ソノド (926m 上石津町) 2004.12.19 晴れ 16人

崩壊地手前駐車地点(9:36)→ソノド藪谷コース入り口(9:48)→杉植林地(10:45)→谷離脱(11:00)→ソノド山頂(11:39-13:42)→谷合流(14:19)→林道合流(15:00)→駐車地点(15:10)

【参加者】takatanさん、駒さん、庚申草さん、sizukaさん、katakuriさん、makotoさん、sumireさん、ジオンさん、らぶさん、ねじさん、HP「養老の三角点」管理人のGさん、kuさん、やかんさん、kitarouさん、RAKU、らくえぬ

 HP「2001山遊びの会」では毎月公開登山が行われており、ネットで参加者を募るというユニークな企画である。昨年の忘年登山の三国岳に参加して以来、この会に参加していなかった。1年に1回は主催者のtakatanさんにお会いしないと年が越せそうにない気がして忘年登山に参加表明。2週続けての忘年登山である。

 今回の山は昨年の忘年登山に続きtakatanさんのふるさとの山「ソノド」。「ソノド?」そんな山があったのか、地図を調べてみると、あるある。上石津町時山集落の北側にあり、霊仙山から派生している尾根の1つ。昨年の忘年登山では三国岳に登ったが、ちょうどその反対方向に当たる。別名「霧ヶ峰」と呼ばれている。ガイドブックにはソノドを経由して幾里山を周遊するコースもあるらしい。いずれにしろマイナーな山であることは確かである。

 鈴鹿の山はカタカナの名前の山がいくつかあるが、ソノドの名前の由来は今回初対面のGさんのHP「養老の三角点」によると次のように記されている。〜「鈴鹿の山と谷」@136〜7頁に「ソノ」は「ソネ」(山上の長く続いた尾根)の転化で、「ド」は「渡」(牧田川の渡合)ではないかと記載されている。〜

 8時に上石津町の総合体育館に集合。30分ほど早く着いたが、既にmakotoさん、sumireさんご夫妻が到着していた。順次、メンバーが集合。takatanさん、ねじさんとは1年ぶり、やかんさんとは鳩吹山新年会以来2年ぶりであり、「やっとかめです」と挨拶。今回の初対面はHP「養老の三角点」管理人のGさん。HPからも分かるように、三角点に関するデータは豊富であり、まさに学術的な資料として活用できる域に達している。根っからの山男をイメージしていたが、お会いして想像とかなりのギャップ。その風格は大学教授を思わせる。養老を中心に山を歩かれている回数も多く、いろいろなことを教えていただけそうだ。ここでハプニング。風花さんが登山靴を忘れてしまい、今回は参加しないということで実に残念。お酒と年期の入ったパイナップルの缶詰の差し入れを頂いた。

 緑の村近くで庚申草さん、kitarouさんと合流。kitarouさんとも初対面の挨拶。緑の村から南にすぐの峠を越えた交差点から国道365号線をはずれ、右折して時山方面に向かう。烏帽子岳への登山口でもある時山バンガローに大きな駐車場があり、ここで乗り合わせてソノドの登山口に向かう。

 時山バンガロー村からさらに西進し、狭い道を抜けると右のブロック壁を斜めに登る細い道がある。標識は無いが、ブロック壁の上にある3つほどの墓石が目印。ここを通り越してかなり進んで、間違いに気が付き狭い場所でUターン。この時、不注意で駒さんの車にゴッツン。駒さんごめんなさい。今年は上高地、金草岳、そして今回と、車のトラブル続きで反省。気を取りなおしてUターンして、ブロック壁の坂を登る。ここからは狭い未舗装の悪路。左に藪ヶ谷を見ながら道を横切る排水用のくぼみをいくつか乗り越えていく。今年の台風で谷側がえぐれ、大石で谷川に寄れないようにしてある狭い場所もある。

 庚申草さんの車が先導するが、ついにストップ。路肩崩壊と山側からの土石流で車の通行は不可能に。手前のふくらみに車を停めて、歩くことに。10分ほど歩くと右からの谷が合流し、コンクリート路面を水が流れている場所を通る。ソノド藪谷コース登山口を示す小さな標識が林道右手にあり、踏み跡が谷沿いに右へ伸びている。ここが登山口となる。

 まずは谷を右に見ながら歩き始める。踏み跡は明瞭とまでは言えないが、しっかりしている。何度も谷を渡り返す。V字に切れ込んだところや、小さな滝も見られ、春にはいろいろな花が谷を埋め尽くすと思われる。流れを飛び石で渡るが、浮き石も多く要注意。特に水量が多い時期には渡りにくい。斜面につけられた細道を歩く場所もある。夏にはヒルがたくさん出そうな場所である。谷沿いには石積みで囲まれた人工物は炭焼きの跡のようだ。この辺り一帯は人の手が入った2次林となっており、葉を落としたこの時期、美しい癒しの世界を創り出している。前方にはソノド方面の稜線が見える。

 登山口から20分ほど歩いたところで休憩。ミカンや飴を頂いた。谷歩きは続く。谷川の両脇に整然とならぶ石積みが見えてきた。古い砂防堰堤かと思ったが、ワサビ田の跡だそうだ。ここからルートは谷を右に渡り斜面に取り付く。道の踏み跡は薄く、斜面は落ち葉に覆われて、テープを探しながらのルートファインディング。目印は谷の右手上部に一塊りの杉の植林。この杉林の中を踏み跡が続いている。杉林の中は低い潅木の中を歩く。ここに道が出来て間もないようだ。葉のないこの時期になんとか道は確認できるが、夏にはヤブ状態になりそうだ。

 杉林をすぐに抜けて、天然林の急斜面を登り再び谷に出会うが、すでに水はなく涸れた谷となっている。谷を真っすぐ遡る。正面の尾根が近づいてきた。再び道は谷の右斜面に駆け上がる。いよいよ谷から尾根への急な登りとなる。この辺りも、落ち葉で道は不明瞭。テープを確認しながら登るが、テープは古いものが多く、テープが付けられた木が枯れ、倒れているものもいくつかみられた。

 大きな岩尾根が現れた辺りで、テープが見当たらなくなる。ここで庚申草さんは左の岩尾根に取り付き、駒さんは右の斜面を登る。2つのグループに別れて登りにかかるが2つのルートは次第に開いていく。最後尾を歩くソノド3回目のGさんから右の尾根に取り付くのが正解と聞いたので右の斜面を登る。所々、ジグザグに道があるような気がするが不明瞭。潅木につかまりながら急斜面を息を切らして登る。左のグループに「右だよ」と声を掛ける。後方には今登ってきた谷が見下ろせ、その向こうには美しい三角形の山が見える。後にkuさんに調べてもらったが、コザトか鍋尻岳のようだ。

 その頃、左方向に登ったらくえぬはねじさんに助けられながら、四つん這いで急斜面を登っていた。katakuriさん、sizukaさんはスミレの花の写真撮影。右へ右へトラバースしていく。食料班を置いてきぼりにするとは・・・と怒りの声も。

 ようやく尾根らしきところに出る。帰路、この尾根を直進してしまいそうなので、目印として枯れ木を節の穴に突き刺しておいた。左グループの庚申草さんやsumireさんと合流して斜面を登るとすぐに稜線に出る。稜線に出て直角に左に曲がることになるが、ここには薮谷林道を示す小さな表示板があり、帰路、直進してしまうようなことはない。

 2次林の尾根の道は明瞭ではあるが、尾根は広く疎林であり、道でなくても歩ける。テープが無ければきわめて迷いやすい場所である。道にはたくさんのシロバナのスミレが咲いている。先週に引き続き、駒さんが地面に張り付いて写真撮影。先ほど、左手に登ったグループがまだ登ってこないので、到着を待った。しばらくして全員集合。急斜面でかなり苦戦したようだ。この辺りはシカの糞がたくさん落ちており、ソノドの先ににある幾里山は別名「鹿遊び」と名付けられているのがうなずける。

 迷路のような潅木の中を歩くとすぐにソノド山頂に到着。潅木の中の少し開けた中央に三等三角点があった。Gさんから三角点の説明を受ける。三角点の文字が書かれているのは主に南側であることを初めて知った。山名表示板の前でkuさんのカメラと2台で記念撮影。ここから2〜30mほど南に下がったところに反射板跡地の広場があり、ここに移動して昼食の準備。この広場からも展望はすぐれないが、西側には潅木ごしに見える巨大な霊仙山がすばらしい。南には烏帽子岳、藤原岳、御池岳、鈴北岳等鈴鹿の山が並ぶ。

 車座になって忘年会開始。先週の鍋倉山の再現である。katakuriさんの好評の豆乳鍋、今回初登場の大根の煮物。重い食材を持ち上げていただきご苦労様。初登場といえば、天蓋山の串揚げに続く庚申草さんの第2段はお好み焼き。袋の中でこねるのがコツ。すばらしく美味しいお好み焼きをこんな山の中でいただけるとは・・・。やかんさんからチーズちくわ、らぶさんからはいなり寿司、makotoさん、sumireさんからはすき焼き風うどん+餅、ねじさんからサンドイッチ、takatanさんはお母さん手作りのおにぎり。

 ウチも先週と同じパターン。シュウマイの代わりに肉まんを16個を2回に分けて蒸した。燻製各種は定番。味噌煮込みうどんを作る予定にしていたが、食べ切れそうにないので、野菜や魚の食材提供のみ。ビール、チュウハイ、日本酒、シャンペンなどお酒も一杯。今回は名コンビの参加に天蓋山の再現を期待したが、ちょっと自粛気味。

 デザートも豊富。やかんさんのイチゴ。らぶさんの赤福餅、sumireさんとジオンさんからの手作りバウンドケーキ。風花さんが提供していただいたパイナップル缶はジオンさんの手であんみつに変身。最後にコーヒーで締めて忘年宴会終了。今回も食べ過ぎでした。

 あっという間の2時間の宴会のあと後片づけをして下山開始。山頂近くで靴の紐が緩んだので締めているうちに、一人取り残された。下りていったグループの話し声も聞こえない。誰もいない。静粛でセピア色の世界は、まるで時間が止まっているかのような錯覚を覚えた。人が踏み込んでは行けないような場所に来てしまったとも思った。kuさんが山頂でポツリと言った言葉が思い出された。「一人で来る山じゃないな」

 急斜面にさしかかったところでグループに追いつく。行きに印をつけた下り口を忘れて、やはり行き過ぎて涸谷に下る。とんでもない急傾斜である。落ち葉の中をシリセードで下っている人もいる。すべって尻餅をつくメンバー続出。左右に移動しても状態は変わらない。ストック不要。木にぶら下がりながら、垂直に近い斜面を下る。おまけに下部は崩れてきた礫が堆積したような場所であり、踏ん張りがきかず、ずるずると下る。

 谷に下りて、先ほど右グループが登ってきたルートはもう少し上にあったことが分かった。杉の植林地を抜け、谷をひたすら下った。途中、美しい渓谷を写真撮影。鉄塔巡視路の黄色い標識をGさんが写真撮影。Gさんは鉄塔番号の地図も収集されているようで、2本並ぶ鉄塔は地域によって「L」「R」と「甲」「乙」の2種類あることを教えていただく。

 林道に出て、おしゃべりしながら車に戻った。未舗装の林道を抜けてバンガロー村に向かっていると、車体の下で何かが当たる音がした。「何だろう。」といいながらバンガロー村の駐車場へ。先ほどまでついてきた後続車がしばらくして到着。「何か落とさなかった?」「?」「ホイールキャップ!」 拾っていただきありがとうございました。車のアクシデントのだめ押しでした。

 帰路、近くの喫茶店で山談義。昔、幾里山に飛行機が落ちたGさんの話しや、takatanさんの山を始めたきっかけなどを興味深くお聞きした。「こういう山は山と戦っているような気になるんですよ」と、takatanさん。確かに。通常の山は自分との戦いであるが、藪山や雪山、岩登りなどは山との戦いである。その裏には危険も付き物。ソノドの踏み跡は決して濃くはない。地図など万全の装備で、できれば経験者と登られたい。このワイルドな山歩きは実に楽しかった。「また、来年もよろしく。」と、皆さんと別れた。今度、ソノドに登るときには幾里山まで足を伸ばしてみたいと思った。
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