうどんと卵雑炊。風もなく暖かい陽だまりの中で、昼食を楽しむ。足元のスペースが狭く、コッヘルやガソリンボンベがコロコロと転がり落ちた。「千日修行記念」を一緒に見に行った2人の男性と再び出会い、東宮西側のピークがこの山の最高点であることを教えてもらった。1時間以上、ゆっくりと昼食をとって、山頂へ引き返す。相変わらず山頂は強い風が吹いており、山頂から少し西に行った、風の無いベンチの前で写真を撮った。

 登って来た道を下って、往路で自然歩道に合流したベンチまで戻って、ここからは正規のルートを下る。かなりの大回りをしてトイレのある場所まで下ることになる。ベンチを後に、丸木階段を下り、砂礫の窪地を滑らないように下りて行く。右手に奇岩を見ながらさらに下ると、道が二股に分かれているところがあり、恐らく右に行くとトイレへの道が分岐していると思われた。この先でベンチが現れた。南西の展望が得られ、遠くに海が見えた。手書きの地図があり、渥美半島や神島が見えるそうだが、今日はやや霞んでおり、海がかろうじて見えたが、島までは見えない。

 展望地から数分歩くと、鉄塔が現れ、高圧線の下を通過してすぐにベンチを通過。砂礫の道を右山で下る。かなり窪んだところもある。右手に大岩があり、登ってみると多少ではあるが展望が得られた。遊歩道に戻って、窪んだ砂礫の道を下っていく。雨水で1.5mほどの深さにえぐり取られたところもある。左にある鉄塔脇を通過し砂礫の下りが続く。

 山頂から1時間近く歩いているが、まだ折り返し地点に到達しない。どこまで下るのかと思っていると、前方にベンチと未舗装の林道が見えてきた。ここが折り返し地点となる。右折して林道歩きが始まる。S字カーブを通過して、上り坂の林道を歩く。緩やかな登りであるが、これが結構疲れる。林道を10分ほど歩いたところで、道が分岐しており、その手前に水場があった。冷たい水を飲んで一息つく。
 
 ここから更に数分歩いて、ようやくトイレのある場所に着いた。林道はさらに続いている。また、右の樹林帯の中に道があり、林道を歩くことなく東海自然歩道の途中に至る道と思われた。車が1台停まっており、往路で登山道を補修していた男性が作業を終えたところだった。しばし山談義。カタクリの花が咲いているかもしれないと言われた。
 
 男性と別れて、往路に合流し、大下りした道を登り返す。思ったよりも難なく登り返して、鉄塔下を通過。カタクリを見てみると、蕾は午前中よりも大きく膨らんでいた。明日には確実に咲くと思われた。帰路、展望のいい道からは、手前の山の向こうに昨年登った岩巣山が見えた。雲興寺から自然歩道を歩いて岩巣山に向かうのも面白そうである。尾根道から谷道を経て、雲興寺に戻った。靴を履き替えて、雲興寺に参拝。本堂の前にある梅の老木が薄桃色の花を咲かせ始めていた。

 思ったよりもロングコースで、天然林が多く、変化に富んだ本格的な山歩きができた。東海自然歩道は案内板などがよく整備されている。砂礫の道が多く、スリップには注意が必要。次回は、猿投神社から登ってみたい。
★猿投山からの展望

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