品又山 (1046m 坂内村) 2004.2.8 雪のち曇り後晴れ 13人
奥伊吹スキー場第1リフト(8:50)→(第1・第8リフト使用)→第8リフト終点スタート(9:30)→品又山山頂(9:50-10:13)→品又山東雪原・昼食(10:34-12:50)→スキー場ロッジ前(13:50)
【参加者】カッペさん、葵のMさん、風花さん、kuさん、sizukaさん、ブルさん、katakuriさん、blueskyさん、和たんさん、らぶさん、ジオンさん、らくえぬ、RAKU
揖斐の春日村の奥にはすばらしい山が連なっている。1月に登った貝月山からブンゲン、虎子山、国見峠を経て前回雪に苦戦した国見岳、伊吹北尾根から伊吹山へと続く。この中で、まだ踏んでいないのはブンゲン。雪の時期に踏んでおきたいと思った。
掲示板「クーの山小屋」に「ブンゲンに行きた〜い」と書き込んだら、カッペさんから「ブンゲンは雪が締まってから」との書き込み。すぐに「でも登りましょう」と再び書き込み。この言葉に従って2月8日にブンゲン登山を決めると、多くの掲示板常連さんから参加の手が上がった。テレマークスキー組みの風花さんとkuさん、スノシュー初めてのblueskyさん、1800年隊3人、和たんさん、らぶさん、ジオンさんのグループ、カッペさん、葵のMさんの名コンビ。総勢13人。これは面白くなりそうだ。
週間天気予報は2月に入ってすっかり冬型に変わった。予定日が近づいたが、天気予報は思わしくない。滋賀県境の山は強風と大雪が予想されたことから、悪天候の場合の代案の山を募った。ところが、なぜか代案は揖斐の山が多い。どうせ雪の降る中を登るなら少しでもリフトで上がれるブンゲンに決めた。掲示板で歓声が上がった。
揖斐方面は毎日雪雲に包まれており、奥伊吹スキー場の積雪は150cmから7日には180cmに増えた。事前にカッペさんに奥伊吹スキー場と交渉していただき、8時30分前ならスキー無しでもリフトに乗れること、登山届けを出すこと、スキー場の隅を下山することなどを遵守すればよいことが分かった。
和たんさんには前日にスキー場までの下見をしていただき、道路に雪がないとの情報をいただいた。北陸ではワンゲル部の大雪による遭難のニュースが飛び込んできた。冬型は週末まで続く予報だが、冬型はやや緩み8日の奥伊吹スキー場の天気予報は雪だるまマークが曇りマークに変わった。後はblueskyさんに期待。
8日の早朝、それぞれの待ち合わせ場所で車4台に乗り合わせて、奥伊吹スキー場8時集合に間に合うように関ヶ原バイパスから国道365号線に入り、奥伊吹スキー場の案内標識に従って姉川を遡る。昨夜降った雪で路面は真っ白。チェーンを着けるために路肩に寄せた関西方面のスキーヤーの車を追い越しながら山の中に入っていく。各車に携帯電話を入れようとしたが、圏外で連絡できない。
いくつかの集落を抜け両脇に1mくらいの雪の壁を見ながら除雪車の後ろを走ると奥伊吹スキー場の料金所。駐車料金は休日は1000円。既にかなりの車が到着しており、3つ目の駐車場に誘導された。車から降りるとkuさん。後2台も予定通り出発しているとのこと。用意をし終えて全員の到着を確認。リフト券売り場の前まで移動。
登山届けを出すためにリフト券売り場横のパトロール事務所を訪れた。女性職員に届けを提出すると態度がこわばった。「登るのを止めることは出来ませんがお勧めできません」。北陸ではワンゲル部遭難の最中。責任者の方がやって来て、いろいろと説明していただいた。電話を入れたカッペさんのことを覚えてみえた。
説明を要約すると、「現在、昨夜の雪でゲレンデを整備中でありリフトは全て停止中。ブンゲンへは南の4本のリフト(第1・第8・第9・第10リフト)を乗り継ぐが、上2本は10〜11時頃まで動かない。これを待っていてはブンゲンに行く時間がない。ブンゲンへの稜線は胸まで雪があり、スノーシューでも困難。昨日、伊吹山まで行くビバークパーティーが入っているが、昨夜の雪でトレースは消えている。未整備ゲレンデは穴があくため歩かないこと。リフトは荷物をかかえて乗ること。」・・・これを聞いて、ブンゲンは無理と判断。南の2番目のリフトからブンゲンとは逆にゲレンデを登ったところにある品又山展望台を目指すことにした。
事務所からリフト担当者に連絡していただき、スキー無しでリフトに乗ることの許可をもらった。我々のために30分近くも親切にアドバイスをいただいたことに感謝。スキーヤーだけでなく、スキー場から登る登山者に対しても安全第一を考えるこの対応には頭が下がる思い。お手数をおかけしました。
第1リフトが動き出した。すでに多くのスキーヤーやボーダーが並んでおりその列に混じって並ぶ。雪は小降りになった。隣に初対面のらぶさん。先ほどらぶさんから挨拶をしていただいたみたいでしたが、とりこんでいて気が付かなかった。すみません。和たんさんとはご近所のつき合い。和たんさんのHPにも登場するコンビ。
このリフトは2人乗り。1回300円。ザックを抱かえて、スノーシューが引っかからないように乗ったらすぐに足を上げる。ストックを持っているためなかなか難しいが、皆さん何とか乗ることができた。問題は降りる時。スノーシューはスキーのように滑らない。跳ぶように降りて走らないとリフトに押しつぶされる。次の第8リフトでは顔面から着地した人もいてリフトが止まった。また、乗るときにスノーシューが脱落して後続のスキーヤーに持ってきてもらったという人も。リフトに乗るときはスノーシューは付けてはいけないことを知った。
第8リフト上部で全員集合。本来、ブンゲンへは第9・第10リフトを乗り継ぐが、整備中で動いていない。ここから左のアルペンコースの縁を歩き品又山を目指す。スキー場のパンフレットには日の出山と書かれており、展望台がある。新雪は除雪されており、軽快にスノーシューイング。雪の下には空洞もあるようで、ツボ足のブルさんは片足が雪の中に沈み込んだ。
雪はやんだが、曇り空で展望はない。15分ほど登って第5リフトの終点。品又山山頂は東側の雑木林の中。カッペさん先頭にここから深い雪の中を登る。木々の霧氷がすばらしくきれいだ。折り返しながら、うるさい枝を分けると、草色に塗られた螺旋階段の大きな展望台が現れる。ふかふかの新雪をラッセルして展望台をくぐったところが品又山山頂。
雪はやみ、しだいに雲が切れてきた。周囲の雪山が美しい。ブンゲン方面へは現在使われていない第6リフトが尾根づたいに延びており、その先は雲に霞んでいる。東にアンテナのある山は貝月山のようだ。先月下った雪屁の尾根が白く見える。雲間から白い太陽が顔を出し、周囲の雲を虹色に染めている。時たまチラチラと降ってくる雪がキラキラと輝いて美しい。
全員が揃ったところで記念撮影。山頂で昼食にしようかという声もあったが、ここの地形をよく知っている風花さんの案内で、坂内村から上がってくる林道終点辺りに場所を移動することとした。一旦、品又山入り口まで戻り、第6リフト乗り口から左の急斜面を降りる。風花さん・kuさんのスキー組みが降りた後、みんなでシリセード。新雪でなかなか滑らない。
この辺りの景色は最高。風が作ったなめらかな雪の曲線、霧氷の木々、風になびくススキ、青空に白い雲。雪の山はいい。ふかふかの新雪の中、宴会場を探す。日越峠方面を見下ろせる辺りで宴会と思ったが、その先を見に行ったkuさんが風のない場所を見つけたのでそこへ移動。ちょうど品又山の東になる。北の急斜面には大きな雪屁があり美しい。この斜面の向こうはゲレンデである。
雪を踏み固め、円陣を組んで宴会開始。katakuriさんの新潟のお酒を御神酒にして乾杯。さすがおいしいお酒だ。今回は、寒いことが予想されたため、メニューは各自自由。皆さんの得意の品が続々登場。今回はリフトに乗るためザックを軽量化するはずだったが、それを無視したメンバー多数。ジオンさんは新調した45リットルザックに食料が詰まっていた。
カッペさんの定番、高級和牛の焼肉にはじまり、katakuriさんのネギトロ、ジオンさんのナベと唐揚げ、和たんさんのおやき(貝月山でのブラックポットさんのおやきがおいしかったので、同じ品物を取り寄せたとか)、葵のMさんの生湯葉、sizukaさんはいつのようにビールたくさん、ウチは定番となった鶏の薫製とフカヒレ雑炊。不安定なガスストーブのため熱燗や甘酒がひっくり返って雪に大きな穴が空きました。甘酒風味の雪をすくって食べた人も。デザートはblueskyさんのイヨカンや風花さんのチョコレートケーキ。
宴会の合間に周囲散策。深い雪の急斜面に挑戦した和たんさんとらぶさん。酔っぱらいギャラリーの声援で雪まみれで崖を登り切る。登る人は必死、でも見ている人は大笑い。品又山の雑木林から差し込む午後の柔らかい日差しの中で、雪に囲まれてのランチは最高でした。
2時間以上の宴会の後、ブルさんを先生にらくえぬのピッケルによる滑落防止訓練。急斜面でも深い新雪でなかなか滑落しないが、基本姿勢は習得。第5リフト終点に出ると、かなり雲が取れ、薄っらと金糞岳が見えた。この時期にしか見ることのできない雪の大パノラマがすばらしい。
帰路は第5リフト上部から一番北側にあるダイナミックコースの隅をぐるりと回ってロッジまで下る。風花さんやkuさんはテレマークスキーで颯爽と滑っていく。かっこいい。ジオンさんはシリセードするがなかなか滑らない。ブルさんはよく滑る。ゲレンデ縁のふかふか雪の中を歩いたりしてゆっくりと下山。ヤドリギがオレンジ色の実をたくさん付けてきれいだ。パトロール事務所で下山報告。歩いた距離は僅かでも、とっても楽しいオフ会となった。
ブンゲンへはスキー場が終了した時期に登ることにしよう。参加された皆さん、ありがとうございました。
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