トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

蓼科山 (2530m 長野県) 2013.8.15 晴れ 2人

七合目登山口・一ノ鳥居(8:37)→天狗の露地(9:20)→将軍平・蓼科山荘(9:48-9:55)→蓼科山頂ヒュッテ(10:30)→蓼科山山頂(10:35-11:43)→蓼科山頂ヒュッテ(11:46)→将軍平・蓼科山荘(12:24-12:37)→天狗の露地(12:59)→七合目登山口・一ノ鳥居(13:33)

★8月15日に長野県の蓼科山に登って来ました。
★女神湖から蓼科山七合目登山口まで車で上がり、一ノ鳥居をスタート。
★コメツガの樹林帯を歩くと次第に傾斜が増し、枯れ木と石が転がる急斜面へ。
★後方に女神湖を見ながら、急斜面を登り切って将軍平の山小屋に到着。
★ここから大岩の積み重なる道を、山頂目指して登りました。
★クサリ場を通過し、さらに垂直に近い急傾斜を登って、蓼科山山頂ヒュッテに到着。
★石の上を歩いて蓼科山山頂に立ちました。
★ガスが湧き上がる山頂で神社に参拝して昼食。
★下山は、登ってきた道を下りました。
★展望はあまりありませんでしたが、山梨県からみえた親子5人パーティと行動を共にし、とっても楽しい山歩きとなりました。


 電気技師ロイが原因不明の停電を調べるため車を走らせる。突然、強烈な光に遭遇し、UFOらしき物体を目撃する。その時から、ロイは昼も夜も山のイメージが頭に浮かび、土やポテトなどで山の模型をひたすら作るようになる。ワイオミング州で毒ガス流出のニュースを見たロイは、テレビに映し出された山を見て、自分が思い描く山であることを確信。その山の名前は「デビルズ・タワー」。失踪した子供を捜すジリアンと一緒にロイは、政府の追手を振り切ってデビルズ・タワーに登り、そこで未知との遭遇をする・・・・。

 スティーブン・スピルバーグが人類初の異星生命体と接触する姿を描く傑作SF映画「未知との遭遇」を初めて見たときの感動を忘れることはできない。その感動とともに、デビルズ・タワーの山容は強烈に脳裏に残った。

 ずいぶん前に、信州を訪れ、初めて蓼科山を見たとき、まぎれもなくこの単独峰はデビルズ・タワーだと思った。なだらかな山麓から立ち上がるように急な稜線を持つ蓼科山は、デビルズ・タワーほど円柱形ではないが、映画の中でロイやジリアンが描き続けた山を思い起こさせる。いつか必ず登らなければならない・・・そして、今年の夏山は蓼科山を選んだ。

 蓼科山にはいくつかのコースが整備されている。今回は、山頂まで最も短いコースである蓼科山七合目の一ノ鳥居からのコースを登る。標高は2,530mあるが、七合目から登るため、山頂までのコースタイムは1時間40分と短い。

 女神湖の手前のゴンドラリフトがある蓼科ふれあい牧場から蓼科スカイラインに入る。御泉水自然園を通過し、山岳道路を走ると、大きな未舗装の駐車場が右手に現れる。ここが七合目登山口の駐車場であり、10台以上の車が停まっていた。駐車場からはカラマツ林の上に頭を出す蓼科山が望めた。

 靴を履き替えて、車道を歩くとすぐにトイレがあり、ここにも駐車場があったが、満車だった。周辺にはマツムシソウやワレモコウなどの花が咲いている。久しぶりに出会う花ばかり。一ノ鳥居があり、ここから山道に入る。

 林床がササの樹林帯の中、緩やかな傾斜の道を歩く。カラマツにはサルオガセが垂れ下がっている。久しぶりに夏山の香りを楽しみながら、前方の登山者を追う。道は広くなり、立ち木や倒木や岩は苔むして北八ツ特有の空間が広がる。苔の上にはマイズルソウの葉が見られた。

 30分ほど歩くとガラガラした石の転がる谷状の道となり、傾斜が増してきた。コイワカガミの艶のある葉を見ながら、単調な斜面を登っていく。「天狗の露地」と書かれた標示があったが、気にしないで通過。下山時に、道を外れたところに展望地があることが分かる。
 
 傾斜はますます増し、石だらけの道を登っていくと母親と子供の二人連れに追いついた。小学生の子はかなり辛そうに登っている。二人を追い抜いて、5分ほどで、今度は父親と子供二人のパーティに追いつく。
 
 お父さんの話では、先ほど出会った二人と同じ家族で、今日は母親と登っている長男の調子が今ひとつとのこと。男の子3人兄弟で、三男の子はまだ幼稚園児。お父さんは子供を背負えるザックだったが、三男は自分の足で元気に登っているのに驚いた。次男は2年生で、脅威の健脚であることがこの後、分かる。そして、この5人家族の皆さんに、この後、何度も出会うことになる。
 
 3人を追い抜いて、石と丸木が散乱する急傾斜を登る。急ではあるが、ピッチを掴んだので、それほどきついと感じない。振り向けば、樹間に女神湖が見える。歩き始めて1時間たったので、休憩をしようかと思っていると、下山してくる登山者から、「後10分ほどで将軍平ですよ」と教えてもらった。休憩は将軍平でとることにして、ノンストップで登る。道が荒れて、わき道ができているところもある。苔の上で、コバノイチヤクソウが可憐な白い花を咲かせている。バイケイソウの葉が現れると、すぐに目の前が開け、山小屋の前に出た。ここが将軍平で、蓼科山荘がある。

 山小屋の前のテントでTシャツやバンダナなどが販売されている。オーナーから「アイスクリームおいしいよ!」と、声を掛けられた。丸い緑の蓼科山を見上げると、山頂は見えないが、頂上近くの岩場を登る登山者が小さく見えた。ここから山頂までのコースタイムは30分。コースは直角に右に向きを変える。

 一息ついて山頂を目指す。バイケイソウや咲き遅れたゴゼンタチバナの花を見ながら、岩の多い道を緩やかに登る。ツガの樹林帯の中に岩が積み重なったような道が一直線に続いており、その傾斜は次第に増してくる。下って来る人も多く、山頂の展望を聞いてみると雲が湧き上がってきたとのこと。どうやら展望は期待できそうにない。
 
 山荘から10分ほど歩くとクサリ場が現れるが、クサリに頼るほどの岩場ではない。ぐいぐいと岩を乗り越えていく。周囲の木々の背丈は次第に低くなり、明るい道になる。傾斜角度も半端ではない。ひたすら登っていると、後方から子供に追い抜かれた。先ほど出会った家族の次男の子だった。大人でもこの岩を乗り越えるために足を上げるのが大変なところもあるが、彼はひょいひょいと登っていく。これには驚いた。

 山荘から20分ほどで展望のいい道となった。ほとんど直角に近い角度の岩の積み重なりを、黄色い矢印を見ながら登る。この辺りは森林限界に近く、木々の背丈が低くなり、振り向くと眼下に蓼科山荘が見下ろせる。山荘から見えた岩場はこの辺りのようだ。西から雲が湧き上がり、女神湖方面の展望は無い。登る人、下る人。大勢の登山者で賑わう。

 出会う登山者と会話をしながら、向きを左に変え、ハイマツやダケカンバの低木帯を緩やかに登ると、青い屋根の山小屋が現れた。蓼科山山頂ヒュッテの右を通って、岩の道の黄色い矢印の方向に歩くと山頂に立つ木柱が見えてきた。大勢の登山者がいる山頂で、順番を待って記念写真を撮った。三角点はコンクリートで固められている。
 
 先ほど出会った子供たちと話をした。男の子3人兄弟で、家族でよく山に登っており、登った山の話などを聞かせてもらった。山頂はすり鉢と言うよりは皿状の噴火口になっており、中央には小さな神社が建っている。大きな石が敷き詰められている山頂を横断して、神社まで行ってみる。鉄でできた鳥居があり、ここで参拝。

 その先に方位盤が見えたので、山頂の火口を横断して行ってみる、岩の上を飛び石のように歩いているうちに、いくつかの岩に穴が開いていることに気がついた。ポットホールと呼ばれる甌穴に似ている。小石と水流によってできる穴だが、この山頂でこのような穴ができたのはなぜだろうか。
 
 方位盤は三角点の反対側にあり、ガスがなければ西側の展望がすばらしいに違いない。展望が無いので、三角点方向に引き返して、昼食場所を探した。三角点西側へ少し下りたところの平らな岩をテーブルにして昼食にする。メニューは簡単なインスタントラーメン。ガスストーブを二つ並べてラーメンを作った。山で食べるラーメンはうまい。次々とやってくる山頂の登山者を見ながら昼食を終えた。帰路は、登ってきた道を戻る。
 
 渋滞する急傾斜の石の斜面を下り、蓼科山荘に着くと、再び5人家族の皆さんと一緒になった。三男の子はお父さんに背負われて小屋に到着。テントの下のベンチで、飯田で購入したミニリンゴを食べて出発。すぐに5人家族に追いつき、長男と次男の子と一緒に下った。

 「天狗の露地」の表示まで下り、子供たちにここが展望地になっていることを教えてもらった。道を外れて左へ入ってみると石が敷き詰められたような広場から女神湖などが見下ろせた。ここで、家族と別れて登ってきた道を下っていると、後方からやって来た次男の子に追い抜かれた。ものすごいスピードで下っていくのに驚いた。子供なので体が柔らかく、こけても大丈夫のようだ。
 
 1時を過ぎたが、この時間になっても登ってくる人がある。山小屋泊の登山者だろうか。次男の子と一緒に七合目登山口の一ノ鳥居まで下った。すぐに三男とお父さんが鳥居に到着。みんなで記念写真を撮った。このファミリーに出会えてとても楽しい山歩きとなった。
 
 帰路、七合目登山口から少し下ったところにある御泉水自然園に寄ってみた。総合案内所で入園料300円を払って、道路より西側の湿原の木道を中心に歩いた。総合案内所の近くのヨツバヒヨドリにたくさんのアサギマダラが集まっていた。今登ってきた蓼科山を左に見ながら、木道に入り、美しい天然林とササの中の道を歩く。この時期、湿原に花はほとんど無いが、カラマツやササの緑が美しく、癒しの世界が続く。草原植生を見て1時間ほどで駐車場に戻った。
 
 白樺湖温泉すずらんの湯に寄って汗を流し、ものすごい雷雨の中、諏訪湖の花火大会で混雑する中央自動車道諏訪ICを後にした。
★蓼科山の生き物


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