トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平22業使、第490号) 
水晶山 (459m 瑞浪市) 2011.7.10 晴れ 4人

竜吟の滝駐車場(9:31)→自然ふれあい館(9:52-10:05)→梵天の滝(10:48)→逆川の小道分岐点(11:09)→竜吟湖トイレ(11:27-11:35)→水晶山山頂(11:54-13:25)→東屋(13:42)→自然ふれあい館(13:55)→駐車場(14:09)

★7月10日に瑞浪市の水晶山を歩いてきました。
★今回は館長さんとMIZUさんの4人で植物観察会。
★竜吟の滝の駐車場をスタートし、自然ふれあい館でコースを確認。
★「七滝の小径」に入り、豊富な植物を観察しながらゆっくりと谷を詰めました。
★「せせらぎの小径」「逆川の小径」を経由し、竜吟湖を見て、水晶山へ。
★水晶山山頂の木陰で、さわやかな風を感じながら昼食。
★山頂の岩の展望地からは、梅雨の明けた青空に湧き上がる入道雲の下、屏風山など周囲の山々の夏の緑がきれいでした。
★山頂から炎天下の丸木階段を汗だくで下山。
★ナツツバキの大木やシロバナシコクママコナなどにも出会い、真夏の低山歩きを楽しんできました。

 今から30年も前になろうか。国道19号線を走ると、いつも目に飛び込んでくる「竜吟の滝」の標示板。この標示につられて、細いわき道に入ったことがあった。そして、予想以上に大きな滝があったことを覚えている。この竜吟の滝上部に水晶山があることを知ったのは、最近のこと。真夏の低山の山歩きは滝のある山がいい。今回は、久しぶりに館長さんとMIZUさんの植物観察会。目的の山は滝のある水晶山に決めた。

 瑞浪ICを下りて、国道19号線を東進。JR釜戸駅のすぐ手前に竜吟の滝の案内板があり、左に曲がる。国道沿いにドラゴン21ふれあい広場があり、ここにも駐車場があるが、さらに狭い道を車で上がっていく。中央自動車道の高架を潜ると再び駐車場が現れ、行き止まりとなる。10台ほど停められる駐車場に車を止めて靴を履き替える。駐車場の後方のコンクリート壁の上部からオオバギボウシの花が我々を見下ろしている。多様な植物が見られそうな予感。

 まずは、登山口にある案内板を確認。水晶山は竜吟の滝がある谷の東側にあり、滝と山頂を巡る周回コースがある。計画では、先に水晶山山頂を踏んで谷を下るルートとした。石段を登り始めてすぐに足が止まる。左の谷に滝は見える。館長さんからイヌザンショウやムラサキシキブの特徴を教えてもらう。
 
 突然、女性の声でアナウンスが流れた。右側に青い大きな球状の人工物があり、これが竜の卵を型どったもののようだ。アナウンスは竜吟の滝の伝説だったが、最後まで聞かないでさらに登る。すぐ上に湿地が作ってあり、クリンソウが植えてあった。湿地を歩くサワガニを見つけた。二つ目の竜の卵を左に見て登る。オオバギボウシやシュウカイドウがたくさん見られる。ハンゲショウの群落もある。岩陰にはウズグモが渦巻き模様の隠れ家を作っている。
 
 佇む石仏を右に、「一の滝」の分岐点から谷に降りると、目の前に大きな「一の滝」が現れた。「一の滝」が最も落差が大きいようだ。ゴーゴーと落ちる滝の前で写真を撮った。滝の周辺にはミヤコワスレと思われる花が終わりかけていた。
 
 コンクリートの歩道を歩くと、木造の大きな建物が現れた。瑞浪市自然ふれあい館である。玄関前には、カキランやツクシカラマツ、ヤマオダマキなどいろいろな花が栽培されており、この地に自生する植物が保護されている。ふれあい館の館長さんからいろいろと教えてもらった。建物内部の展示も見学し、コースの地図をいただく。周回コースの状況を聞くと、登りはなだらかな谷のほうがいいとのこと。計画を変更して、谷を登ることにする。

 自然ふれあい館を後に、遊歩道を登る。左に東屋があり、この上から「二の滝」への分岐がある。幅が広い滝であり、滝つぼは茶色に濁っている。この谷の上部には竜吟湖があり、ため池の水が滝となっていることから、水の透明度は低い。
 
 遊歩道に戻り石段を登る。右に急な階段があり、これは水晶山に至る「深山の小径」である。ふれあい館館長さんの助言に従って直進して「七滝の小径」へ。赤い鉄の橋を渡り、右岸に渡って小さな「三の滝」を見る。ここに岩の割れ目から生えている珍しい木があった。すぐ上に「えびす滝」があり、よく滝を訪れるというご夫妻からこの付近の滝の情報を聞いた。

 「あんま滝」を見て、遊歩道を登る。チゴユリがたくさんあり、緑色の実を付けている。春にはたくさんの花が咲くことだろう。ホトトギスも多く、この花はこれからだ。「昇竜の滝」を過ぎ「竜吟湖さわやかの小径」の分岐点で、「梵天の滝」に寄る。川の中にある岩に自生しているゼンマイは葉が小さいヤシャゼンマイだと館長さんに教えてもらう。
 
 「せせらぎの小径」の丸木階段をノギランを見ながら登る。まだヤマボウシの花が見られた。右へ木道が分岐しており、本来なら木道を歩いて観察小屋に行くべきだったが、木道を「こもれびの小径」と勘違いし、地道を歩いた。この木道は観察小屋を経由して遊歩道に合流していることが、この先ですぐに分かった。木道にたくさんの白い花が落ちている。見上げれば大きな木に白い花がたくさん咲いている。この幹は美しいモザイク模様になっており、ナツツバキである。それにしても大きなナツツバキであり、見ごたえがある。周囲には何本ものナツツバキが見られた。
 
 ここから、左の「逆川の小径」を登る。ここでもナツツバキが見られた。ひと登りで明るい車道に出た。車が駐車してあり、目の前には池がある。竜吟湖であり、水量は少ないがかなり大きい。堰堤を歩くとイチゴのようなオレンジ色の実を付けた木がある。カジノキであり、クワの仲間。赤い実を食べてみると異常なほど甘い。明らかにイチゴの味とは違う。

 堰堤の橋に大岩があり、展望台のようなテラスがあるが、展望は今1つ。南東には水晶山の山頂が見える。ここから水晶山の登山口までは車道を歩くことになる。ログハウスのきれいなトイレがあり、この近くの木陰で休息。我々を追いかけるようにボーイスカウトの団体がやってきて、同じ場所で休息。聞けば、我々と同じ道を登ってきたとのこと。

 頭上から真夏の太陽が照り付けるアスファルトの道を3分ほど歩くと三叉路に差し掛かった。どちらへ行くか迷った。自然ふれあい館でいただいた手書きの地図を見てもよく分からないので、GPSで確認すると水晶山への道は右のようだ。後を追ってきたボーイスカウトの皆さんに右が正しい道であることを告げ、さらに車道を歩く。

 数分歩いて、「やすらぎの小径」に入り、明るい道を歩く。山頂直下の丸木階段に取り付き、息を切らして登りきると東屋に到着。ここが水晶山山頂である。山名標示板は無い。東側は切り開かれており、恵那山が望めたが、半分ほどが雲の中。西側からバイクの爆音が聞こえてくる。竜吟湖の水面と、その左にサーキット場を走るバイクが見える。ボーイスカウトの皆さんはわずかの休息の後、下っていった。入れ違いに若い女性二人が反対側から登ってきた。

 ここでランチにする。東屋よりも木陰のほうが涼しいので、桜の木の下にシートを敷いた。メニューはおでんと冷やしそば。館長さんやMIZUさんからいただいたフルーツをデザートに、いろいろな話に花が咲く。真夏の低山で気温は高いが、吹く風は涼しい。
 
 ランチの後、東の切り開きに出てみると、恵那山がかなり見えるようになっていた。切り開きからさらに細い道がヤブの中に続いているので、辿ってみるとすぐに大岩の展望地に出た。さらにもう1つの岩に上ってみると、岩は垂直に切れ落ちており、打ち込まれているピンも見られたことから、ロッククライミングの岩にもなっているようだ。

 岩の上からは、目の前に緑のパノラマが広がる。山裾の緑と瑞浪市の田園、そして右には屏風山が堂々と居座っている。夏の青空に真っ白な雲が塊を作っている。照りつける太陽の熱で岩が高温になっており、ゆっくり景色を見ていられなかった。

 東屋に戻って、下山開始。南へ下る。屏風山を正面に見ながら、炎天下の広い丸木の遊歩道を、植物観察しながら下り、少し登り返すと東屋があった。山頂で記念写真を撮るのを忘れたので、ここで写真を撮った。振り返ると、水晶山山頂が目の前に見える。岩の上からもこの東屋が見下ろせたが、大岩がよく分からなかった。

 東屋を後に、先ほど登ってきた谷に向かってぐんぐん下っていく。白狐稲荷大明神参道の標示があり、左に道が分岐していたので少し踏み込んでみると、トイレがあった。さらに道が続いていたが、トイレから引き返した。丸木階段を一気に下って、往路に合流。自然ふれあい館に再度寄って館長さんに途中で見かけた白花のママコナについて尋ねると、この花はシロバナシコクママコナで、珍しい花だと教えてもらった。お礼を言って車まで戻った。

 植物観察のコースとして最適の山だった。谷と尾根歩きがセットになっており、思ったより植物の種類は豊富。今回はナツツバキやシロバナシコクママコナなど思わぬ拾い物をした気分。四季を通じていろいろな花が楽しめることから、また登ってみたい山である。
★水晶山からの展望


★水晶山の生物


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