トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平17総使、第654号)
石谷〜城ヶ峰 (288m 岐阜市) 2008.11.29 晴れ 2人
車道脇登山口(13:37)→ピーク・岩の展望地(13:59-14:05)→石谷・三角点(14:11-14:15)→基準点(14:34)→城ヶ峰山頂(14:50-14:57)→鉄塔(15:08-15:27)→常國寺(15:45)→車道脇登山口(16:17)
多忙な11月。最後の休日の午後の空き時間に近場の城ヶ峰に登ることにした。この山は6年前に山の東の麓にある常國寺から鉄塔を経て、ヤブをこぎ山頂を踏んだ。その後、山頂からさらに稜線を西端まで歩けることを知った。多くのレポートでもこの縦走コースが紹介されている。いつか歩きたいと思っていたコース。日の短いこの時期にも半日あれば歩けるそうだ。
今回は、西から東へ歩くことにする。西の登山口は確認済み。環状線から北部体育館の横を通って北進し、東に紅白の鉄塔が立つ城ヶ峰を目指す。上城田寺東の信号交差点に突き当たったら左折して、城ヶ峰を右に見ながら西に向う。右には山が迫り、左には伊自良川が迫ってくる。山を巻く手前に山すその柿畑に登る数段のコンクリート階段が現れる。ここが登山口となる。階段の手前に退避スペースがあるが、交通量が多いことから、近くの柿畑の農道の脇に車を停めた。柿の収穫も終わっており、農作業の邪魔にならないことを確認。
階段を登って岩の崖を右に樹林帯に入る。急傾斜の斜面を、散ったばかりのコナラの葉を踏みながら登る。落ち葉が敷き詰められているが、道が確認できないようなことはない。後方から車の走る音を聞きながら、一気に標高を稼ぐ。数分登るとややなだらかになる。右手にヒノキの林がある広い尾根を、クリのイガやコシアブラの白い落ち葉を足元に登ると、ヒノキ林は左手にかわり、右手が開けた場所を通過。白く輝く伊自良川を眼下に、南東には金華山から水道山まで、美しい稜線が見える。
倒木を潜り、岩とコシダの斜面を登っていくと、石が散在した明るいピークに出た。ピークの右を巻こうとしたところで、右手下方に大岩がある。踏み跡があるので大岩まで下ると、すばらしい展望が待っていた。左手にはこれから歩く稜線と城ヶ峰山頂、紅白の鉄塔が望めた。ちょうど紅葉が一番美しい時期であり、雲の隙間から差し込む日の光が紅葉の山肌をなでる。コナラを中心とする茶色の紅葉ではあるが、緑の常緑樹とモザイクになって美しい。右の城田寺の田園の中央には城田寺団地がぎっしりと詰め込まれて面白い。ここでも金華山が美しいシルエットを見せる。岐阜大学の白い建物群の向こうにシティータワーが霞んでいる。
展望を楽しんだら、ピークまで戻り、少し下って登り返すと三角点のあるピークに着いた。ここが石谷と呼ばれる三角点のある山頂である。石谷という名前はこのピークの北にある地名であり、この名前が付けられているようだ。山頂に立つタカノツメが黄色く紅葉して美しい。
写真を撮ったら東の方向へ水平に歩く。時折、赤いテープが見られるが、道は明瞭。暗いヒノキの幼木地帯を抜けて、すぐに共同アンテナの下を通過。緩やかに下って、登る。この辺りには、タカノツメの低木が多く、黄色に紅葉して見事だ。近場の里山でもこんなに美しい紅葉を見ることができるのは驚きである。小ピークを越えると、一気に下りにかかる。鞍部まで下ると、地面には落ち葉とドングリに埋もれた一級基準点があった。
ここから登りにかかる。小枝がうるさい紅葉の急斜面を一歩一歩登る。後方には北西の山々が望めた。左に見える山は祐向山であろうか。数分で登り切ると小さな御社が現れた。コンクリート造りの社で、屋根を支える柱が折れていた。また、甘酒の入ったビンが供えてある。さらに東へ稜線を歩くと、今度は展望のいい尾根に出た。振り返れば、歩いてきた稜線のピークが望めた。
なだらかに登っていくとすぐに広い場所に出た。松の木が横たえられたベンチと、いくつかの山名標示板が木々に付けられている。ここが城ヶ峰山頂である。6年前に来たときとは全く異なる山頂となっていた。以前は登る人も少なく、潅木に覆われた荒れた山頂であったが、今では疎林で南の一部が切り開かれ、展望もある。写真を撮って山頂を後にする。東にはピークの向こうに鉄塔が見える。山頂から東へ2つほどのピークを越えるが、以前はかなりのヤブで、道を誤りかけたことを思い出した。今では、道ははっきりしており間違えるようなことはない。
北の椿洞へ下る道を左に見てすぐに紅白の鉄塔下に飛び出した。鉄塔の太い足はオレンジ色に塗られている。東には百々ヶ峰が、西には登り始めた山すそが望めた。かなりの距離を歩いてきた。コーヒーを飲む時間があったので、鉄塔のコンクリートに腰掛けて湯を沸かし、熱いコーヒーを楽しんだ。飲み終わる頃、ポツリと手に水滴が落ちてきた。いつの間にか濃尾平野の展望は無く、黒い雲が西の空を覆い、頭上を見上げると、ちょうど青空と雲の境目になっている。西の展望が無いのは雨が降っているからだろう。西からの雲の流れが速い。雨になると予想して、急いでザックを背負い、鉄塔を後にした。
東のピークからジグザグと急斜面を下る。黒い雨雲に覆われて、樹林帯はかなり暗い。車の走る音が大きくなるころ、本格的に雨が降り出した。折りたたみ傘をさして下るとすぐに常國寺に着いて道路に出た。前線通過と思われる強風と雨の中、集落の中を西へ歩いた。太陽が西の低い位置に輝き、狐の嫁入りのような天気雨。城ヶ峰に美しい虹のアーチがかかっていた。柿を収穫していた農家の方と虹を眺めた。雨が止み、西日が差す農道を歩いて車まで戻った。
城ヶ峰は標高300mにも達しない低山であるが、西から東端まで稜線を歩くと、結構本格的な山歩きが楽しめる。展望地もあり、この時期、紅葉も美しい。道も明瞭で、以前のようなヤブをこぐこともない。金華山や百々ヶ峰に並ぶ岐阜市の名山である。
★城ヶ峰からの展望
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